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第十九話 側近の暴走、聖女候補が証人になる
「……ふふ。なんだか、体が軽すぎて飛べそうです」
王宮へと向かう馬車の中。 私は窓の外を流れる景色を眺めながら、思わずそう呟いていた。 誓約紋という名の「穴」が塞がり、本来の魔力が戻った私の体は、これ以上ないほど絶好調だ。 指先を少し動かすだけで、空中の塵がキラキラと光り、車内に飾られた花が一斉に蕾を開くほどに。
「あまり魔力を溢れさせるな、レティシア。馬車が加速しすぎて空を飛びかねない」
隣に座るクロード様が、やれやれといった様子で私の手を握り、魔力制御の補助をしてくれる。 その手つきは慣れたもので、完全に「保護者」の顔だ。
「申し訳ありません。エネルギーが有り余っていて、じっとしていられないのです」
「元気なのはいいことだ。……だが、これから向かう場所は、少々退屈で空気の悪い場所だからな。その輝きで浄化してやるといい」
今日私たちが向かっているのは、王宮の司法局。 先日拘束されたリオネル殿下の「側近たち」に対する、予備審問が行われるのだ。 殿下はすでに幽閉されているが、彼を唆し、悪事を働いた側近たち――特に、筆頭側近であるジェラールの罪はまだ確定していない。 彼は宰相の息子という立場を利用し、「全ては王太子の独断であり、我々は従わされただけだ」と責任逃れを図っているらしい。
「往生際が悪いですね」
「ああ。だが、それも今日で終わる。……強力な『助っ人』も呼んであるからな」
クロード様が不敵に笑う。 助っ人? 私は首を傾げたが、彼は「着いてからのお楽しみだ」と教えてくれなかった。
◇
司法局の審問室には、重苦しい空気が漂っていた。 部屋の中央には、ジェラールをはじめとする数名の側近たちが座らされている。 彼らは一様に不満げな顔をしており、特にジェラールはふんぞり返って法務官を睨みつけていた。
「ですから! 私は止めたのです! 殿下がレティシア嬢を追放すると言い出した時も、予算を横領しようとした時も、必死で諫言しました!」
ジェラールが唾を飛ばして弁明する。
「しかし殿下は聞く耳を持たなかった! 『未来の王である私の命令が聞けないのか』と脅されたのです! 我々は被害者だ!」
「ほう。被害者、ですか」
審問室の扉が開き、私とクロード様が入室すると、ジェラールの顔が引きつった。
「レ、レティシア……!」
「ごきげんよう、皆様。……ずいぶんと顔色がよろしいようで。主君が牢獄にいるというのに、随分と元気そうですね」
私はにっこりと微笑んだ。 今の私は、魔力満タンの「超・レティシア」だ。 笑顔一つで室内の照明がパッと明るくなり、彼らの顔に脂汗が浮かぶのが見えた。
「な、なんだその威圧感は……!」
「気のせいですよ。……さて、ジェラール様。貴方は殿下に脅されていたと仰いましたが、私の記憶とは少々異なりますね」
私はクロード様にエスコートされながら、彼らの前に立った。
「殿下に『レティシア嬢を追い出せば、予算は自由に使えますよ』と耳打ちしていたのは誰でしたか? 『ミレイユ様を聖女に仕立て上げれば、教会からの寄付金も思いのままです』と唆していたのは?」
「証拠があるのか!」
ジェラールが机を叩いて立ち上がる。
「記憶だの目撃証言だの、そんな曖昧なもので私を罪に問えると思っているのか! 私は宰相の息子だぞ! 確たる物証がない限り、これ以上の侮辱は許さん!」
彼は知っているのだ。 自分たちが交わした密談や裏工作の指示書は、すでに処分済みであることを。 殿下は感情で動くタイプだったが、ジェラールは狡猾だ。自分に火の粉が降りかからないよう、証拠隠滅だけは徹底していたらしい。
「証拠なら、ありますよぉ」
その時。 緊迫した空気をふわりと和ませる、間延びした声が響いた。
「……え?」
ジェラールが振り返ると、私の背後から、ピンクブロンドの髪を揺らした少女がひょこっと顔を出した。 聖女候補、ミレイユ様だ。
「ミ、ミレイユ!? なぜお前がここに……!」
「ジェラール様、こんにちはぁ。……これ、持ってきました」
