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ヤンデレ・サーキュレーション
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シューリは、ゼノリカが嫌いだ。
その理由は単純明快。
シューリは、こう思っている。
――センが、ゼノリカという荷物さえ背負っていなければ、
もし、センの全てが自由だったなら、
あの時、ただ純粋に『自分』を求めてくれたのではないか――と
そして、それは、実際のところ、事実だったりもする。
(どんな命令でも聞く、か……この女くらいだろうな、それをガチの精度で言えるのは。しかし……『どんな命令でも』……『なんでも言う事を』……んー、もしかして『俺の嫁になれ』とかでも叶えてくれたのかね……むりか。仮にそれを言っても『神経を疑いまちゅね、身の程を知ってくだちゃい』とか言われて終わりだったろうな。まあ、でもトライする価値くらいはあったかもなぁ。もしゼノリカの今後とかが頭になかったら、言っていたかもなぁ……はははっ)
シューリは妄想家ではない。
ありとあらゆる前提条件から、可能性はあると踏んで賭けにでたのだ。
好かれている自信はある。
愛されているという確信はある。
なんせ、
ただ自分を守るというだけのために、
あのバカ男は、
究極の邪神に挑んだ。
神の世界におけるセンは、現世と違い、『責任をもって守らなければいけない荷物』を背負ってはいない。
それに、そもそもの話、『究極超邪神』関連の問題は、シューリが魂魄を捧げればそれで解決するだけの、確定されていた一つの運命だった。
そして、シューリは、その宿命を受け入れていた。
その下らない定めを、ただ『シューリ・スピリット・アースを殺したくない』という理由だけで、ぶっ壊したのがセン。
成りたての新神。
転生してきたばかりの頃は虫ケラだったゴミ。
――才能はあると思った。
ゆえに手ほどきはした。
最初は師匠のように、
いつしか友人のように、
気付けば、思ったよりも距離が近づいて、
けれど、だからって、
『シューリ。今日だけは……お前だけのヒーローをやってやる』
必死になって守ろうとしてくれるなんて思わなかった。
ボロボロになって、死にかけて、
自分のために、そこまでしてくれる『誰か』がいるなんて信じられなくて、
だから、懐疑的になってしまって、
ついには、突き放してしまって、
傷つけてしまって、
なのに、
それでも、
『ヒーロー見参!』
――あのバカは、あたしのヒーローになってくれた――
この世で、たった一人、
シューリ・スピリット・アースを守ってくれた男。
それだけの力を持つ者が他にいなかっただけ?
違う。
あのバカが、最初に神の世界に足を踏み入れた時、
その力はゴミみたいなものだった。
足下でうごめく虫ケラ(超神たち)の一匹でしかなかった。
有象無象(超神たち)の一柱でしかなかった。
だが、あのバカは、辿り着いてくれた。
『お前でもどうしようもない敵? なら、お前を超えて、殺してやるよ』
『シューリ、見てろよ。俺は、必ず、お前を超える』
『笑うんじゃねぇよ、シューリ。俺は本気だぜ』
絶対に踏破不可能だと思われるイバラの道を、
ズタズタになりながら突き進み、
超神全員が呆れる地獄を積んで、
ありとあらゆる障害を乗り越えて、
ついには、本物のヒーローになってみせた。
バカ野郎だと思った。
どうしようもないアホんだらだと思った。
『絶対に無理だ』と誰でもわかる不可能を前にして、
みっともなく、無様にあがくガキ。
極めて思慮が浅い、短絡的で幼稚な、
――究極にかっこいいヒーロー。
この感情は、ちっぽけな信仰なんかじゃない。
センを崇め奉っている訳ではない。
シューリのこの感情は、
ど真ん中の愛。
ただ、ただ、愛している。
触れて、抱きしめて、口づけをかわしたいという純粋な感情。
シューリは、センを良い意味でも悪い意味でも見誤ってはいない。
全てを理解した上で、
ダメなところも含めて、
心の底からセンを愛している。
今までは、『センほどの男』に近づく女性はいなかった(ゼロだった訳ではないが、センの『真なる威光』に触れれば即座に、『これほどの存在に恋慕の情を抱く』という愚かさに気付いて引きさがった)ので、ぶっちゃけ、シューリは油断していた――が、
今、センの隣には、
アダムという、とてつもない『可能性』を秘めた美女がいる。
センに『選ばれる可能性』を秘めた、圧倒的なスペックを持つ女――
――目を見れば分かった。
あの女は、間違いなく、
センエースに惚れている。
