『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』

放浪人

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第17話:絶体絶命

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 石造りの暗い通路を、私たちは無言で駆け抜けていた。  足元は悪く、湿った苔に滑りそうになる。  頼りになるのは、クラウス様が持っている小さな灯りと、私の肩にかかる彼の重みだけだった。

「ハァ……ハァ……」

 クラウス様の息遣いが、刻一刻と荒くなっていく。  当然だ。  彼は先ほどの戦闘で、頭と足を負傷している。  血が止まっていない。  私の白いドレスの肩口は、すでに彼の鮮血で赤黒く染まっていた。

「エリス……すまない。私が……足手まといになるとは……」

 掠れた声で、彼が謝罪を口にする。  あの無敵の宰相が。  いつも私を守り、導いてくれた彼が、今は私の支えなしでは歩けないほど弱っている。

 私は首を横に振った。  (謝らないでください。貴方が生きていてくれるだけで、私は頑張れるんです)  声には出せないけれど、そう念じながら、私は彼を支える腕に力を込めた。

 私たちは、王宮の地下深くに張り巡らされた「王家の隠し通路」を進んでいた。  ここは本来、緊急時の避難経路として作られたものだ。  しかし、何百年もの間使われていなかったせいで、空気は澱み、所々崩落している箇所もある。

 ドォォォン……!

 背後から、微かな振動が伝わってきた。  遠い。  でも、確実に近づいている。

 追っ手だ。  モルガン公爵の手勢が、玉座の間の隠し扉を破壊し、あるいは別の入り口を見つけて、雪崩れ込んできたのだ。  彼らは本気だ。  私とクラウス様を殺し、クーデターを完成させるために、草の根分けても探し出す気だ。

「……急ごう」

 クラウス様が歯を食いしばり、痛む足を引きずるようにして速度を上げる。  私もそれに合わせて必死に足を動かした。

 一本道だと思っていた通路が、やがて開けた空間に出た。  そこは、地下の分岐点だった。  三つの道に分かれている。

 右か、左か、中央か。

 クラウス様が立ち止まり、壁に手をついて息を整えながら、周囲を見回した。

「……標識がない。王家の記録にも、ここの詳細は記されていなかったはずだ」

 彼は苦渋の表情を浮かべた。  この選択を間違えれば、袋小路に追い詰められるか、あるいは永遠に地下を彷徨うことになる。  そして、迷っている時間はない。

 私は三つの道を凝視した。  右の道からは、微かに風が吹いてくる。地上に近いのかもしれない。  左の道は、ジメジメとしていてカビ臭い。  中央の道は、下り坂になっており、闇が深い。

 普通に考えれば、風の来る右だ。  クラウス様もそう判断したようだ。

「右だ。風が通っている。出口がある可能性が高い」

 彼は右へ足を踏み出そうとした。

 しかし。  私はその袖を引っ張った。  (待ってください)

 嫌な予感がしたのだ。  風が来るということは、出口が開いているということ。  でも、もしそこが敵に知られている出口だったら?  あるいは、断崖絶壁に繋がっているだけだったら?

 私の「ビビリセンサー」が警鐘を鳴らしている。  『楽そうな道には罠がある』  前世の教訓だ。

 私は無言で首を振り、中央の道を指差した。  一番暗く、一番険しそうな、下り坂の道。

「……中央か? だが、下っているぞ。これではさらに地下へ潜ることになる」

 クラウス様が訝しげに見る。  当然の反応だ。  逃げるなら上へ行くべきで、下へ行くのは自殺行為に思える。

 でも、私は引かなかった。  なんとなく、そっちのほうが「生きてる匂い」がしたのだ。  地下水路特有の、湿った水の匂い。  水があれば、流れに乗って外へ出られるかもしれない。

 私が頑として動かないのを見て、クラウス様はふっと笑った。

「……わかった。君の直感を信じよう。今まで、君の選択が間違っていたことは一度もないからな」

 彼は私の手を握り直した。

「行こう、奈落の底へ。君と一緒なら、地獄巡りも悪くない」

 冗談めかして言うけれど、彼の手は冷たく汗ばんでいた。  私たちは中央の闇へと足を踏み入れた。

          ◇

 道は予想通り過酷だった。  崩れかけた石段。  天井から滴り落ちる水滴。  そして、何かが這いずるような不気味な音。

 クラウス様の体力が限界に近づいていた。  彼の足取りは重く、何度も膝をつきそうになる。  そのたびに私は彼を支え、励ますように背中をさすった。

 どれくらい歩いただろうか。  永遠にも思える時間の果てに、私たちは行き止まりにぶつかった。

「……!」

 巨大な鉄格子。  錆びついた鉄の柵が、道を完全に塞いでいた。  その向こうからは、ゴーッという激しい水音が聞こえる。  地下水路の本流だ。  あそこに出れば、きっと脱出できる。

