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41元魔王は冒険者ギルドへ行く。
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王都まで走って数十分。
以前そこかで徒歩半日とか聞いた気がするが、きっと気のせいだったのだろう。
それともあの時に比べて僕の身長も伸び、その分早くなっただけ――なのかもしれない。
ラフィは王都にある冒険者ギルドを拠点に活動をしているらしい。
拠点と言えど、一度依頼を受ければ王都を離れることも多く、なかなか会う機会も少ない。
そうフィリアも言っていた。
冒険者ギルドとやらはさてどこか。
「そこの人。冒険者ギルドはどこだろうか?」
目の合った女性に尋ねれば、彼女は頬を赤らめ指をさした。
町の中央付近か。
一礼をし、女性が指差す方角へと向かうと、暫くしてそれらしい建物を見つけた。
大きな建物は三階建て。
町の中央にほど近い建物前には、噴水広場がある。そこに武具を身に纏った男女が大勢たむろしていた。
あの建物がギルドで無ければ、冒険者に囲まれた悪党の根城か何かだろう。
まぁそうならそうで、路銀を稼ぐチャンスでもある。
僕はたむろしている彼らには目もくれず、中へと入った。
中もまた混雑していた。
奥にはカウンター台。その手前にはいくつかのテーブルが置かれ、数人がそれを囲む。壁には張り出された紙に群がる人間たちの姿が。
悪党の根城だろうか? それとも――
「ル、ルインじゃないか!?」
奥のカウンター台からやってきたひとりの赤毛の女――忘れるはずもない。懐かしい顔がやって来た。
「ラフィ、元気そうだな」
「元気に決まってんじゃん! どうしたの? あ、フィリアに会いに来たとか?」
「それもある。だがここに来たのは君に会うためだ」
「わ、私に!?」
驚くラフィの顔は赤く染まり、何やら恥ずかし気に視線を泳がせる。
「フィリアに聞いたのだ。今はここに居ると」
「う、うん。三日前にね、帰って来たところなんだ」
「そうか。手紙を読んでも、あちこちに行っているようだとは思っていたが。今回はどこに行っていた?」
「北だよ。護衛の仕事でね。あー……立ち話もなんだし、座る?」
そう言ってラフィは建物奥にある酒場へと案内してくれた。
ギルドの建物内には、酒場も併設されているのか。
ここでも大勢の武具を身に纏ったもの――冒険者が居る。
「ルイン、昼飯は?」
「いや、まだだ」
「じゃあここで食べるかい? ここ、飯も美味いんだぜ?」
「ほぉ、それは楽しみだな」
そう言うとラフィは嬉しそうに微笑んだ。
その瞬間、周囲の空気が変わる。
「おじちゃーん。おまかせ定食のAとBひとつずつねー」
気にした様子もなくラフィは店員を呼ぶが、明らかに周りの男たちの視線が彼女へと集まっていた。
この一年半でラフィはさらなる成長を遂げていた。主に胸のサイズとやらだ。
それに比べ、フィリアは……まぁこれも個性だ。何も言うまい。
「んでさ、その後、ルインのほうはどうだった?」
「僕が君に質問したのにな……まぁいい。苺のほうは順調に出荷出来ているよ」
「あの苺美味しかったもんなぁ~」
「ほぉ。残念だったな。手土産に持って出た苺は、先ほど全部大神殿に置いてきた」
「これは大神殿に取りに行くしか!?」
「もう誰それの胃袋に消えているだろう」
「ふみゅうぅぅぅっ」
唇を尖らせテーブルに顎を乗せ不貞腐れるラフィ。
ガタタッと、周囲で何人かの男たちが立ち上がり、その姿を見ようと必死だ。
「随分と人気者だな。まぁ聖女候補時代もそうだったが」
「はぁ……アタイなんかのどこがいいのか。フィリアはさ、お淑やかだし、男からしたら守ってやりたいって思うだろ?」
「まぁそうだな」
非力だし、重い物は一人で運ばせられない。
「だろ? でもアタイはさ、そうじゃないし……お、女としての魅力なんて……全然……」
「そうか? 君にも魅力はあるさ」
「言っとくけど、胸の大きさがとかだったらぶん殴るよ」
「……健康的な美少女だと思うぞ」
「何その間! ねぇ、今の間はなんなのさ!」
視線を逸らすと、先ほどラフィが注文した料理が運ばれてきた。
おまかせ定食Aは鶏肉がメインディッシュとなる料理で、Bは豚肉だ。
「どっちがいい?」
にこにことそう尋ねるラフィに、僕はもちろん「両方」と答える。
「贅沢者ぉ。アタイだって食べるんだぞぉ」
「だから分け合って食べればいいだろう」
「お、なるほどですな。じゃあ半分こね」
「あぁ。半分こだ」
ラフィが肉を切り分ける間、背後から凄まじいまでの殺気を浴びせられる。
まぁスローライフの邪魔をする訳でもないから、殴り飛ばしたりはしないけれど鬱陶しいな。
ほんの一瞬だけ、魔力を解放し殺気を飛ばしてきた連中に「地獄に落とすぞ」と念を込め一睨み。
ガタガタと、何人かが椅子ごと後ろ向きに倒れ込む。
