緊急! 超獣鋼猟 ウイークエンダー・ラビット ~パーフェクト朱墨の山~

リューガ

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124.トロワグロ家の試練

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 歌ってみた。
「リリン リンリン♪ 」

 リリン リンリン

 そっくりに返してくる!
「ジリリリ リリン リンリン♪ 」

 ジリリリ リリン リンリン

 楽しい!
 それに、この電動ファットバイク!
 走っても走っても、全然疲れない。
 初めて!
 こんなにストレスがないの!
 のどがかわくのは仕方がないけど。
 あ、自販機だ。
 大きな農業会社の前まで来たんだ。
 この辺りの田んぼを地主さんから借りて、たくさんお米を作ってるんだ。
 お、ラッキー。
 ここの自販機、安い!
 人がたくさん出入りするからかな。

 チリン チリリン チリリン

 MCOが明るい音楽を流してくれる。
 今の気分にあってる。
 ありがたいね。
 
そう言えば、はーちゃんは、高度な意思を持つAIなら、MCOの気持ちがわかった。
「お互いの気持ちをわかりあうように、技術の改善をして行けば良いのかな? 」

 チリン! チリン! チリリリリ!
 
 テンポが早くなった。
 賛成なのかな。

「海まで、行けるね」
 ここまで、家からおよそ1時間。
 この調子なら、30分ほど進めばつく。
 がまんできない距離じゃないね。
 海沿いに右に走れば、ショッピングモール。  
 つづいてラポルト・ハテノ。
 ラポルト・ハテノか。
 あの時の緊張が、よみがえってきた。
 あそこで、MCOのことを全国規模で、そこからの報道で世界規模で発表したんだ。
 思えば未熟さばかりだった。
 恥ずかしい!
 
 その手前で商店街に行こうかな。
 でも、別にほしい物もないしな。
 考えてるうちに、またのどがかわいてきた。
「よし! 」

――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――

 10分ほど走ると、商店街の入り口についた。
 空き地がたくさんある商店街が。
 そこも地震で多くの家が倒れたんだ。
 
 でも私の目的地は、そこまで行かない。
 田んぼのエリアと商店街の間にある交差点。 
 そこに面した、白い外壁で町工場風の一階建て。
 その見た目に、ナメてかかる人は幸せになれない。

「こんにちは~」
 トロワグロ商店。
 安菜の家で、街一番のパン屋さん!
 そう。
 海に行くのは、へこたれたんだ。
「「「いらっしゃい」」」
 良いねぇ。
 安菜と、それそっくりな笑顔が迎えてくれる。
 安菜のお母さんのルネさん。
 2人は同じチョコレート色で。
 それと、お父さんの良輔さん。
 この店は日曜日と月曜日が定休日だから。
 今日は土曜日。
 稼ぎ時だから、みんないる。
「あら、今日は1人なの? 」
 そうなんです、ルネさん。
「新しく買った電動自転車の試運転なんです」
 よし!
 せっかく1人で来たんだ。
 たくさん買わないと!
 料理店の娘としての、プライドの話だよ。
 親ときた時、他の食べ物屋さんの料理を美味しく頂くってのは、親に悪い気がするものなんだ。
 目指すのは、冷蔵コーナー。
 あるある!
 冷やしクリームパン各種!
 ミルククリーム、チョコレート、抹茶、アンコ、ブルーベリー!
 よろこんで選ばせていただきます!
「あの、うさぎちゃん。
 相談があるんだけど」
 そしたら、ルネさんに呼ばれた。
 なんだろう?
「安菜から聞こえる、MCOについてなんだけど」
 ふりむくと、安菜も良輔さんも、真剣な顔。
 家族で話し合ってのことらしい。
「とりつかれた個人ごとに、MCOの個体差があるか、試してみない? 」
 興味深いですね。
 で、どうやって?
「フランス語が通じるか、でどうかな? 」
 それ、良いですね。
 と言おうとしたけど、やめた。
 ここからは、フランス語だ。
「セ・ボン」
  ちゃんと、できるかな?
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