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第3章
勘違い
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スティラside
「なんで剣に手をかけてるんだよ。もしかしてまだ敵がいるのか?」
(こいつ……!)
私は本能でエリックを敵と認識し剣に手をかけ、あいつの行動を1ミリたりとも見逃すまいと注意深く観察する。
「敵はどこにいるんだー?」
あいつはまだ呑気に周りをキョロキョロして魔物を探している。
(もしかして索敵苦手なの?ということは気配を消せばっ……!)
そう思ってあいつが違う方向を見た隙に気配を消す。
この能力はスキルではなくレイモンド流剣術の基本体技の1つで「気配同化」といって、正確には気配を消すのではなく気配を周囲と『同化させる』だ。
この技は周りの環境などを知っておく必要があるが、スティラはほぼ毎日ここにランニングをしに来てるおかげで気配同化を使えたのだ。
(これで茂みに隠れれば!)
私は足音を立てずに街道横の茂みに隠れた。
「スティラー、どこにいるっ………どこいった?」
エリックはスティラを探すため周りをキョロキョロと見る。
そして────
(……あれ?もしかして目が合ってる?……いや、そんなことあるはずない!)
「おい、いつまでかくれんぼしてるつもりだよ。目合ってるだろ?」
「なっ!?」
私は体が勝手に動いて剣を抜き、あいつに向かって飛び出して行った。
エリックside
「スティラー、どこにいるっ……どこいった?」
(あいつどこいったんだよ……)
少し周りを見回すと……
(………あれスティラだよな?かくれんぼでもしてるつもりか?)
「おい、いつまでかくれんぼしてるつもりだよ。目合ってるだろ?」
「なっ!?」
するとスティラは剣を抜いて襲いかかってきた。
普通の人なら剣が当たった後にやっと気づく速さだが、エリックは剣を抜く動作から全て見えていた。なので上段に構えたまま突っ込んできたスティラの剣を掴むことも難しくなかった。
「いきなり襲いかかってきてなんだよ?」
「さっきの剣を見て剣術家としてあんたを危険人物としたの!だからここで────殺す!」
するとスティラは掴まれてる剣を無理やり抜いて後ろに大きく飛び、体勢を立て直した。そしてもう一度飛び込むために足に力を入れた時だった。
俺の横、王都に向かう街道からとてつもない勢いで何かが飛んできた。
それを俺は五感だけで把握し、一歩後ろに下がり通り過ぎる時に裏拳で殴った。
「なんだ?」
飛んできた何かは男の人だった。
その男は裏拳を受けて地面に強く体を打ったはずなのにすぐにスティラの前に移動し、剣を構え直していた。
「お父さん!」
「スティラ!そこにいろ!」
「な、なんでお父さんがここに!?」
「その話はあとだ!お前が剣を抜き、襲いかかったということは……こいつは危険なんだろう!」
「え?」
ここにきてやっとスティラは自分がした事、思ったことを自覚した。
別にエリックは危険ではあるかもしれない……けど悪くは無い。あいつの剣を見て勝手に驚いただけ、自分の気配同化を見破られただけ。そして自分の剣を止められた。
それだけの事でエリックを危険人物にして襲いかかった。
さっきまで襲われ命の危険があったのだ。
それからあまり経っていなかったので判断力が鈍り、本能に身を任せて行動した。
そして今目の前に剣を構える父がいる。
その構え方は────
「レイモンド流剣術家初手奥義、三美月!」
「おいおっさん!いきなりなんだよ!」
「黙れ!魔族風情が!」
「はぁ!?俺は普通の人間だって!」
「その身体能力、それにうまく隠されているが凄まじい魔力。……これを魔族と呼ばずしてなんだ!」
確かに魔族は身体能力は高い。魔法も幹部クラスになると無詠唱は当たり前になってくる。
普通の魔族でもLv1やLv2で使える魔法であれば無詠唱で発動することが出来る。
魔力量も魔族の平民でも1万前後あるという世界をすぐに征服できそうな強さであるが魔族は基本的に自分から何かをしょうとは思わないらしい。
「そっちがしてきたから攻める」
みたいなことは昔あったらしい。
では、なぜ魔族は『悪』と思われているのか。これだけ見ればちょっかいを出さなければ問題ない……と思うだろう。
魔族が『悪』と思われている理由は
この世界にいる魔物は魔族が作り出した
と言われているのである。
そのため他種族と仲良くしようとしている魔族も迫害されたりするのだ。
「なぜ魔族がここに居るかは分からんが……ここでお前を討つ!」
「お父さん!だめ!!」
そう言うとスティラのお父さんは10メートルほどあった距離を詰める。その時間はわずか0.5秒。
この技は相手との間合いを詰めてから0.1秒もしないうちに3連撃を決め込む技。
使用者が消えたと思えば次の瞬間には体に3つの傷が残るという踏み込んだ時点でこっちの勝ち……みたいな技だ。
しかし、この技はレイモンド流剣術の奥伝である。それ故に使えるのはサラのひとり弟子でありレイモンド流剣術の後継者であるヴァイス・レイモンドしか使えない。
それを知っているスティラはとっさに目を閉じ、顔を伏せた。
「本当になんなんだよお前ら!」
しかし目を開けるとさっきスティラがやられたように剣を指でつかむエリックがいた。
「なんで剣に手をかけてるんだよ。もしかしてまだ敵がいるのか?」
(こいつ……!)