「ん? 何かあったのかな?」
「さぁ、何だろうな。ところでラフィ、肉のサイズが違うぞ」
「ぐ……分かったよ。大きいのやるから、文句言うなってば」
「ふふ。ならよし」
以前そこかで徒歩半日とか聞いた気がするが、きっと気のせいだったのだろう。
それともあの時に比べて僕の身長も伸び、その分早くなっただけ――なのかもしれない。
ラフィは王都にある冒険者ギルドを拠点に活動をしているらしい。
拠点と言えど、一度依頼を受ければ王都を離れることも多く、なかなか会う機会も少ない。
そうフィリアも言っていた。
冒険者ギルドとやらはさてどこか。
「そこの人。冒険者ギルドはどこだろうか?」
目の合った女性に尋ねれば、彼女は頬を赤らめ指をさした。
町の中央付近か。
一礼をし、女性が指差す方角へと向かうと、暫くしてそれらしい建物を見つけた。
大きな建物は三階建て。
町の中央にほど近い建物前には、噴水広場がある。そこに武具を身に纏った男女が大勢たむろしていた。
あの建物がギルドで無ければ、冒険者に囲まれた悪党の根城か何かだろう。
まぁそうならそうで、路銀を稼ぐチャンスでもある。
僕はたむろしている彼らには目もくれず、中へと入った。
中もまた混雑していた。
奥にはカウンター台。その手前にはいくつかのテーブルが置かれ、数人がそれを囲む。壁には張り出された紙に群がる人間たちの姿が。
悪党の根城だろうか? それとも――
「ル、ルインじゃないか!?」
奥のカウンター台からやってきたひとりの赤毛の女――忘れるはずもない。懐かしい顔がやって来た。
「ラフィ、元気そうだな」
「元気に決まってんじゃん! どうしたの? あ、フィリアに会いに来たとか?」
「それもある。だがここに来たのは君に会うためだ」
「わ、私に!?」
驚くラフィの顔は赤く染まり、何やら恥ずかし気に視線を泳がせる。
「フィリアに聞いたのだ。今はここに居ると」
「う、うん。三日前にね、帰って来たところなんだ」
「そうか。手紙を読んでも、あちこちに行っているようだとは思っていたが。今回はどこに行っていた?」
「北だよ。護衛の仕事でね。あー……立ち話もなんだし、座る?」
そう言ってラフィは建物奥にある酒場へと案内してくれた。
ギルドの建物内には、酒場も併設されているのか。
ここでも大勢の武具を身に纏ったもの――冒険者が居る。
「ルイン、昼飯は?」
「いや、まだだ」
「じゃあここで食べるかい? ここ、飯も美味いんだぜ?」
「ほぉ、それは楽しみだな」
そう言うとラフィは嬉しそうに微笑んだ。
その瞬間、周囲の空気が変わる。
「おじちゃーん。おまかせ定食のAとBひとつずつねー」
気にした様子もなくラフィは店員を呼ぶが、明らかに周りの男たちの視線が彼女へと集まっていた。
この一年半でラフィはさらなる成長を遂げていた。主に胸のサイズとやらだ。
それに比べ、フィリアは……まぁこれも個性だ。何も言うまい。
「んでさ、その後、ルインのほうはどうだった?」
「僕が君に質問したのにな……まぁいい。苺のほうは順調に出荷出来ているよ」
「あの苺美味しかったもんなぁ~」
「ほぉ。残念だったな。手土産に持って出た苺は、先ほど全部大神殿に置いてきた」
「これは大神殿に取りに行くしか!?」
「もう誰それの胃袋に消えているだろう」
「ふみゅうぅぅぅっ」
唇を尖らせテーブルに顎を乗せ不貞腐れるラフィ。
ガタタッと、周囲で何人かの男たちが立ち上がり、その姿を見ようと必死だ。
「随分と人気者だな。まぁ聖女候補時代もそうだったが」
「はぁ……アタイなんかのどこがいいのか。フィリアはさ、お淑やかだし、男からしたら守ってやりたいって思うだろ?」
「まぁそうだな」
非力だし、重い物は一人で運ばせられない。
「だろ? でもアタイはさ、そうじゃないし……お、女としての魅力なんて……全然……」
「そうか? 君にも魅力はあるさ」
「言っとくけど、胸の大きさがとかだったらぶん殴るよ」
「……健康的な美少女だと思うぞ」
「何その間! ねぇ、今の間はなんなのさ!」
視線を逸らすと、先ほどラフィが注文した料理が運ばれてきた。
おまかせ定食Aは鶏肉がメインディッシュとなる料理で、Bは豚肉だ。
「どっちがいい?」
にこにことそう尋ねるラフィに、僕はもちろん「両方」と答える。
「贅沢者ぉ。アタイだって食べるんだぞぉ」
「だから分け合って食べればいいだろう」
「お、なるほどですな。じゃあ半分こね」
「あぁ。半分こだ」
ラフィが肉を切り分ける間、背後から凄まじいまでの殺気を浴びせられる。
まぁスローライフの邪魔をする訳でもないから、殴り飛ばしたりはしないけれど鬱陶しいな。
ほんの一瞬だけ、魔力を解放し殺気を飛ばしてきた連中に「地獄に落とすぞ」と念を込め一睨み。
ガタガタと、何人かが椅子ごと後ろ向きに倒れ込む。
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