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第30話(最終話):あなたと紡ぐ、永遠の物語
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夢のように幸せだった結婚式と、華やかな披露宴が終わり、夜が訪れた。
城の最上階にある、私たちのために新しく作られた、広々とした寝室。
バルコニーからは、手が届きそうなほどの満点の星空と、祝福の灯りに美しく照らされた、ヴォルフガントの街並みが、一望できた。
「……綺麗……」
「ああ」
ひんやりとした夜風に当たりながら、私は、隣に立つカイの、逞しい肩に、そっと寄り添った。
彼は、私の肩を、優しく、優しく抱き寄せてくれる。
「終わってしまったのですね。夢のような、一日が」
「いや。……ここからが、始まりだ」
カイは、そう言うと、私の体を、自分の方へと、くるりと向かせた。
そして、その両手で、私の頬を包み込む。
「俺たちの、永遠に続く、物語の始まりだ」
その、甘い言葉に、私の心臓が、とくん、と愛おしく鳴った。
月明かりに照らされた、彼の、神が作りたもうたかのような、完璧な顔。
その瞳は、熱っぽく、そして欲の色を隠さずに、私だけを映している。
もう、言葉は、いらなかった。
私たちは、まるで、一つの魂に引き寄せられるように、自然と、唇を重ねる。
最初は、羽が触れるように、優しく。
次第に、お互いの熱を確かめるように、深く、激しく。
お互いの、すべてを求め、すべてを許し合うように。
長い、長い口づけの後、カイは、私を、ひょい、と軽々と抱き上げた。
いわゆる、お姫様抱っこ、というものだ。
「きゃっ、カイ!?」
「……ベッドへ、行こう」
耳元で囁かれた、掠れて、熱を帯びた声。
その声に、私の体温が、一気に、沸点まで上昇する。
彼は、私を抱き上げたまま、天蓋付きの大きなベッドへと運び、そっと、その柔らかなシーツの上に、下ろしてくれた。
そして、彼自身も、私の隣に、そのしなやかな体を横たえる。
見つめ合う、二つの瞳。
そこに宿るのは、もう、ただ、純粋な愛と、お互いへの、渇望だけ。
「……アリア」
「……カイ」
どちらからともなく、お互いの、まだ慣れない、けれど、これからは当たり前になる、呼び名を口にする。
そして、彼の大きな手が、私のドレスの、背中の小さなボタンに、そっと、かけられた。
一枚、また一枚と、私たちを隔てるものが、取り払われていき、私たちの、ありのままの姿が、優しい月明かりの下に、晒されていく。
初めて、すべてをさらけ出す、恥ずかしさ。
でも、それ以上に、彼と、完全に一つになれるという、喜びと、期待が、勝っていた。
「……綺麗だ、アリア。世界で、誰よりも」
彼は、私の肌に、髪に、唇に、まるで愛を刻みつけるように、何度も、何度も、口づけを落としていく。
その度に、私の体は、甘く、痺れて、彼の、燃えるような熱に、溶かされていくようだった。
そして、ついに、私たちが、本当の意味で、一つになった、その瞬間。
私は、今まで感じたことのない、突き抜けるような、そして、魂が満たされるような、幸福感に、包まれた。
「……愛してる、アリア……。俺の、すべてだ……」
「私も……私も、愛しています、カイ……。あなただけを……」
私たちは、何度も、何度も、愛を囁き合い、求め合った。
夜が、白み始めるまで、ずっと、ずっと。
――こうして、偽りの聖女と呼ばれた私の物語は、最高のハッピーエンドを迎えた。
でも、カイが言ったように、これは、終わりじゃない。
ここから始まる、新しい物語の、ほんの序章に過ぎないのだ。
これから、私たちは、二人で、たくさんの愛を育んでいく。
時には、喧死もするかもしれない。
困難に、ぶつかることもあるだろう。
でも、私たちは、きっと、大丈夫。
だって、私の隣には、世界で一番、愛しいあなたが、いてくれるのだから。
