Let's『錬成』!~初めてのVRMMOで不遇職『錬金術師』やってます♪~

夢・風魔

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 習得しているスキルのうち、どれか一つでもレベルが2になると受けられる講習。
 それを受けることで、セカンドジョブ──つまりサブ職業を得ることが出来るんだって。

「セカンドジョブとは生産職のことで、それを取るか取らないかは個人の自由です」
「そのセカンドジョブに薬師ってのがあるんですか?」
「はい。生産特化の職業でございます」

 生産職が作る物は、手間暇をかけて作ったもの。
 ポーションを例にあげると、薬草を水洗いして乾かして、お湯で煮詰めて出来た液体を瓶詰めする。
 それを錬金術師は、薬草と水と瓶を錬成陣の上に置いて手を突くだけで出来ちゃう。
 繊細な作業工程を省くことで、素材の良さを引き出すといったこともできず──

「ですから、回復量は量産品である雑貨屋が販売する物と同じなのです。しかし考え方によっては、錬成で作るポーションは雑貨屋のポーションぐらいの価値はあると!」
「そ、そういう考え方も、あるんですね」
「はいっ。まぁそういうことですので、INTもあった方がいいですよーってことです。あ、生産を行わないのであれば必要ありませんけどね」

 うぅー、わたしは必要だよぉ。
 ステータス、全部DEXに振っちゃったし。
 このゲームは職業レベルがないから、レベルアップでステータスポイントがーってのもないし。
 そうなるとINTを上げるスキルは絶対必須!

 それでも──薬師さんの作るポーションには敵わない。だいたい薬師さんのポーションはスキルレベルが低くても、こちらの二割増なんだって。
 こっちもINTやスキルレベルが上がることで最大30%アップするけど、薬師さんも同じようにアップする。
 最大値はいつだって向こうが上ってこと。
 でも、INTを上げれば店売りポーションよりは効果が増えるんだし、あったほうがいいよね!

「研究の販売価格が15000ENかぁ」
「生産を行うなら必須ですねぇ。それでも本職には敵いませんが」
「ですよねー」
「はぁ。広く浅く、なんでも出来ちゃう錬金術師だっていうのに、何故こうも人が少ないのでしょうか」
「え、錬金術師って、少ないんですか?」

 今度はケミーさん、眼鏡を光らせることなく「そうなんですよ」と呟く。
 
「私がここに配属されて40日ほどですが、その間にここを訪れた錬金術師は、あなたを含めて──131人なんですよ」
「131人って少ないんですか?」
「次に不人気職である格闘家は2573人です」

 錬金術師の二十倍!?

「す……少ないんですね、錬金術師さん」
「錬金術師じゃなくても生産は出来るから! という理由かららしいです。悲しいですね」
「か、悲しいですぅ」

 そんなぁ。錬金術師が少ないなんて……。

 ん。
 でもそれなら、錬金術師のお店屋さんも少ないってことになるよね!

 ふっふっふ。ライバルが少ないってことじゃないですかーっ。
 うん。頑張っちゃうもん!

「さて、ここまで販売スキルのご説明でしたが、続きまして──」
「ほえぇ! ま、まだあったぁっ」





「という訳でして、ホムンクルスをいかに早く錬成できるかが、錬金術師には求められます」
「ほ、ほえ」

 ホムンクルス──人工生命体。
 ギルドで販売されているエンブリオと呼ばれる核に、いろんな素材を混ぜて錬成して生み出せるパートナー。
 錬成に成功したホムンクルスは、エンブリオの状態のまま。
 エンブリオが卵みたいなもので、孵化させるスキルが『コールホムンクルス』。
 ある程度体力を消耗すると、自動的にエンブリオに戻ったりするんだって。そしたらまたこのスキルで呼び出さなきゃいけないの。
 もちろん任意でエンブリオに戻すこともできて、そのスキルは──ない。

