異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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スーパーヒロイン大戦

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 戦闘態勢をとった(ように見える)シューリの姿を見て、アダムは、亜空間倉庫から、非常に豪華な装飾(シークレットレア感が強いキラキラぶり)の魔カードを取り出して、雑にビリっとやぶいた。

 その瞬間、アダムとシューリの二人は、主の間から、別の空間に転移する。







 ――『闘とうの間隙かんげき』

 創玄神層内にある、別空間。

 ほぼ無限といってもいい、超広大な空間。










 何も無い、だだっぴろいだけの、その戦場に二人。




 ――ここでなら自由になれる。

 ――無慈悲な死に没頭できる。
















「……」

「……」




 アダムとシューリ。

 同じ男を愛する究極美少女が二名。

 互いに、睨みあう。




 ――アダムは血走った目で、シューリの殺し方を考えながら、

 ――シューリは、ニタニタ顔を崩さず、実は完全集中状態で、




 数秒の探り合いは、

 シューリのつぶやきで終わる。




「ふぅ……やっと、溜まりまちた。まさか、ここまでなまっているとは驚きでちたよ。これは、今後のためにも、本気で鍛え直さないとダメでちゅねぇ……」




 ボソっとそう言ってから、




 ニタニタ顔を、一瞬だけおさめて、スゥと息を吸い、目を閉じて、静かに、




「……究極超神化5……」




 シューリのコアオーラが解放される。

 膨れ上がる存在値。

 凝縮されたエネルギーの結晶を纏う。

 そのオーラはまるでダイアモンドダスト。

 無限の調和を感じさせる神聖なオーロラがシューリを美しく飾る。

 爆発的な神気の流れ。

 真なる究極の輝きに包まれたシューリは、




 スゥゥゥ……と、流麗かつ優雅な構えをとりながら、




「さぁて……サクっと殺してやりまちょうかねぇ。文句はなしでちゅよ。そっちが先にオイちゃんを殺そうとしてきたんでちゅから。完全に正当防衛でちゅ」




「貴様では私には勝てない」




「ははっ」




 渇いた笑い声をあげて、
















「身の程を知りなちゃい」
















 言葉が終わると同時、二人の姿が、タンとその場から消えた。










 気付いた時には、違う場所で殴り合っていた。




 空間を切り裂く音と、『肉が骨を削る音』だけが響く。

 アダムを削る、シューリの拳。

 無駄を殺した、最短にして最美の流水演舞。




「くぅっ!!」




 わずかに、アダムの歯噛みする声が聞こえた。




 暴力の火花。

 ヒュンヒュンと空間を駆けて、また肉が弾ける音。

 アダムは、怯ひるまず、その両手足、時には頭を、豪速で振り回して続けているが、シューリの体にはカスりもしない。

 逆に、シューリの肢体は、その全て、的確かつ麗美にアダムをとらえ続ける。

 シューリと比べると、アダムの動きが、すべて、児戯にしか見えなくなる。

 シューリは、まるで踊るように、アダムのとてつもない速度の攻撃を、全て紙一重でよけながら、完璧なカウンターを叩き込み続けている。







 ――なんて、そんな、

 人の目では決して追えない攻防を無数に繰り返している中で、







(アダムか……なるほど。確かに弱くはない。聞いていた以上に高い潜在能力。凄まじいステータス。――だが、強くはない。コレにあたしが負ける事は絶対にありえない)




(存在値は私の方が圧倒的に上……なのに……か、勝てる気が……しないっ……くっ)







 互いに、相手の力を理解した。




 ――シューリは、




「いやぁ、すごい肉体強度でちゅねぇ……けど、それだけでちゅね」




 アダムの顔面を思いっきり蹴り飛ばした直後、そう言ってから、躊躇なく、パチンと指をならした。

 すると、シューリとアダムの間に、半透明の巨大なルーレットが現れる。




「矢印が赤に止まるとオイちゃんが……青に止まると、アダムちゃんが、数秒ほど動けなくなる呪いにかかりまちゅ」




 そのルーレット、占めている面積の99%がシューリの赤で、ほんのわずかにアダムの青がある仕様となっている。




 あまりに理不尽な確率。

 シューリ側があまりに不利すぎるルーレット。







 ――それを、シューリから提示してきたという、この異常。

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