ミレイユ様は両手で抱えていた、分厚くて可愛らしいノートを机の上に「どん!」と置いた。 表紙には『ミレイユとジェラール様たちのヒミツの交換日記♡』と書かれている。
「……は?」
「私ぃ、物覚えが悪いので、ジェラール様たちに言われたことは全部、その日に日記に書いていたんですぅ。あと、ジェラール様からもらった『指示のお手紙』も、嬉しくて全部貼り付けておきました!」
「なっ……!?」
ジェラールの顔色が、土気色を超えて透明になりそうなほど青ざめた。
「あ、ありえない……! あの手紙は『読んだら燃やせ』と言ったはずだ!」
「えぇー? だってぇ、可愛い便箋だったから燃やすのもったいないじゃないですかぁ。シールも貼ってデコレーションしておいたんですよ?」
ミレイユ様は悪気なく――いや、今ばかりは少し楽しそうに、ノートを開いた。
『X月X日。ジェラール様に「レティシアのドレスにインクをこぼせ」って言われました。でもインクは落ちにくいから、水にしておきました』 『Y月Y日。側近の皆様から「王太子の印鑑を勝手に持ち出せ」とのご命令。ミレイユ、頑張って探しました!』
ページをめくるたびに、そこに貼られたジェラールの直筆メモや、悪事の指示が次々と露呈していく。 しかも、ページの余白にはミレイユ様の描いた「悪い顔をしたジェラール様の似顔絵」まで添えられていた。
「ぷっ……」
法務官の一人が吹き出した。 もはや、言い逃れなどできるレベルではない。
「こ、これは……捏造だ! 私が書いたものではない!」
「筆跡鑑定をすれば一発ですね」
クロード様が冷ややかに告げる。
「それに、このノートにはミレイユ嬢の『聖女の魔力』が無意識に染み込んでいる。嘘の記述があれば反発するはずだが、魔力は安定している。つまり、全て真実ということだ」
「そ、そんな……馬鹿な……!」
ジェラールは崩れ落ちた。 まさか、自分たちが利用していた「天然で御しやすい人形」だと思っていた少女に、背後から刺されるとは思ってもいなかったのだろう。 しかも、「デコレーションされた交換日記」という、最高に間の抜けた凶器で。
「ミレイユ嬢、よくやった」
クロード様が珍しく他人を褒めた。
「えへへ、ありがとうございますぅ。私、もう嘘はつかないってレティシア様と約束しましたから!」
ミレイユ様は私を見て、Vサインを作ってみせた。 なんて頼もしい味方になったのだろう。
「……連行しろ」
法務官の合図で、衛兵たちが側近たちを取り囲む。 これで終わりだ。 そう思った瞬間、ジェラールが狂ったように笑い出した。
「はは……ははは! まだだ! まだ終わらんぞ!」
「何?」
「私を捕らえれば、父である宰相が黙っていない! それに、まだ『最後の舞台』が残っている!」
ジェラールは血走った目で私を睨みつけた。
「三日後の夜会……『建国記念舞踏会』だ! そこで私は、貴様らの不当性を全貴族、そして外国の賓客の前で訴えてやる! 私の父の権力を使えば、この程度の証拠、握りつぶすことなど造作もない!」
彼はまだ、父親の権力にすがろうとしている。 確かに、宰相はこの国の行政トップだ。彼が息子を庇えば、司法の手も鈍るかもしれない。
「公開処刑にしてやる! レティシア、貴様が調子に乗っていられるのもあと三日だ! 舞踏会で、地獄を見せてやるから覚悟しておけ!」
ジェラールは捨て台詞を吐きながら、衛兵たちに引きずられていった。 審問室に静寂が戻る。
「……懲りない男ですね」
私がため息をつくと、クロード様は冷ややかな、しかしどこか楽しげな表情を浮かべていた。
「建国記念舞踏会か。……奇遇だな、私もそれを『終わりの場所』にしようと思っていたところだ」
「クロード様?」
「宰相もろとも、腐った根を一掃するには良い機会だ。……レティシア、君には最高のドレスと、最高の『ざまぁ』の演出を用意しよう」
彼の瞳が、キラリと光った。
「公開処刑? 違うな。あれは、私たちの『婚約披露パーティー』になる予定だ」
三日後。 ルミナリア王国最大の夜会にて、全ての因縁に決着がつく。 元・悪役令嬢と冷徹公爵、そして最強の天然聖女候補。 私たちの反撃のフィナーレが、幕を開けようとしていた。