「命令すればエンブリオに戻りますから」
「命令……お、お願いするのでもいいんですか?」

 わたしがそう尋ねると、ケミーさんが硬直。
 暫くして「それでもよろしいと思いますよ」と笑ってくれた。

 今の間、表情も一切動かなかった。
 時々こうやって、あ、NPCなんだなぁっていう瞬間がある。

 現実のようだけど現実じゃない。
 でもだからこそ、楽しいって思えるのかも。

 ながーいケミーさんの話を終えて、いざ冒険の旅に!
 って時に。

「錬金術師ギルドから仕事の依頼があるのですが、受けてみませんか?」
「お仕事ですか?」
「はい。報酬も弾みますよ」

 ほ、報酬!?
 お金貰えるのかなぁ。お仕事だもんね、アルバイト代ぐらいでるよね。

「受けますっ。受けさせてください!!」
「はぁ、よかったぁ。先ほども言いましたが、錬金術師が少なくって、依頼を受けてくれる方もいらっしゃらないから、溜まっていたんですよぉ」
「溜まって……」
「はいっ」

 眼鏡をキラーンっと輝かせるケミーさんを見て、なんとなーく嫌な予感がしました。





「えぇーいっ」

 ケミーさんからお仕事を貰って町の外へ。
 そこでまずはスライムさんをリボンでピシピシします。
 新体操のリボンでピシピシしたって痛くもなんともないんだけど、元が鞭だからちゃんとダメージ出るんだよぉ。

 二回攻撃で倒せるので、すっごく簡単。鞭って結構強いんじゃないかなー。
 そんなことを思っていると、近くでわたしと同じような、今日から始めましたって感じの人が剣でスライムさんを一突き!
 スライムさん、ぼわんって音と一緒に弾けちゃった……。

 け、剣って強いんだね。
 でもあのぶにゅっていうのは気持ち悪くて嫌。
 わたしはわたし!
 さぁ、頑張るぞぉー。

 スライムさんから『粘着剤』というアイテムを30個集める。
 それが一つ目のお仕事。
 あと時々スライムさんがおっことす『綺麗な石』が5個。これが二つ目のお仕事なんだけど……。

「石出ないよぉ~」

 鞭でピシピシピシピシ。
 粘着剤がそろそろ30個になるっていうのに、石1個しか拾ってないんだけどぉ。
 
 でも負けないもん!
 頑張って頑張って──石が5個集まる間に、粘着剤は129個になっちゃった……。

 さ、さぁ、次行こう!
 えっと、次のお仕事は……。

 お仕事の依頼を受けると、インターフェースにある『クエスト』っていう欄に内容が出てくるんだけど、それとは別にケリーさんがメモ紙をくれたの。
 行ったり来たりしないで済むようにって、メモには町から近い順にお仕事の名前が書かれていた。

 受けた依頼は全部で10!
 次はお花畑で花摘み。赤いお花、青いお花、黄色いお花、白いお花を、それぞれ50本ずつ!

 モンスターが落とすアイテムは、拾おうとして触ると消えちゃって、その時点で自動的にアイテムボックスに入る仕組み。
 でもお花はどうなるんだろう?

 お花畑まで行って赤いお花をまず摘み取ってみると、プチって摘んだ瞬間に光になっちゃった。

「アイテムボックス──」

 人差し指をつつぅーっとしてアイテムボックスの画面を開くと、収集品ってタブの一番下に『赤い花』のアイコンが。
 ほほぉ。これが楽ちんですねぇ。

「よぉし。さっそく禿散らかしちゃうぞーっ」


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ジャンルは違いますが、新作に異世界転生物を投稿しております。
こちらもぜひよろしくお願いいたします。

https://www.alphapolis.co.jp/novel/475542718/845381751
『錬金BOX』で生産チート+付与無双~無能と罵られ侯爵家を追放されたが、なんでも錬成できる箱のおかげで勝ち組人生を送れそうです~

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