異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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めでたし、めでたし

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(……長いな)




 アダムが、そう思っていると、

 シューリの両手、その十指が、アダムのフトモモを這った。

 スリ……っと、淫らに、




「ちょっ、おまっ、何を――」




「アーちゃん、かわいい」




 言いながら、シューリは、アダムの耳を食はんだ。




 ゾクっと、何かが、アダムの上から下へと駆け抜けていった。




 間違いなく悪寒。

 しかし、その悪寒に包まれた深部に、確かな悦があった。




 スリスリと、フトモモをなでられて、

 次に、髪をなでられた。

 耳、首、そして、その流れのまま、胸の谷間にシューリは、キスをする。




「ぉい……いいかげんにっ……」




 アダムが、シューリを押しのけようとすると、




「いいでちゅよ……アーちゃんも」




 シューリが、濡れた目を向けて、そんな事を言ってきた。




 その瞬間、




 ゾクリッ……




 アダムの頭のヒューズが一本飛んだ。

 前頭葉がピリっと麻痺まひった。

 思考が一瞬、バグる。




 ――アダムは完全な女である。

 しかし、『その中』には、オスも多く取り込んでいる。

 それらが勝手に自己主張を始める事はない。

 全ては、アダムという絶対個に吸収された部品の一つでしかない。

 歯や爪や髪は自己主張をしない。

 だが、アダムを構成する要素にオスの成分が0ではないというのも事実。

 そして、アダムは、完全な女だが、

 しかし、それがゆえに内在する『同性への情動』というのもあって……







 ――そもそもにして、完全な異性愛者は存在しない。







 大概は、どちらかに寄っているだけ。

 命が不完全であるという時点で、それは当たり前の事。

 完全性など、命のどこにもない。

 それは神であっても同じ。




「……っ」




 アダムは、シューリを、かきいだくように抱きしめた。

 『悔しい、でも感じちゃう』

 そんな顔で、シューリの母性を貪る。




「よちよち」




 シューリは、柔らかな笑顔で、アダムを抱きしめる。

 互いに理解する。

 抱きしめているだけで、細胞が喜んでいる。

 震えて、はじける。

 肌と唇。

 この世の何よりも美しいフレッシュと朱あか。




 上気して、薄い橙だいだいに色づく。




 フニッっと圧されて、プルンと弾ける。




 シューリの長い指が、アダムの豊かな胸をくにゃりとさせた。

 柔らかさにひきこまれそうになる。




「……ぁ……」




 つい、漏らしてしまった、あえぎ声。

 アダムは顔を赤くして、顔をそむけた。

 少しプルプルしている、かわいらしい様さま。




 それが、より、シューリの情動を刺激する。

 大脳がドンドン狂っていく。

 アダムの完璧な体に、シューリは、自身を、ヌプヌプと沈めていく。

 包まれている。

 互いに感じる。

 背徳感と征服感。

 その中で、少しの寂しさを覚えた。




 ――ここに、センがいたら――




 互いに思う。

 二人でセンをサンドイッチして、三人で、互いに、互いを貪りあう。

 想像するだけで、シューリとアダムの頭を、大分泌された脳内麻薬が埋め尽くした。




 ずっと、甘く痺れている。

 柔らかな香り。

 心地よくて、ずっと、プルプルしている。




 鎖骨を柔らかい歯ブラシで優しくコシコシと磨かれているようなフェザー。

 合致したように、アダムとシューリは、互いの肉を求めあう。




 シューリの歯がアダムの耳を、少し強めに噛んだ。

 食べてしまいたいという衝動。

 だが、我慢。

 はんで、かんで、耳の形が口の中で理解できるほどにねぶる。

 口が、アダムの耳をおぼえる。




 気付けば、アダムも、シューリのいくつかを、全身に記憶させていた。

 シューリの腕に、薄い歯型。

 互いの体液で、濡れた肉。

 爪はたてないように。




 髪が乱れて、汗が弾けた。

 ディープキスは遠慮した。

 最初は、三人で一緒に。

 なんて、そんな事を、互いに思ったりしながら。







 服は脱がさずに、されど、あえて執拗に乱しながら。







 ある瞬間に、シューリは、アダムに己の足をさしだした。

 アダムは、少し逡巡したが、




「光栄に思ってくだちゃいね」




 また、シューリの言葉で、アダムの頭が麻痺った。




 ヒールを脱がして、親指だけを口にふくむ。

 そして、チュパっと、あえて大きな音をたててしゃぶった。

 そのまま、足の甲に舌を這わせる。




「ひゃぁん」




 などと、少し冗談っぽい口調で、しかし、そこには、煮詰めたハチミツみたいな甘ったるさが確かにあった。




 アダムは、シューリの、サラサラの足を、慈しむように、頬ずりしながら、




「まさか、主上様も?」




 ――君の足を舐めた事あるの?

 言葉にはしなかったが、伝わったようで、シューリは、ニっと笑みを強めて、




「あの男は、オイちゃんよりプライドが高いから、ありえまちぇん」




「プライドの高さで君に勝てる者はいないと思うが」




「さて、それはどうでちょうか」




 シューリは、アダムの髪に顔をうずめながら、




「アーちゃん」

「なんだ?」

「アーちゃんは、センに、何をしてほしいでちゅか?」

「主上様が望むすべてをしてさしあげたい。私が何をして欲しいかよりも、主上様が何を望んでいるか、いつだって、それだけが全てだ」

「まあ、それも欲望でちゅよね。……ちなみに、オイちゃんは、ガッツリと赤ちゃんプレイでちゅね」

「……だろうな。というか、いつもしているようなものではないか」

「そうでちゅねぇ……けど、もっと突き詰めていきたいでちゅ。この世が終わるほどのヌクヌクの甘々で、センをトロットロに溶かしてやりたいんでちゅ」




 アダムは想像してみた。

 センがシューリの包容力に溶かされている姿。




(トロトロにフニャけている主上様を、私が受け止めてさしあげる……)




 火照って出来あがったセンの髪を、耳を、許されるのなら唇を、貪りつくす。

 怒涛の快楽に浸かったセンの、プルプルと震えている体を抱きしめて、同じ震動を感じながら……







 なんてことを、アダムは、シューリに溶かされながら考えていた。

 脳のいたる個所が痺れていた。





































 ――こうして、嫁二人が仲良くなりましたとさ。

 めでたし、めでたし。
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