王宮へと向かう馬車の中。 私は窓の外を流れる景色を眺めながら、思わずそう呟いていた。 誓約紋という名の「穴」が塞がり、本来の魔力が戻った私の体は、これ以上ないほど絶好調だ。 指先を少し動かすだけで、空中の塵がキラキラと光り、車内に飾られた花が一斉に蕾を開くほどに。
「あまり魔力を溢れさせるな、レティシア。馬車が加速しすぎて空を飛びかねない」
隣に座るクロード様が、やれやれといった様子で私の手を握り、魔力制御の補助をしてくれる。 その手つきは慣れたもので、完全に「保護者」の顔だ。
「申し訳ありません。エネルギーが有り余っていて、じっとしていられないのです」
「元気なのはいいことだ。……だが、これから向かう場所は、少々退屈で空気の悪い場所だからな。その輝きで浄化してやるといい」
今日私たちが向かっているのは、王宮の司法局。 先日拘束されたリオネル殿下の「側近たち」に対する、予備審問が行われるのだ。 殿下はすでに幽閉されているが、彼を唆し、悪事を働いた側近たち――特に、筆頭側近であるジェラールの罪はまだ確定していない。 彼は宰相の息子という立場を利用し、「全ては王太子の独断であり、我々は従わされただけだ」と責任逃れを図っているらしい。
「往生際が悪いですね」
「ああ。だが、それも今日で終わる。……強力な『助っ人』も呼んであるからな」
クロード様が不敵に笑う。 助っ人? 私は首を傾げたが、彼は「着いてからのお楽しみだ」と教えてくれなかった。
◇
司法局の審問室には、重苦しい空気が漂っていた。 部屋の中央には、ジェラールをはじめとする数名の側近たちが座らされている。 彼らは一様に不満げな顔をしており、特にジェラールはふんぞり返って法務官を睨みつけていた。
「ですから! 私は止めたのです! 殿下がレティシア嬢を追放すると言い出した時も、予算を横領しようとした時も、必死で諫言しました!」
ジェラールが唾を飛ばして弁明する。
「しかし殿下は聞く耳を持たなかった! 『未来の王である私の命令が聞けないのか』と脅されたのです! 我々は被害者だ!」
「ほう。被害者、ですか」
審問室の扉が開き、私とクロード様が入室すると、ジェラールの顔が引きつった。
「レ、レティシア……!」
「ごきげんよう、皆様。……ずいぶんと顔色がよろしいようで。主君が牢獄にいるというのに、随分と元気そうですね」
私はにっこりと微笑んだ。 今の私は、魔力満タンの「超・レティシア」だ。 笑顔一つで室内の照明がパッと明るくなり、彼らの顔に脂汗が浮かぶのが見えた。
「な、なんだその威圧感は……!」
「気のせいですよ。……さて、ジェラール様。貴方は殿下に脅されていたと仰いましたが、私の記憶とは少々異なりますね」
私はクロード様にエスコートされながら、彼らの前に立った。
「殿下に『レティシア嬢を追い出せば、予算は自由に使えますよ』と耳打ちしていたのは誰でしたか? 『ミレイユ様を聖女に仕立て上げれば、教会からの寄付金も思いのままです』と唆していたのは?」
「証拠があるのか!」
ジェラールが机を叩いて立ち上がる。
「記憶だの目撃証言だの、そんな曖昧なもので私を罪に問えると思っているのか! 私は宰相の息子だぞ! 確たる物証がない限り、これ以上の侮辱は許さん!」
彼は知っているのだ。 自分たちが交わした密談や裏工作の指示書は、すでに処分済みであることを。 殿下は感情で動くタイプだったが、ジェラールは狡猾だ。自分に火の粉が降りかからないよう、証拠隠滅だけは徹底していたらしい。
「証拠なら、ありますよぉ」
その時。 緊迫した空気をふわりと和ませる、間延びした声が響いた。
「……え?」
ジェラールが振り返ると、私の背後から、ピンクブロンドの髪を揺らした少女がひょこっと顔を出した。 聖女候補、ミレイユ様だ。
「ミ、ミレイユ!? なぜお前がここに……!」
「ジェラール様、こんにちはぁ。……これ、持ってきました」
ミレイユ様は両手で抱えていた、分厚くて可愛らしいノートを机の上に「どん!」と置いた。 表紙には『ミレイユとジェラール様たちのヒミツの交換日記♡』と書かれている。
