異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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バグ襲来編 前編

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 戦争が終わり、世界は、偉大なる英雄王センを中心に団結しはじめた。

 問題は山積みだが、明日は輝いていた。




 全てが良い方に進むと思われた矢先、

 まるで、追撃のように、大問題が降ってきた。




 第2~第9アルファをつないだゲートの『深部』が、『ドコカ』と繋がったのだ。




 こちらから向こうに行くことはできないその『ドコカ』から、『奴ら』はやってきた。




 センによって名づけられたその災害の名は『バグ』。




 強大な力を持ち、自我を持たない巨大なバケモノ。

 見た目は、『薄羽の生えた、トラックサイズの巨大なサソリみたいな何か』だった。




 その存在値は、どいつもこいつも『1000』以上。

 おまけに、異常なほど生命力が高い。




 そんなバケモノが、『10000』以上。

 しかも、信じられない事に、

 やつらは、『リポップ』性能を有するモンスターだった。




 世界を荒らしまわったバグ。

 やつらは、まるでなぶるように、ゆっくりと、ゆっくりと、世界を食らっていった。




 なぶるようにというと、実は、少し表現が違う。

 もっともシックリくるのは、まるで『ノルマをこなす』ように、

 一日の内、『ある程度』まで破壊すると、やつらは活動を停止した。










 その気になれば一瞬で世界を飲み込めるだけの『数という暴力』を有しながら、

 バグどもは、少しずつ、少しずつ、世界を減らしていった。
















 また、多くが死んだ。




 戦争は、『人』が時代を計算して破壊を行うが、

 バグは、関係なく、まるで本能のように、何の意味もない破壊を繰り返した。

 軍人か民間人か、老人か子供か、そんなものは気にしない。

 落とし所なんかない。

 少しずつ、少しずつ、やつらは世界を殺していった。



















 センしか勝てない敵。

 センですら、一日かけて一体を殺すのがやっとのバケモノ。




 なんとか殺しても、信じられないことに、翌日には復活してしまう。

 存在値が高いモンスターは復活に時間がかかるはずなのに、

 なぜか奴らにはそのルールが適応されていなかった。

 ゆえに、バグと名付けられたのだ。




 やつらは、一群で個。

 きっちりと一万を殺し切らないと、何度でも蘇る。




 勝てる訳が無い、巨大すぎる敵。

 敵の規模があまりに大きすぎた。

 ゆえに、誰もが世界の滅亡を覚悟した。







『終わりじゃ……世界は……奴らに喰い尽される……すべて……終わった……あれだけ苦労して戦争を終わらせたというのに……最後は、呆気ないもんじゃな』




『ゾメガ、勝手に終わらせるな』




『セン……無理じゃ。確かにぬしは強くなった。いまや、この余ですら歯がたたんほどに強くなった……しかし、奴らには勝てん……奴らは、死んでも、すぐに蘇る。余達でも殺せるならばどうにかなったかもしれんが、バグを殺せるのは、この世でぬしだけ。絶対的に手が足りん……いくらぬしでも、あの全てを殺しつくす事は不可能』




『……あいつらバグは、知能を持っていないんだよな』




『なんじゃ、急に』




『いや、改めて思っただけさ。知性がないから、あいつらは強い。精神的な弱さってやつがねぇ。はは……ほんと、学習能力ってやつは厄介だよな。諦め方ばっかり学んで、大事な事はすぐに忘れちまう』




『……』




『……あんな異常な強さを持つ異常な数のバケモノを殺し切る……ああ、不可能だ。間違いない。けど、だったら……』




 センは、
















『不可能を殺してやる』
















 今度も、奇跡は起こらなかった。

 ただ、英雄が、地道に、絶望を殺し続けただけ。







『復活するよりもはやく殺し続けてやるよ。覚悟しておけよ。俺の底はここじゃねぇ。まだ行く! もっと行く!』







 センが、バグを一定数以上殺した時、バグは、

 世界を無視して、センだけを狙うようになった。

 全世界に広がっていた化け物どもが、センだけを殺そうと群がってきた。







 ――まるで、最初からそうプログラムされていたかのように――







『そうだ……それでいい。俺だけ見てろ。俺を殺してみせろ。……できると思うならやってみろ。ただ、言っておくぞ。【弱さ】の一つも持ってねぇお前らが……俺という、世界一の可能性を殺せるなんて夢見るんじゃねぇ!!』

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