緊急! 超獣鋼猟 ウイークエンダー・ラビット ~パーフェクト朱墨の山~

リューガ

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123.リンリン♪ お祭り楽しみ!

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 国道は平らでまっすぐ。
 この道は奥能登の一番奥につながる道だから、なくては困るんだ。
 地震のあと、すぐに直したらしいよ。
 青空は広々。
 太陽サンサン。
 暑い。
 でも、スピードにのって感じる風は、気持ちいい。
 これが、ずーッと続くんだ。
 電動のファットバイクは興味深い!
 もっと試したくなった。
 やっぱり、海まで行こう!
 休日だから、ドライブの車が多いのは気をつけよう。
 この道を走るのは、はじめての人かもしれない。
 一方、国道にならぶ歩道には人がいない。
 車道と違ってこっちは後回し。
 ゆがんで壊れたままだ。
 歩道を形作るコンクリートの大きな板。
 それが飛び上がった形のまま、固まってる。
 下の土がなくなってるんじゃないの? と思えるほど、深くめり込んでるのもある。
 これも地震のせいなんだ。
 
「今日はやけに、地震のあとが目につくな。
 そうか」
 いつも見る景色は、例えば親が運転する自動車から。
 または登下校に必死でこいでた自転車。
 そのどちらとも、違うんだ。
 電動ファットバイクの乗り心地や景色が、新鮮だからだ。
 だから目につくのかもしれない。
 草だらけの空き地がある。
 そこに向かって、コンクリートの道がのびてる。
 地震で崩れた家の跡だね。
 草が少ないところは、コンクリートの土台が残ってるんだ。
 さみしい風景。
 と、思ったら、あ!
 似たような空き地に家が建ちはじめてる。
 
 これは、私の戦果だって誇って良いよね!
 ここに暮らしても安全だって、思ってもらえたって、ことだよね!
「新しい友達ができるかな。
 だったら良いな」

 ジリリ ジリリリリ……

 独り言に反応するように、音が聞こえてきた。
 鈴みたいな、金属が鳴る音が重なる。
 MCOの音だ!

 ジリリ ジリリ ジリリ……

 音楽?
 そう、音楽なんだね!
「それいいね。って言ってくれてるの? 」
 明るい曲だね。
「当たり、ってこと? 」
 アップテンポだった曲が、さらに早くなっていく。
「そう、そうだといいね」
 この音は、耳を通じて聴こえる音なんだ。
 だから、他人にも聞こえるし、録音もできる。
「私たち、うまく付き合えると思う? 」

 リリン・・・ リリン・・・

 わかんないや。

 MCOの音は、百万山市の訓練以来、多くの人に聞こえるようになった。
 あの日の私たちの活動は、MCOにとって、信用できるものだったみたい。
 私が聞こえるようになったのは、4日前。
 たよられるなら、何かしてあげたいけど。
 どうすればいいんだろう。
 今は、みんなで考え中ってところだよ。

 それにしても暑いや。
 小学校の前の雑貨屋さんに寄ろう。
 自販機だ。
 ジュースにしよう。
 小学校か。
 私はここのOGなんだ。
 そして今は、しのぶとみつきが通ってる。
 そう言えば、この学校のグラウンド、地震の仮設住宅が並んでたんだ。
 私が入学する前の何年かはね。
 今は、もとのグラウンドに戻されてる。

 あれ?
 怪獣が襲ってきても仮設住宅が増えてない。
 それって、私たちの戦いもなかなかのものってことじゃない?

 ところで、私はちょっと変わったものからサイフを出してる。
 それはリュックサック。
 形は仮面の女神。
 縄文時代の美の象徴と言われる、土偶なんだ!
 国宝!
 これがなんと、ウイークエンダーそっくり。
 頭のキューポラを外したウイークエンダーの頭、逆三角形の顔をしてるの。
 百万山市のニュースを見た、私のファンが作ってくれたんだ。
 材料は茶色のフェイクレザー。
 土偶らしい色になってる。
 表面には、細かく丸い模様が何本もきざまれてる。
 これは本物の土偶と同じデザインなんだ。
 防水もバッチリ。
 これは、歴史による偶然と、ファンと私の信頼がうんだ、ありがたい逸品!
 そう言えば、MCOの音が聞こえるようになったのは、このリュックがきた時からだったな。
 ファンと私。
 人とのつながりの象徴。
 たくさんの人の心の集合体であるMCOにとっては、仲間みたいなものなのかな?
 う~ん、と考えてみる。
 ・・・・・・ジュース。

 ゴクゴク

 ああっ、冷たくておいしい。
 と同時に、MCOがなった。
 やっぱり、私の感情に反応してる?
「もうすぐ楽しみにしてる季節がくるんだけど、聞く? 」
 ひかえめな音が、短調なリズムを奏でた。
「7月になれば、能登は祭りのシーズンなの。
 9月まで毎日、能登のどこかで祭りがあるんだよ」
 また鳴った。
 この音は、興味深い、って意味かな?
「キリコってのを、みんなでかついで夜に練り歩くの。
 キリコってのは、大きな灯籠で・・・・・・。
 何て言うのかな? 」
 改めて言おうとすると、難しいね。
「薄い紙で張った、大きな箱!
 その中でLEDを光らせるの。
 神さまの夕ずみの灯りにするんだって」
 同じ音が続いてる。
 興味深い、が続いてるみたい。
「夜にはヨバレってパーティーもあるよ。
 祭りをする家に親戚や友だちを招いて、料理をご馳走するの。
 私はそっちが楽しみー! 」
 MCOの音が一気に大きくなる。
 さっきのジュースで料理を味わえるのは証明された。
 きっと、興味がさらにわいたんだ! 
「アハハ、ハハハ。
 私たち、うまくやれそう! 」
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