「……は?」
「私ぃ、物覚えが悪いので、ジェラール様たちに言われたことは全部、その日に日記に書いていたんですぅ。あと、ジェラール様からもらった『指示のお手紙』も、嬉しくて全部貼り付けておきました!」
「なっ……!?」
ジェラールの顔色が、土気色を超えて透明になりそうなほど青ざめた。
「あ、ありえない……! あの手紙は『読んだら燃やせ』と言ったはずだ!」
「えぇー? だってぇ、可愛い便箋だったから燃やすのもったいないじゃないですかぁ。シールも貼ってデコレーションしておいたんですよ?」
ミレイユ様は悪気なく――いや、今ばかりは少し楽しそうに、ノートを開いた。
『X月X日。ジェラール様に「レティシアのドレスにインクをこぼせ」って言われました。でもインクは落ちにくいから、水にしておきました』 『Y月Y日。側近の皆様から「王太子の印鑑を勝手に持ち出せ」とのご命令。ミレイユ、頑張って探しました!』
ページをめくるたびに、そこに貼られたジェラールの直筆メモや、悪事の指示が次々と露呈していく。 しかも、ページの余白にはミレイユ様の描いた「悪い顔をしたジェラール様の似顔絵」まで添えられていた。
「ぷっ……」
法務官の一人が吹き出した。 もはや、言い逃れなどできるレベルではない。
「こ、これは……捏造だ! 私が書いたものではない!」
「筆跡鑑定をすれば一発ですね」
クロード様が冷ややかに告げる。
「それに、このノートにはミレイユ嬢の『聖女の魔力』が無意識に染み込んでいる。嘘の記述があれば反発するはずだが、魔力は安定している。つまり、全て真実ということだ」
「そ、そんな……馬鹿な……!」
ジェラールは崩れ落ちた。 まさか、自分たちが利用していた「天然で御しやすい人形」だと思っていた少女に、背後から刺されるとは思ってもいなかったのだろう。 しかも、「デコレーションされた交換日記」という、最高に間の抜けた凶器で。
「ミレイユ嬢、よくやった」
クロード様が珍しく他人を褒めた。
「えへへ、ありがとうございますぅ。私、もう嘘はつかないってレティシア様と約束しましたから!」
ミレイユ様は私を見て、Vサインを作ってみせた。 なんて頼もしい味方になったのだろう。
「……連行しろ」
法務官の合図で、衛兵たちが側近たちを取り囲む。 これで終わりだ。 そう思った瞬間、ジェラールが狂ったように笑い出した。
「はは……ははは! まだだ! まだ終わらんぞ!」
「何?」
「私を捕らえれば、父である宰相が黙っていない! それに、まだ『最後の舞台』が残っている!」
ジェラールは血走った目で私を睨みつけた。
「三日後の夜会……『建国記念舞踏会』だ! そこで私は、貴様らの不当性を全貴族、そして外国の賓客の前で訴えてやる! 私の父の権力を使えば、この程度の証拠、握りつぶすことなど造作もない!」
彼はまだ、父親の権力にすがろうとしている。 確かに、宰相はこの国の行政トップだ。彼が息子を庇えば、司法の手も鈍るかもしれない。
「公開処刑にしてやる! レティシア、貴様が調子に乗っていられるのもあと三日だ! 舞踏会で、地獄を見せてやるから覚悟しておけ!」
ジェラールは捨て台詞を吐きながら、衛兵たちに引きずられていった。 審問室に静寂が戻る。
「……懲りない男ですね」
私がため息をつくと、クロード様は冷ややかな、しかしどこか楽しげな表情を浮かべていた。
「建国記念舞踏会か。……奇遇だな、私もそれを『終わりの場所』にしようと思っていたところだ」
「クロード様?」
「宰相もろとも、腐った根を一掃するには良い機会だ。……レティシア、君には最高のドレスと、最高の『ざまぁ』の演出を用意しよう」
彼の瞳が、キラリと光った。
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三日後。 ルミナリア王国最大の夜会にて、全ての因縁に決着がつく。 元・悪役令嬢と冷徹公爵、そして最強の天然聖女候補。 私たちの反撃のフィナーレが、幕を開けようとしていた。
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