私は本能でエリックを敵と認識し剣に手をかけ、あいつの行動を1ミリたりとも見逃すまいと注意深く観察する。
「敵はどこにいるんだー?」
あいつはまだ呑気に周りをキョロキョロして魔物を探している。
(もしかして索敵苦手なの?ということは気配を消せばっ……!)
そう思ってあいつが違う方向を見た隙に気配を消す。
この能力はスキルではなくレイモンド流剣術の基本体技の1つで「気配同化」といって、正確には気配を消すのではなく気配を周囲と『同化させる』だ。
この技は周りの環境などを知っておく必要があるが、スティラはほぼ毎日ここにランニングをしに来てるおかげで気配同化を使えたのだ。
(これで茂みに隠れれば!)
私は足音を立てずに街道横の茂みに隠れた。
「スティラー、どこにいるっ………どこいった?」
エリックはスティラを探すため周りをキョロキョロと見る。
そして────
(……あれ?もしかして目が合ってる?……いや、そんなことあるはずない!)
「おい、いつまでかくれんぼしてるつもりだよ。目合ってるだろ?」
「なっ!?」
私は体が勝手に動いて剣を抜き、あいつに向かって飛び出して行った。
エリックside
「スティラー、どこにいるっ……どこいった?」
(あいつどこいったんだよ……)
少し周りを見回すと……
(………あれスティラだよな?かくれんぼでもしてるつもりか?)
「おい、いつまでかくれんぼしてるつもりだよ。目合ってるだろ?」
「なっ!?」
するとスティラは剣を抜いて襲いかかってきた。
普通の人なら剣が当たった後にやっと気づく速さだが、エリックは剣を抜く動作から全て見えていた。なので上段に構えたまま突っ込んできたスティラの剣を掴むことも難しくなかった。
「いきなり襲いかかってきてなんだよ?」
「さっきの剣を見て剣術家としてあんたを危険人物としたの!だからここで────殺す!」
するとスティラは掴まれてる剣を無理やり抜いて後ろに大きく飛び、体勢を立て直した。そしてもう一度飛び込むために足に力を入れた時だった。
俺の横、王都に向かう街道からとてつもない勢いで何かが飛んできた。
それを俺は五感だけで把握し、一歩後ろに下がり通り過ぎる時に裏拳で殴った。
「なんだ?」
飛んできた何かは男の人だった。
その男は裏拳を受けて地面に強く体を打ったはずなのにすぐにスティラの前に移動し、剣を構え直していた。
「お父さん!」
「スティラ!そこにいろ!」
「な、なんでお父さんがここに!?」
「その話はあとだ!お前が剣を抜き、襲いかかったということは……こいつは危険なんだろう!」
「え?」
ここにきてやっとスティラは自分がした事、思ったことを自覚した。
別にエリックは危険ではあるかもしれない……けど悪くは無い。あいつの剣を見て勝手に驚いただけ、自分の気配同化を見破られただけ。そして自分の剣を止められた。
それだけの事でエリックを危険人物にして襲いかかった。
さっきまで襲われ命の危険があったのだ。
それからあまり経っていなかったので判断力が鈍り、本能に身を任せて行動した。
そして今目の前に剣を構える父がいる。
その構え方は────
「レイモンド流剣術家初手奥義、三美月!」
「おいおっさん!いきなりなんだよ!」
「黙れ!魔族風情が!」
「はぁ!?俺は普通の人間だって!」
「その身体能力、それにうまく隠されているが凄まじい魔力。……これを魔族と呼ばずしてなんだ!」
確かに魔族は身体能力は高い。魔法も幹部クラスになると無詠唱は当たり前になってくる。
普通の魔族でもLv1やLv2で使える魔法であれば無詠唱で発動することが出来る。
魔力量も魔族の平民でも1万前後あるという世界をすぐに征服できそうな強さであるが魔族は基本的に自分から何かをしょうとは思わないらしい。
「そっちがしてきたから攻める」
みたいなことは昔あったらしい。
では、なぜ魔族は『悪』と思われているのか。これだけ見ればちょっかいを出さなければ問題ない……と思うだろう。
魔族が『悪』と思われている理由は
この世界にいる魔物は魔族が作り出した
と言われているのである。
そのため他種族と仲良くしようとしている魔族も迫害されたりするのだ。
「なぜ魔族がここに居るかは分からんが……ここでお前を討つ!」
「お父さん!だめ!!」
そう言うとスティラのお父さんは10メートルほどあった距離を詰める。その時間はわずか0.5秒。
この技は相手との間合いを詰めてから0.1秒もしないうちに3連撃を決め込む技。
使用者が消えたと思えば次の瞬間には体に3つの傷が残るという踏み込んだ時点でこっちの勝ち……みたいな技だ。
しかし、この技はレイモンド流剣術の奥伝である。それ故に使えるのはサラのひとり弟子でありレイモンド流剣術の後継者であるヴァイス・レイモンドしか使えない。
それを知っているスティラはとっさに目を閉じ、顔を伏せた。
「本当になんなんだよお前ら!」
しかし目を開けるとさっきスティラがやられたように剣を指でつかむエリックがいた。
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