(アダムを殺すのは確定、問題は場所とタイミング……まあ、あの程度のゴミを排除するくらい、あたしなら楽勝。幸い、ここでなら神の力が使える。その気になれば、どうとでもなる。……一番の問題は、原初の深層に辿り着いた際、センの周りに、アダムみたいな虫がウヨウヨと寄ってくる可能性があるってこと……今後、二度と、身の丈にあわない夢を抱くメスブタが近づかないよう、センの近くで見張っている必要がある。そのためには、さっさと一緒にならないと……けれど、その方法が難しい。どうやってプロポーズさせるか……さて……)
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その理由は単純明快。
シューリは、こう思っている。
――センが、ゼノリカという荷物さえ背負っていなければ、
もし、センの全てが自由だったなら、
あの時、ただ純粋に『自分』を求めてくれたのではないか――と
そして、それは、実際のところ、事実だったりもする。
(どんな命令でも聞く、か……この女くらいだろうな、それをガチの精度で言えるのは。しかし……『どんな命令でも』……『なんでも言う事を』……んー、もしかして『俺の嫁になれ』とかでも叶えてくれたのかね……むりか。仮にそれを言っても『神経を疑いまちゅね、身の程を知ってくだちゃい』とか言われて終わりだったろうな。まあ、でもトライする価値くらいはあったかもなぁ。もしゼノリカの今後とかが頭になかったら、言っていたかもなぁ……はははっ)
シューリは妄想家ではない。
ありとあらゆる前提条件から、可能性はあると踏んで賭けにでたのだ。
好かれている自信はある。
愛されているという確信はある。
なんせ、
ただ自分を守るというだけのために、
あのバカ男は、
究極の邪神に挑んだ。
神の世界におけるセンは、現世と違い、『責任をもって守らなければいけない荷物』を背負ってはいない。
それに、そもそもの話、『究極超邪神』関連の問題は、シューリが魂魄を捧げればそれで解決するだけの、確定されていた一つの運命だった。
そして、シューリは、その宿命を受け入れていた。
その下らない定めを、ただ『シューリ・スピリット・アースを殺したくない』という理由だけで、ぶっ壊したのがセン。
成りたての新神。
転生してきたばかりの頃は虫ケラだったゴミ。
――才能はあると思った。
ゆえに手ほどきはした。
最初は師匠のように、
いつしか友人のように、
気付けば、思ったよりも距離が近づいて、
けれど、だからって、
『シューリ。今日だけは……お前だけのヒーローをやってやる』
必死になって守ろうとしてくれるなんて思わなかった。
ボロボロになって、死にかけて、
自分のために、そこまでしてくれる『誰か』がいるなんて信じられなくて、
だから、懐疑的になってしまって、
ついには、突き放してしまって、
傷つけてしまって、
なのに、
それでも、
『ヒーロー見参!』
――あのバカは、あたしのヒーローになってくれた――
この世で、たった一人、
シューリ・スピリット・アースを守ってくれた男。
それだけの力を持つ者が他にいなかっただけ?
違う。
あのバカが、最初に神の世界に足を踏み入れた時、
その力はゴミみたいなものだった。
足下でうごめく虫ケラ(超神たち)の一匹でしかなかった。
有象無象(超神たち)の一柱でしかなかった。
だが、あのバカは、辿り着いてくれた。
『お前でもどうしようもない敵? なら、お前を超えて、殺してやるよ』
『シューリ、見てろよ。俺は、必ず、お前を超える』
『笑うんじゃねぇよ、シューリ。俺は本気だぜ』
絶対に踏破不可能だと思われるイバラの道を、
ズタズタになりながら突き進み、
超神全員が呆れる地獄を積んで、
ありとあらゆる障害を乗り越えて、
ついには、本物のヒーローになってみせた。
バカ野郎だと思った。
どうしようもないアホんだらだと思った。
『絶対に無理だ』と誰でもわかる不可能を前にして、
みっともなく、無様にあがくガキ。
極めて思慮が浅い、短絡的で幼稚な、
――究極にかっこいいヒーロー。
この感情は、ちっぽけな信仰なんかじゃない。
センを崇め奉っている訳ではない。
シューリのこの感情は、
ど真ん中の愛。
ただ、ただ、愛している。
触れて、抱きしめて、口づけをかわしたいという純粋な感情。
シューリは、センを良い意味でも悪い意味でも見誤ってはいない。
全てを理解した上で、
ダメなところも含めて、
心の底からセンを愛している。
今までは、『センほどの男』に近づく女性はいなかった(ゼロだった訳ではないが、センの『真なる威光』に触れれば即座に、『これほどの存在に恋慕の情を抱く』という愚かさに気付いて引きさがった)ので、ぶっちゃけ、シューリは油断していた――が、
今、センの隣には、
アダムという、とてつもない『可能性』を秘めた美女がいる。
センに『選ばれる可能性』を秘めた、圧倒的なスペックを持つ女――
――目を見れば分かった。
あの女は、間違いなく、
センエースに惚れている。
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