 でも、通れない。  鉄格子はビクリともしない。  鍵穴もない。どうやら、向こう側からしか開かない仕組みか、あるいは遥か昔に封鎖された区画のようだ。

「……行き止まりか」

 クラウス様が絶望的な声を漏らした。  彼は鉄格子に体を預け、ズルズルと座り込んだ。

「すまない、エリス。……私の判断ミスだ。君の直感に従ったが、運命は我々を見放したらしい」

 違う。  まだ終わってない。  私は鉄格子を揺すった。  硬い。  私の力ではどうにもならない。

 その時。  背後の通路から、足音と話し声が響いてきた。

「こっちだ! 足跡があるぞ!」 「血痕も続いている! 手負いだ、遠くへは行っていないはずだ!」

 追っ手だ。  しかも、すぐそこまで来ている。  松明の明かりが、通路の壁をチラチラと照らし始めた。

 絶体絶命。  前は鉄格子。後ろは追っ手。  袋のネズミだ。

 クラウス様が剣を杖にして、ふらりと立ち上がった。  彼の目は、死を決意した男の目だった。

「エリス。……よく聞きなさい」

 彼は静かに、しかし力強く私に告げた。

「あの鉄格子の隙間なら、君の細い体なら抜けられるかもしれない」

 え?

「私はここで食い止める。狭い通路だ。一人なら、数分は稼げるだろう。……その間に、君は逃げなさい」

 何を言っているんですか。  置いていく?  貴方を置いて、私だけ逃げろと?

 私は激しく首を横に振った。  嫌です。  絶対に嫌です。

「聞き分けのない子だ。……頼む、エリス。君だけでも生きてくれ。それが私の最期の願いだ」

 彼は私の頬に手を添え、悲しげに微笑んだ。  最期?  嫌だ。  そんな言葉、聞きたくない。

 追っ手の足音が大きくなる。  「いたぞ! 行き止まりだ!」  兵士たちの影が見えた。  黒い鎧。抜き身の剣。殺気。

 私の心臓が、恐怖で破裂しそうになる。  死ぬ。  本当に死ぬ。  ここでクラウス様が殺されて、私も捕まって、処刑されて……。

(……処刑?)

 その単語が脳裏をよぎった瞬間。  バチッ!  私の頭の中で、何かがスパークした。

 走馬灯のように蘇る、前世の記憶。  断頭台の露と消える直前、私が投獄されていた地下牢。  そこは、王宮の地下深くに位置していた。

 あの時、私は死への恐怖から、牢の壁に刻まれた古い図面を、来る日も来る日も眺めていた。  看守が暇つぶしに落書きしたのか、あるいは昔の囚人が脱獄を夢見て彫ったのかわからない、稚拙な地図。  そこには、王宮の地下水路の全貌が描かれていた。

 『第三区画の鉄格子はダミー』  『右下の石を押せ』

 そんな文字が、記憶の底から鮮明に浮かび上がってきた。

 ここだ。  この場所だ。  この鉄格子、前世の私が夢にまで見た脱出ルートの入り口にそっくりだ。

 本当かどうかはわからない。  でも、私の「ビビリの記憶力」は、恐怖に関する情報だけは絶対に忘れない。

 私は動いた。  クラウス様が剣を構え、敵に向かおうとするその腕を、ガシッと掴んだ。

「エリス!?」

 私は彼を引きずり、鉄格子の右端へと移動した。  そこには、苔に覆われた石壁がある。  一見、ただの壁だ。  でも、記憶が正しければ……。

 私は足元の、変哲もない四角い石を、踵で思い切り蹴った。

 ガンッ!

 痛い!  足が折れそう!  でも、石が沈んだ。

 ガコンッ。

 重い音がして、鉄格子の一部――人間一人がやっと通れる幅の柵が、スライドして開いた。  隠し扉だ!  ダミーじゃなくて、メンテナンス用の隠しハッチだったのか!

 開いた!  本当に開いた!

 クラウス様が目を丸くしている。  「なっ……!?」  追っ手の兵士たちも驚愕している。  「あいつら、鉄格子を開けやがった!」

 説明している時間はない。  私はクラウス様の腕を引っ張り、開いた隙間へと強引に押し込んだ。  (行って! 早く!)

