異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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無敵のラスボス『ゴート・ラムド・セノワール』

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「ん……ん?」




「あ、起きました?」




 目を覚ましたUV1に、ゴートは呑気な口調で声をかける。







「?? いったい、何が……」




 UV1は、自分の身に何が起こったか分からず、呆けていた。




 そんなUV1に、




「大丈夫ですか? 記憶とか、飛んでいませんか?」




「と、当然だっ! ……ぃ、イフリートは? どうなった?! というか……な、なぜ、私は生きて……絶死のアリア・ギアスを使ったのに……どうして……」




 気絶する直前の記憶はバッチリあった。




 イフリート7体との闘いで、完全に動きを止められ、

 その中で、リミットを迎えてしまい、

 『もう終わった』と思うまもなく気絶した。







 混乱しているUV1を、




「……イフリート?」




 ゴートは、その『?』が浮かぶ表情をもってして、さらに混乱させる。




 怪訝な顔になったUV1に、ゴートは、とうとうと、




「へぇ、UV1様は、イフリートと闘っている幻覚を見た訳ですか。そいつはなかなかの地獄でしたね。確か、イフリートと言えば、伝説の精霊だ。……まあ、俺の方の幻覚も大概でしたが」




「……げん……かく?」




「はい。どうやら、俺たちは、罠にかかったようですよ。ちなみに、俺は、複数の龍種に追われる幻覚を見ていました。目の前でUV1様の首がエンシェントドラゴンに刈られて、俺はブレスで燃やされました。……『あ、死んだ』と思った時、ハっと目がさめたといった感じです」







「……私が……幻覚を? ばかな……私の耐性値は……」







 ゴートの話を聞いて、UV1は頭をひねる。

 職業柄、幻覚や毒などの耐性はかなり高い方。




(いや……しかし、完全耐性ではない……ありえない話ではない……実際、私は、転移の罠を見抜けなかった……その副次的な作用として、あの幻覚を見せられたという可能性もゼロでは……つまり、『ここ』は、それほど高度な罠が張り巡らされているダンジョンということ……こんなエックスのダンジョンに……?)




 疑問は連鎖する。

 しかし、無限ではない。




(まあ、絶対にない訳でもないか……もしかしたら、強大かつ特異なアリア・ギアスがかけられているのかも……)







 考え込んでいるUV1を見ながら、




(とりあえず、ごまかせたかな……)




 ゴートも心の中で、




(俺のフェイクオーラもバッチリと発動している。これなら問題ない)




 既に、ゴートはUV1よりも遥かに強い。

 UV1の目では、今のゴートが全力で展開させているフェイクオーラを見通すことはできない。




 ――これならば、乗り切れる――
















 ……そこで、UV1が、ゴートの目をジっとみつめ、




「……状況の確認がしたい。ゴート。私達は転移の罠で飛ばされ、飛ばされた先のフロアで幻覚の罠にかかった。そういうこと?」




「じゃないですかね。俺だって詳しくは分かりませんよ。ただ、幻覚にかかった事はこれまでに何度かあります。そして、さっきのは、その経験に近かった……そして、ダンジョンには、そういう系統の罠が多い。それらの前提を元にして結論を出しただけです」




「……ふむ。……そう、ね。確かに、その線が濃厚……絶死のアリア・ギアスを使って生き残れる訳がないし、そもそも中級世界エックスのダンジョンに、ネオヘルズ覇鬼やイフリートなんている訳がない」




「ネオヘルズ覇鬼?」




「気にしなくていい。ただの幻覚にすぎない」




 言いながら、心の中で、




(……『超王級モンスターがウジャウジャ出てくる異常』などと比べれば、『抗えない幻覚』の方が可能性は遥かに高い……ここの幻覚は確かに面倒だが、『ただ絶望を知るだけで、肉体にダメージを負う事もない』となれば、脅威とはいえない……)




 そんなふうに、納得しようとしているUV1の返事や反応をうけて、ゴートは、




「そっすか」




 ほんわかな返事をしながら、




(……ふぅ)




 心の中で、ホっと胸をなでおろす。




 続いて、バレないよう、顔をそむけて、悪い顔でニィィと笑いながら、




(計画通り)




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