あなたと紡ぐ、永遠の物語。
その、輝かしい最初のページは、今、めくられたばかり――。
【本編 完】
城の最上階にある、私たちのために新しく作られた、広々とした寝室。
バルコニーからは、手が届きそうなほどの満点の星空と、祝福の灯りに美しく照らされた、ヴォルフガントの街並みが、一望できた。
「……綺麗……」
「ああ」
ひんやりとした夜風に当たりながら、私は、隣に立つカイの、逞しい肩に、そっと寄り添った。
彼は、私の肩を、優しく、優しく抱き寄せてくれる。
「終わってしまったのですね。夢のような、一日が」
「いや。……ここからが、始まりだ」
カイは、そう言うと、私の体を、自分の方へと、くるりと向かせた。
そして、その両手で、私の頬を包み込む。
「俺たちの、永遠に続く、物語の始まりだ」
その、甘い言葉に、私の心臓が、とくん、と愛おしく鳴った。
月明かりに照らされた、彼の、神が作りたもうたかのような、完璧な顔。
その瞳は、熱っぽく、そして欲の色を隠さずに、私だけを映している。
もう、言葉は、いらなかった。
私たちは、まるで、一つの魂に引き寄せられるように、自然と、唇を重ねる。
最初は、羽が触れるように、優しく。
次第に、お互いの熱を確かめるように、深く、激しく。
お互いの、すべてを求め、すべてを許し合うように。
長い、長い口づけの後、カイは、私を、ひょい、と軽々と抱き上げた。
いわゆる、お姫様抱っこ、というものだ。
「きゃっ、カイ!?」
「……ベッドへ、行こう」
耳元で囁かれた、掠れて、熱を帯びた声。
その声に、私の体温が、一気に、沸点まで上昇する。
彼は、私を抱き上げたまま、天蓋付きの大きなベッドへと運び、そっと、その柔らかなシーツの上に、下ろしてくれた。
そして、彼自身も、私の隣に、そのしなやかな体を横たえる。
見つめ合う、二つの瞳。
そこに宿るのは、もう、ただ、純粋な愛と、お互いへの、渇望だけ。
「……アリア」
「……カイ」
どちらからともなく、お互いの、まだ慣れない、けれど、これからは当たり前になる、呼び名を口にする。
そして、彼の大きな手が、私のドレスの、背中の小さなボタンに、そっと、かけられた。
一枚、また一枚と、私たちを隔てるものが、取り払われていき、私たちの、ありのままの姿が、優しい月明かりの下に、晒されていく。
初めて、すべてをさらけ出す、恥ずかしさ。
でも、それ以上に、彼と、完全に一つになれるという、喜びと、期待が、勝っていた。
「……綺麗だ、アリア。世界で、誰よりも」
彼は、私の肌に、髪に、唇に、まるで愛を刻みつけるように、何度も、何度も、口づけを落としていく。
その度に、私の体は、甘く、痺れて、彼の、燃えるような熱に、溶かされていくようだった。
そして、ついに、私たちが、本当の意味で、一つになった、その瞬間。
私は、今まで感じたことのない、突き抜けるような、そして、魂が満たされるような、幸福感に、包まれた。
「……愛してる、アリア……。俺の、すべてだ……」
「私も……私も、愛しています、カイ……。あなただけを……」
私たちは、何度も、何度も、愛を囁き合い、求め合った。
夜が、白み始めるまで、ずっと、ずっと。
――こうして、偽りの聖女と呼ばれた私の物語は、最高のハッピーエンドを迎えた。
でも、カイが言ったように、これは、終わりじゃない。
ここから始まる、新しい物語の、ほんの序章に過ぎないのだ。
これから、私たちは、二人で、たくさんの愛を育んでいく。
時には、喧死もするかもしれない。
困難に、ぶつかることもあるだろう。
でも、私たちは、きっと、大丈夫。
だって、私の隣には、世界で一番、愛しいあなたが、いてくれるのだから。
あなたと紡ぐ、永遠の物語。
その、輝かしい最初のページは、今、めくられたばかり――。
【本編 完】
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