 彼が向こう側へ倒れ込む。  私も続いて滑り込む。  そして、内側にあるレバー(錆びついているけど)を全体重をかけて下ろした。

 ガシャン!  鉄格子が再び閉じる。

 直後、兵士たちが鉄格子に激突した。  「開けろ! くそっ、どうやったんだ!」  彼らが柵をガンガンと叩くが、もう開かない。  こちらの仕掛けは一方通行。内側からロックがかかる仕組みだ。

 助かった……。  私はその場にへたり込んだ。  心臓が口から飛び出しそうだ。

 クラウス様は、呆然と私を見ていた。  そして、震える声で言った。

「……エリス。君は、ここの構造を知っていたのか?」

 知りません。  前世の牢屋の落書きを覚えていただけです。  でも、そんなことは言えないので、私は無言で、自分の頭を指差した。  (なんとなく、ピンときたんです)

 クラウス様は天を仰いだ。

「信じられない……。君の頭の中には、王国の設計図が入っているのか? それとも、歴代の王たちの霊が君に憑依して導いたのか?」

 また神話化が進んでいる。  でも、今はそれでいい。

「……ありがとう。君に命を救われたのは、これで何度目だろうか」

 彼は這い寄ってきて、私を抱きしめた。  血と汗と泥の匂いがする。  でも、生きている匂いだ。

 鉄格子の向こうでは、兵士たちが喚いているが、もう手出しはできない。  私たちは、さらに奥へと続く水路の道――今度こそ、地上へと続く道を進み始めた。

          ◇

 水路を抜けた先は、王都の外れを流れる川の岸辺だった。  冷たい夜風が吹き抜ける。  雪は止んでいたが、空には分厚い雲が垂れ込めている。

 私たちは河川敷の枯れ草の上に倒れ込んだ。  泥だらけで、ボロボロで、まるで浮浪者のようだ。  でも、生きている。

「ハハ……」

 クラウス様が乾いた笑い声を漏らした。

「見ろ、エリス。王宮が……」

 彼が指差した先。  遠くに見える王宮の尖塔。  そこには、見慣れた王国の旗ではなく、双頭の蛇――ガレリア帝国の紋章旗が翻っていた。

 王宮が落ちたのだ。  クーデターは成功し、国の中枢は敵の手に落ちた。

 絶望的な光景だ。  私たちは逃げ延びたけれど、帰る場所を失った。  国を奪われた宰相と、その婚約者。  これからは、国中がお尋ね者として私たちを追ってくるだろう。

 私は寒さに震えながら、クラウス様を見た。  彼は王宮を睨みつけていた。  その瞳には、絶望ではなく、燃え上がるような復讐の炎が宿っていた。

「……終わっていない」

 彼が低く呟く。

「まだ終わっていないぞ、モルガン。ミリア。……貴様らが奪ったものを、倍にして取り返してやる」

 彼はゆっくりと立ち上がった。  足の傷は痛むだろうに、その立ち姿は王者のように堂々としていた。  彼は私に手を差し伸べた。

「行こう、エリス。反撃の狼煙を上げる時だ」

 私はその手を取った。  強く、握り返した。

 逃げ隠れするのはもう終わりだ。  私だって、ただ守られるだけのお姫様じゃない。  焼き芋を焼き、ストーカーを撃退し、地下通路の暗号を解いた女だ。  やれることはあるはずだ。

 それに、あの玉座の間で、ミリアに言われた言葉が忘れられない。  『土下座して命乞いをしなさい』  あの屈辱。  絶対に許さない。  倍返しだ。  いつか彼女を、私の前で土下座させてやる。

 私たちは夜の闇に紛れ、歩き出した。  目指すは、王都の地下組織か、あるいは忠誠を誓う騎士たちの隠れ家か。  二人だけの、国を取り戻すための革命が始まった。

          ◇

 翌朝。  王都に衝撃的な布告が出された。

『前宰相クラウス・ヴァン・アイゼンベルク、ならびにエリス・フォン・ローゼン。  国家反逆罪および国王暗殺未遂の罪により、指名手配とする。  生死は問わず。首を持参した者には、莫大な賞金を与える』

 街角の掲示板に貼られた手配書。  そこには、私たちの似顔絵が描かれていた。  私の絵は、なぜか実物よりも三割増しで美化され、悪女っぽい笑みを浮かべていた。

 それを見ていたフード姿の少女が一人。  エリスだ。  彼女は無言で手配書を破り捨て、路地裏へと消えていった。  その隣には、足を引きずりながらも鋭い眼光を放つ男の姿があった。

 「沈黙の聖女」の逃亡劇。  それは、後に語り継がれる「王政復古の大戦争」の、静かなる幕開けだった。
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