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必ず取り戻す
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ガムシャラにスライムと対峙し続けたあの日々。
ちょっとずつ、ちょっとずつ、自分を高めていった、かつて。
一つレベルが上がるたびに、出来る事が増えた。
上がっていくスキル、
上達する技術、
最適化されていく魔法、
時折、発現する新たなスペシャル。
出来る事が増えるたびに、必死に考えた。
どうすれば、自分は、もっと――
武器を創った。
自分に最も適した武器をひたすらに追及した。
鍛冶系のスキルをいっぱい極めて、色々なアイテムを創った。
出来る事が増えるたびに、『最適』の範囲は広がって、確定を見失った。
だからこそ、楽しかったんだ。
夢中で『自分』に没頭した。
己という神をプログラムし続けた、あの日々。
もっと『覚醒技によって上昇する存在値』を上げたい。
火力を犠牲にして、スピードをあげた方が、実戦では有利なんじゃ。
あれ? なんか、グリムアーツの威力、すげぇ上がってきてね?
こいつは、まさしく、『ついに努力が実を結んできた』的な感じのアレじゃね?
うぉお、この神化って技、すげぇ!
うっはー、夢が広がりんぐ!!
ワハハハハ! どうだ、この完璧な装備!
これなら神を超えられる可能性がなきにしもあらず!!
ついに、存在値が1兆を超えたぞぉおおお!
見える、見えるぞ! 俺の目にも、『神の拳』が見える!!
どうした、『ソンキー』! 最強神の名が泣いている的な感じだぞ!
きた、きたぞ……究極超神化2! 俺は究極超神を超えた!!
これぞ、まさしく最強のちか……え? お前らの最高覚醒技、究極超神化5?
っ、ぷじゃけるなぁああああ!!
――取り戻せるのか?
――あの日々を、
――大変だったけど、
――苦しい事はたくさんあったけど、
――自分の弱さが情けなくて、みっともなくて、惨めで、辛くて、
――けれど、それでも、どうしても止まれないくらい、
――楽しくて、楽しくて、楽しくて、仕方がなかったあの日々を
――もう一度……
「は、はは……はははっ……ははっ……」
センの頬を、ツーと、涙が流れていく。
死んでしまった未来。
閉じてしまった可能性。
諦めていた。
仕方ないと、自分を慰めるだけだった、虚ろな日々。
弱い言葉を重ねて、空っぽの自分を守っていた日々。
そんなゴミみたいな日々よ、
ふぁっきゅぅ!
クソくらえ!!
センは、まっすぐに前を見る。
奥底から湧きあがってくる、忘れかけていた『熱い衝動』を抱きとめる。
少年のような顔で、センは、
「……取り戻すぞ……可能だというのならば……絶対に……」
センは決意した。
もう振り向かない。
もう、二度と顧みない。
バカみたいに前だけを見続ける。
それがセンエース。
愚かしく最強を求め続ける、果てなき旅人。
「マジで存在値100京の龍とかいたらどうすっかな……いや、いいよ。むしろ、いい。超えてやるだけだ。はじめて神を見た時と同じか、それ以上ってだけの話……つまり、最高。俺の全てを賭して、超えてやる……超えてやるぞ、全部!!」
暴力的なワクワクがとまらない。
犯罪的じゃないか!
頭が脳汁で満たされている!
解放された自分。
想像もできない、原初の世界――その深層。
この先には、いったい何がある?
