異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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究極完全体アポロギス

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 ソウルゲートの施設は、修行に特化したもので、

 バーベルとか、ランニングマシン的なのとか、プールとか、

 ほんとうに、とにかく、いろいろあって、

 強さを好きに設定できる『敵』と闘う事もできた。




 格闘ゲームのCPUみたいなものとでも思ってくれればいい。

 CPUを自由に設定できるというシステムが秀逸だったおかげで、どうにか耐えられた。

 あれがなかったら、さすがに無理だったと思う。







 あれのおかげで、ありとあらゆるビルドに対応できるという自信がついた。

 無限とも思えるビルドパターン、

 そのほぼ全てが頭に入って、

 その対応策を体に叩き込んだ。




 今となっては、どんな奴を前にしても、

 『ああ、あれね。はいはい』

 と、ほぼ反射レベルで対処できるようになった。




 戦闘力とは、半分が技術で、半分は戦闘思考力。

 簡単に言うと、前者がコマテクで、後者は将棋。




 どちらに時間を使ったかと言えば、やはり前者。

 結局、技術の方が会得するのは難しい。

 とはいえ、後者がなければ宝の持ち腐れ。

 どっちも必要な力。

 その必要な力を、俺は、とてつもなく高いレベルで習得した。




 長い、長い、長い、長い、長い時間をかけて、

 俺は、戦闘力を磨いた。

 磨きに磨いた。




 そして、

 200億年を積んだ直後、

 『今の俺なら楽勝だろう』

 『一発でいっちゃうかもなぁ』

 『俺は強くなり過ぎた』

 『敗北って美味しいの?』

 『俺がガンダ○だ』

 とイキりにイキって挑んだ邪神に、










 ……ボコられた。










 まさか、『究極完全体モード』なんて、

 そんな、ふざけたパワーアップ形態があるとは思ってなかったよ。







 究極の超神達すら恐れた邪神、その究極完全体。

 いやぁ、強かったね。

 ありえない強さだったね。

 『今現在の俺』なら、まあ、普通に勝てるけど、

 『当時の俺』にとっては、どうしようもない強敵だった。

 いやぁ、あれはヤバかったね。










 ただ、おかげで、俺も目覚めた。










 究極完全体アポロギス。

 奴が言った言葉は、今でも、全て覚えている。







『無駄なんだよ。君が何をしても。私は死ねない。ずっと苦しみ続ける。そういうものなんだ。それが運命。それが真の絶望。君は死ぬ。運命は変わらない。君ならば、もしかしたら、そう思ったけれど……やっぱり、無理だった。この絶望だけは終わらない。私は――』







 その地獄を前にした絶望で、

 俺の可能性も、

 極致に届いた。




『アポロギス、安心しな。絶望の殺し方なら知っている』

『耳かっぽじれ。俺が誰だか教えてやる』

『俺は、センエース。全ての神を超える男だ』




 蕾は震えて、

 最果ての華、開く。
















 ――究極超神化6――
















 積んで、積んで、積んで、

 真に完全なる絶望すら乗り越えようと、もがき、あがき、苦しんで、

 その果てに得た力。




『ヒーロー見参!!』




 永劫の中で磨いた戦闘力と、最果てに届いた絶大なパワー。

 それらが合わさって、

 ようやく、

 俺は、

 邪神を完全に消滅させる事ができた。










 ――ありがとう、センエース。

      ……もし、

         もし、生まれ変われたら、

                   こんどは君の隣に――








































 俺は、必死こいて、必死こいて、どうにか、邪神を殺した。

 そう。

 俺は、おおくの絶望を乗り越えて、究極で完全な邪神を倒したんだ。

 ほとんど、ただ一人のために。

 あの女のためだけに!

 たった一人を守るために!




 だってーのに!




 それだけの無茶をしてやったってのに!

 あの女は!

 あろうことか!




『助けて欲しいなんて言った覚えはありまちぇんよ』




 などとぬかしやがった!




 はっはっは!!

 あっはっはっはっはっはっはっは!!




 笑ったね。

 もう、笑うしかなかったね。

 イラつきを通り越して、呆れも通り越して、

 なんだかよくわからない、謎の領域で蠢くだけの感情に至った。

 いろいろ思ったよ?

 けど、もう、『深淵』は、通り越した。

 もちろん、表面上の感情はくすぶっている。

 ――他者に興味がないにもほどがあんぞ、てめぇ。

 みたいな。

 ただ、最終的には、

 ――まあ、別にいいけどよぉ。

 そんな感じに落ちついた。




 うん。

 落ちついたよ。

 落ちつきましたよ。




 そもそも、感謝されたくてやった訳じゃねーしー。

 俺が俺のためにやっただけだしー。

 べつに、キスしてほしかったとか、

 そんな吐くほど『くだらねぇこと』とか考えてねぇしぃ!

 俺、そんな若くねぇし!

 俺、そんなダサくねぇし!




 ねぇったら、ねぇんだもん!










 ……けっ。

 お高くとまってんじゃねぇ、ブース。

 ちょっと世界一の美神びじんだからって、調子に乗るな。

 ちょっと、ハンパじゃなく強くて、なんでも出来て、美神で、エロくて、かわいくて、実はちょっと優しくて、実は包容力があるだけ!

 そもそも、美神っつったって、お前なんか、アダムとトントンくらいだぞ。

 はっ!

 しょぉもなぁああああ!




 ……だめだ。

 むりむり。

 どの角度から攻めても、スペックが高すぎて、けなせねぇ。










 いや、まあ、そもそもけなす必要がない訳だが……










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