異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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神速で全てを超えていく物語

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『自我』と『戦闘力』という自律性を捨てた代わりにほぼ同性能のアバターラ――を創りだすと、ニーは叫ぶ。







「シグレ! ニーの――」




 シグレは途中で悟ったようで、言葉を最後まで聞かず、ニーのアバターラを掴み、




「私の体、好きにせぇ」




「シグレの右腕と融合させる! あの天使を防いで!!」




「OK」




「――竜腕、ランク5!!」




 一瞬だけ光った、かと思うと、シグレの右腕が、竜の腕になる。




 そのまま、




「よいしょぉおおお!!」




 近々にまで迫っていた希天使の攻撃を防ぐシグレ。

 そのままアロリリアの腕を掴み、ギュゥウっと握りしめる。

 凄まじい力。

 レベル8の女子高生とは思えない筋力。




 腕を掴まれたアロリリアは、しかし、




「はん、ザコが……」




 ボソっとそう言うと、シグレの腹に蹴りを入れた。

 言っても、しょせんは、右腕だけが存在値50前後になっただけ。

 アロリリアからすれば大したことはない。

 融合している腕以外を攻撃してしまえば――

 そう思ったが、




「ぐふっ――」




 シグレは、大量の血を吐いた――







 ――が、死んではいない!!







「ぇ……」




 その様子を横目に見ていたアロロリアがまず声を漏らし、次いで、ホルスドが、







「なっ、なぜ、死なないっ……アロリリアの存在値は90を超えているんだぞ! そのアロリリアの一撃が、貴様程度の防御力を貫けないはず……ま、まさか、腕だけではなく、全身にもオーラを供給しているのか、ふ、ふざけたスライムがぁああ!! 貴様、どれだけのオーラを内包しているというんだぁああああ!」







 シグレは、血を吐きながら、しかし、顔をあげて、




「はは……死ぬほど痛いけど……ぎり耐えられる……」




 ラリったような、バキバキに充血した目でアロリリアを睨みつけ、




「ウチの旦那には、絶対、手ぇ出させんぞ、あほんだらぁ……さあ、死ぬまで付き合ったるから……好きなだけ、かかってこい、ぼけぇ」







 アロリリアは、苦々しい顔で、




「ちぃ! ガキがぁああ! 死ね、死ねぇえええ! 邪魔だぁあああ!!」




 腕に魔力を込めて、何度も、何度も、シグレを殺そうと、顔面を殴りつける。




 意識を奪おうと、全力で殴りつける――が、




「ぬぅ……いぃい……」




 右の眼球が破裂し、鼻も砕けた。



















 途中、首に、




 ――ザラリ……




 とした違和感を覚えた。

 直接的な痛みではなく、ゾワゾワと這いあがってくる黒い痛み。

 これは、アロリリアから受けた攻撃による影響ではない。



















 『代償』だと即座に理解できた。

 運命をないがしろにした罰。







 『蝕まれた』と認知したとたん、さらに、『呪』は加速した。

 痛みがとめどなく溢れ出てくる。







 それでも、シグレは、ニっと笑った。

 脂汗を撒き散らしながら、







 しかし、顔をあげて、言う。







「……今のあたしを……簡単に殺せると思うな……」




「死にかけがほざくなぁあ! もう死ぬだろうがぁあ!!」




 そこで、アロリリアは、掴まれていない方の腕に、




「これで、終わりだ! 鬱陶しい女ぁあ! 『エンジゥバースト』!!」




 自身に使える最高位のグリムアーツ。

 その溜動作に入った。

 時間にして一秒弱。




 それは、数千年かけて磨き抜いてきたストレート。

 誰にだって歴史はある。

 アロリリアは、魔法が苦手だった。

 ゆえに、辿り着けた必殺の拳。




 溜めて、拳を放つ――そのわずかな一瞬の間、

 ずっと、シグレは、自分の死を感じていた。




 けれど、驚くほど清々しい気分だった。




 気が遠くなるほどの苦痛に染まる底。

 死を前にしたその僅かな時間の奥で、シグレは、つい微笑んでしまった。




 と同時に右目から零れる涙。

 悲しくて流す雫じゃない。




 『一緒に死にたい』とすら思える相手を守って死ねた。

 それが、ただ嬉しかった。




 自分の人生には意味があった……なんて、そんな気持ち悪い事を思った。




 穢けがし、抗あらがい、殺し、奪い、腐り、無意味な虚勢を張りながら、現実と闘ってきた。

 鉄の匂いがする記憶――が、シグレの中で溶けて弾ける。




 アロリリアの溜めが終わり、拳が迫った。




 そんな、圧縮された時間の中で、




(名前くらい……知りたかったな――)




 未練に触れた、虚空清浄(ほんのわずかな時間)。

 その一瞬を、
















 ――闇色の閃光が、さらっていった。



















 殺神となったヒーローの右腕が、まっすぐ――




 ――グチャァァッッッッッッ!!!
















 上位天使を砕く轟音が空間に響いた。

 一撃で、跡形もなくバラバラに炸裂したアロリリア。




 と、同時に、シグレを蝕んでいた黒い影も払われた。

 狂気の波動が、シグレの呪を中和する。




 ――『互い』の『心と体が近くにあればあるほど、弱まる呪』――




 完全に呪いを消し去ることはできないが、

 共にいる限り、

 魂が寄り添う限り、

 シグレの呪は、『最悪』には至らない。










「シグレ、ありがとう」










 拳をふるったのは、神を殺す闇――

 そこには、幽玄たる殺戮の化身が一体。

 禍々しい鋼血の邪龍。

 烈々たる黄泉の鬼羅。




 いつか花開くと分かっていた閃光が、今、闇色に咲き乱れる。










「本当に、ありがとう」










 心からの感謝を告げるゼン。




 シグレを想いながら、声を紡ぐ。







「寝てていいぞ。あとは、もう……俺の手が、神を殺すだけだから」










 ゼンの、言葉を聞きながら、シグレは、










(超かっこえぇ……どんだけホレさしたら気ぃすむねん……)










 最後に、そんなアホな事を想いながら気絶した。



















『残り稼働時間――7秒』
















 脳内に響く声を聞いて、ゼンは、ニタっと笑う。




「……長ぇな、そんなにいらねぇ」




 そう呟いて、殺神は、音の壁を殺しながら跳躍した。
















 0000000000000000000000000000000000000










  : アスラ・エグゾギア‐システム発動時 :










 名前『阿修羅ゼン』




 メインクラス『殺神』

 サブクラス 『闘神』

       『戦神』

       『死神』

       『羅神』




 ・称号『神を殺す闇』

    『殺戮の化身』

    『神話の切札』










 《COST》 【1】

 《改造率》  【0%】




 [EGB]     【9950億6300万/9950億6300万】

 [MP]      【0/0】




 「攻撃力」       【196億8900万】

 「魔法攻撃力」     【0】

 「防御力」       【0】

 「魔法防御力」     【0】

 「敏捷性」       【21億50万】

 「耐性値」       【6億2000万】

 「バリア再生力」    【0】

 「魔力回復力」     【0】

 「反応速度」      【3億600万】
















 ・武装

 【なし】




 ・AGEスキル

 【殺神遊戯さつじんゆうぎモード】「全性能が大幅に上昇。ただし、稼働時間減少」

 【サイコジョーカー】「全性能が凶悪に上昇。ただし、???」

 【UFオーラ展開】「システム発動時、常に最高位のフェイクオーラに包まれる」







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