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46.なんで重いの?
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動かないボンボニエールが、1機だけあった。
朱墨ちゃんのファントム・ショットゲーマー専用機が。
そこから朱墨ちゃんが下りてくる。
スルスルと、手足を装甲の曲がった部分において。
馴れた様子で、巫女装束を引っかけることもなく。
履いているのは白足袋に草履だよ。
滑ることはなさそう。
「やめなさーい!」
私とならんで同じように手を振って止める。
ジャラジャラ、たくさんの鈴がなってる。
朱墨ちゃんが、ふところから金色の鈴を取りだしてふっていた。
私と同じように、少しでも目立つように振ているんだろう。
名前は忘れたけど。
そういえば、これが「鈴なり」の言葉の元になったらしい。
ウィーン ウィーン
再びモーター音が響きわたった。
目の前に突き付けられた、レーザー砲が、引っ込んだ。
マチェットも。
無数のボンボニエールたちは、こっちに向けた武器をことごとくそらしていく。
このボンボニエールの群れ、最初は圧倒されるばかりだった。
今は、うらやましいとも思えない。
「こいつら、MCOだよ」
達美さんだ。
「大部分、30パーセントが滅んだ文明の物だね。
ものすごーく怒ってる。
けど、今生きてる人のもあるみたい。
こっちは、装備の事を怒ってる。
生き霊ってやつだね」
これだけの相手を前に、構えもせず、近づいていく!
「装甲に耳を当ててごらん。
その神楽鈴ににた音が聞こえるから」
そう言って、朱墨ちゃんの鈴を指さした。
思いだした。
神楽は、神を祭る舞。
それでふる鈴だから、神楽鈴。
「聴かせてね」
達美さんがそう言って髪をかきあげると、人間的な耳がでる。
それを、ボンボニエールの足につけた。
この人の目や耳は特別なんだ。
各種センサーとネコの感覚を組み合わせて、隠された世界を見る。
当然、鼻や皮膚や舌も。
「へえ。僕にも聴かせてください」
真っ先に耳をつけたのは、やっぱり武志さん。
あの人はいつもそう。
私たちも、それにならった。
昼間の熱さがぬけ切ってない、人肌よりは高い温度の鉄板。
その奥から、音がする。
金属的な音。
鈴のようにも聞こえる。
マリンバや鉄琴みたいな、もう少し大きな金属の音もある。
さらに大きな、金属の動く音も。
こすれてる音。
ひねってる音。
でもそれは、中の駆動系とか、それを支える小さな機械の音じゃない。
コンピューターを冷やすファン、みたいな音じゃない。
例えるなら。
「この音? 今動いてる機械じゃなくて、もっと細かい?
木に耳をつけたときに聞こえる、あの音?
水を吸う音とか、木の葉が風に揺れてそれが聞こえる、とか言う、アレに似てる気がします」
我ながら、変な回答だ。
でも私のカンはこういうときに当たる。
「正解!」
達美さん。当たったんですか?