ドキドキする。
壊れそうなほど、心が逸はやる。
「……帰ってこい……俺の未来、俺の可能性……」
溢れる脳汁を受け止めて、輝くような笑顔で、
「……さあ、行くぞ。原初の深層」
センは、気力を充実させて、
「たとえ、てめぇが、どれだけ大きな壁であったとしても……俺は必ず超える……超えてみせる!!」
宣言しながら、意気揚々と『冒険の書』を扉の穴にはめこんだ。
すると、その巨大な扉が――
『ブブー。この【冒険の書】は正規のルートで入手されたモノではありません』
などと、ほざきましたとさ。
めでたし、めでたし。
ちょっとずつ、ちょっとずつ、自分を高めていった、かつて。
一つレベルが上がるたびに、出来る事が増えた。
上がっていくスキル、
上達する技術、
最適化されていく魔法、
時折、発現する新たなスペシャル。
出来る事が増えるたびに、必死に考えた。
どうすれば、自分は、もっと――
武器を創った。
自分に最も適した武器をひたすらに追及した。
鍛冶系のスキルをいっぱい極めて、色々なアイテムを創った。
出来る事が増えるたびに、『最適』の範囲は広がって、確定を見失った。
だからこそ、楽しかったんだ。
夢中で『自分』に没頭した。
己という神をプログラムし続けた、あの日々。
もっと『覚醒技によって上昇する存在値』を上げたい。
火力を犠牲にして、スピードをあげた方が、実戦では有利なんじゃ。
あれ? なんか、グリムアーツの威力、すげぇ上がってきてね?
こいつは、まさしく、『ついに努力が実を結んできた』的な感じのアレじゃね?
うぉお、この神化って技、すげぇ!
うっはー、夢が広がりんぐ!!
ワハハハハ! どうだ、この完璧な装備!
これなら神を超えられる可能性がなきにしもあらず!!
ついに、存在値が1兆を超えたぞぉおおお!
見える、見えるぞ! 俺の目にも、『神の拳』が見える!!
どうした、『ソンキー』! 最強神の名が泣いている的な感じだぞ!
きた、きたぞ……究極超神化2! 俺は究極超神を超えた!!
これぞ、まさしく最強のちか……え? お前らの最高覚醒技、究極超神化5?
っ、ぷじゃけるなぁああああ!!
――取り戻せるのか?
――あの日々を、
――大変だったけど、
――苦しい事はたくさんあったけど、
――自分の弱さが情けなくて、みっともなくて、惨めで、辛くて、
――けれど、それでも、どうしても止まれないくらい、
――楽しくて、楽しくて、楽しくて、仕方がなかったあの日々を
――もう一度……
「は、はは……はははっ……ははっ……」
センの頬を、ツーと、涙が流れていく。
死んでしまった未来。
閉じてしまった可能性。
諦めていた。
仕方ないと、自分を慰めるだけだった、虚ろな日々。
弱い言葉を重ねて、空っぽの自分を守っていた日々。
そんなゴミみたいな日々よ、
ふぁっきゅぅ!
クソくらえ!!
センは、まっすぐに前を見る。
奥底から湧きあがってくる、忘れかけていた『熱い衝動』を抱きとめる。
少年のような顔で、センは、
「……取り戻すぞ……可能だというのならば……絶対に……」
センは決意した。
もう振り向かない。
もう、二度と顧みない。
バカみたいに前だけを見続ける。
それがセンエース。
愚かしく最強を求め続ける、果てなき旅人。
「マジで存在値100京の龍とかいたらどうすっかな……いや、いいよ。むしろ、いい。超えてやるだけだ。はじめて神を見た時と同じか、それ以上ってだけの話……つまり、最高。俺の全てを賭して、超えてやる……超えてやるぞ、全部!!」
暴力的なワクワクがとまらない。
犯罪的じゃないか!
頭が脳汁で満たされている!
解放された自分。
想像もできない、原初の世界――その深層。
この先には、いったい何がある?
ドキドキする。
壊れそうなほど、心が逸はやる。
「……帰ってこい……俺の未来、俺の可能性……」
溢れる脳汁を受け止めて、輝くような笑顔で、
「……さあ、行くぞ。原初の深層」
センは、気力を充実させて、
「たとえ、てめぇが、どれだけ大きな壁であったとしても……俺は必ず超える……超えてみせる!!」
宣言しながら、意気揚々と『冒険の書』を扉の穴にはめこんだ。
すると、その巨大な扉が――
『ブブー。この【冒険の書】は正規のルートで入手されたモノではありません』
などと、ほざきましたとさ。
めでたし、めでたし。
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