「MCOが、生き物の細胞みたいなものになって、このボンボニエールを形作ってる。
本物のボンボニエールに取り憑たら、どうなるんだろ・・・・・・」
「あ、あの」
朱墨ちゃんが耳を当ててたのは、あの大きなレーザー砲を積んだ機体だ。
そこから、目を見開いて聴いてきた。
「この機体は、何なんですか。
これは実機が存在するわけがないんです」
胴体うえの、いかにもバランスの悪そうな装備を指差して。
「あのレーザー、試作品があるだけです。
E部門でしか使う人いないんです!」
「あの、E部門、て?」
おずおずとした質問はアーリンくん。
「Eは、エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)のことです」
武志さんが答えた。
「コンピューターゲームで、たくさんの人がインターネットでつながって対戦します。
E部門は、そこから発生したヒーローのことです」
「それに、この服!」
朱墨ちゃんに起こった謎はまだある。
「ここへ呼び出されたら、急に着てたんです。
柄も、持ってる服とは違います。
こんなお仕着せ? みたいなこと、何で起こるんですか?」
それは・・・・・・分からないけど。
敵対するものでは? 無いよね。
「あの皆さん、意見があります・・・・・・」
おずおずとアーリンくんが手を上げた。
朱墨ちゃんのファントム・ショットゲーマー専用機が。
そこから朱墨ちゃんが下りてくる。
スルスルと、手足を装甲の曲がった部分において。
馴れた様子で、巫女装束を引っかけることもなく。
履いているのは白足袋に草履だよ。
滑ることはなさそう。
「やめなさーい!」
私とならんで同じように手を振って止める。
ジャラジャラ、たくさんの鈴がなってる。
朱墨ちゃんが、ふところから金色の鈴を取りだしてふっていた。
私と同じように、少しでも目立つように振ているんだろう。
名前は忘れたけど。
そういえば、これが「鈴なり」の言葉の元になったらしい。
ウィーン ウィーン
再びモーター音が響きわたった。
目の前に突き付けられた、レーザー砲が、引っ込んだ。
マチェットも。
無数のボンボニエールたちは、こっちに向けた武器をことごとくそらしていく。
このボンボニエールの群れ、最初は圧倒されるばかりだった。
今は、うらやましいとも思えない。
「こいつら、MCOだよ」
達美さんだ。
「大部分、30パーセントが滅んだ文明の物だね。
ものすごーく怒ってる。
けど、今生きてる人のもあるみたい。
こっちは、装備の事を怒ってる。
生き霊ってやつだね」
これだけの相手を前に、構えもせず、近づいていく!
「装甲に耳を当ててごらん。
その神楽鈴ににた音が聞こえるから」
そう言って、朱墨ちゃんの鈴を指さした。
思いだした。
神楽は、神を祭る舞。
それでふる鈴だから、神楽鈴。
「聴かせてね」
達美さんがそう言って髪をかきあげると、人間的な耳がでる。
それを、ボンボニエールの足につけた。
この人の目や耳は特別なんだ。
各種センサーとネコの感覚を組み合わせて、隠された世界を見る。
当然、鼻や皮膚や舌も。
「へえ。僕にも聴かせてください」
真っ先に耳をつけたのは、やっぱり武志さん。
あの人はいつもそう。
私たちも、それにならった。
昼間の熱さがぬけ切ってない、人肌よりは高い温度の鉄板。
その奥から、音がする。
金属的な音。
鈴のようにも聞こえる。
マリンバや鉄琴みたいな、もう少し大きな金属の音もある。
さらに大きな、金属の動く音も。
こすれてる音。
ひねってる音。
でもそれは、中の駆動系とか、それを支える小さな機械の音じゃない。
コンピューターを冷やすファン、みたいな音じゃない。
例えるなら。
「この音? 今動いてる機械じゃなくて、もっと細かい?
木に耳をつけたときに聞こえる、あの音?
水を吸う音とか、木の葉が風に揺れてそれが聞こえる、とか言う、アレに似てる気がします」
我ながら、変な回答だ。
でも私のカンはこういうときに当たる。
「正解!」
達美さん。当たったんですか?
「MCOが、生き物の細胞みたいなものになって、このボンボニエールを形作ってる。
本物のボンボニエールに取り憑たら、どうなるんだろ・・・・・・」
「あ、あの」
朱墨ちゃんが耳を当ててたのは、あの大きなレーザー砲を積んだ機体だ。
そこから、目を見開いて聴いてきた。
「この機体は、何なんですか。
これは実機が存在するわけがないんです」
胴体うえの、いかにもバランスの悪そうな装備を指差して。
「あのレーザー、試作品があるだけです。
E部門でしか使う人いないんです!」
「あの、E部門、て?」
おずおずとした質問はアーリンくん。
「Eは、エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)のことです」
武志さんが答えた。
「コンピューターゲームで、たくさんの人がインターネットでつながって対戦します。
E部門は、そこから発生したヒーローのことです」
「それに、この服!」
朱墨ちゃんに起こった謎はまだある。
「ここへ呼び出されたら、急に着てたんです。
柄も、持ってる服とは違います。
こんなお仕着せ? みたいなこと、何で起こるんですか?」
それは・・・・・・分からないけど。
敵対するものでは? 無いよね。
「あの皆さん、意見があります・・・・・・」
おずおずとアーリンくんが手を上げた。
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