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20:甘いものを食べても太らない
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「俺の手は、人より冷たいとよく言われる」
そう言って彼は手袋を外して、私の頬に触れた。
確かにひんやりとして、んん~、気持ちいいぃ。
きもち……
「ひゃい!?」
すりすりしていた顔を仰け反らせ、慌てて立ち上がる──と、立ち眩み。
「おい」
ガシっと掴まれた肩が、ひんやりする。
そのままソファーに押し付けられ、また座った。
「立つな」
「ひゃ……ひゃい」
「ぷっ。お嬢様、おかしなお返事ですわ」
うるさいっ、今からかわないで!
「ルシアナ様、大丈夫ですか?」
「う、うん。魔力切れ、初めてだったからちょっとビックリしただけ。エリーシャさんも気を付けて。凄く、すっごく、目が回るから」
「ルシアナ様ぁ」
目が回ってるせいで、男の人の手に頬ずりしちゃうし。
絶対ヤバいって。
「俺の手は──」
「あぁ、いいです。つ、冷たくて気持ちいいですけど、でもいいですっ」
「なぜ?」
首を傾げる黒助さんに「恥ずかしいからっ」とズバっと言い放つ。
暫く考えたのか、やや間があって彼の顔がほんのり赤くなった。
ちっ。お前も恥ずかしいのかよ。てやんでぇ。
目だけじゃなく、頭もぐわんぐわん回ってる。目を閉じておこう。
うぅ、これどのくらいで回復するんだろう。
「ルシアナお嬢様、大丈夫ですか?」
「アッシュ? あぁ、あのね、この魔力切れの症状って、どのくらい続くものなの?」
「そ、それは……人によってさまざまですので。寝て休まれるのが、一番楽なのですが」
そう言われても、さすがにここで寝る訳にはいかない。
「治る条件って?」
「魔力がある程度回復することです」
あぁ、だから寝るのか。
困ったなぁ。
「おい」
どうして謎の黒い人の第一声は、「おい」から始まるのだろう。
「なんですか?」
「これを嵌めろ」
「これ?」
閉じていた目を開くと、彼の手に赤紫色の指輪があった。
指輪を……はめろ?
そのまま彼は有無を言わさず、私の左手を取って指輪を──はめようとして固まった。
あ、中指にはめたのね。
もしかして一応、薬指はマズいなとか思ったのだろうか。彼の顔が少し赤い。さっきのが継続中なだけ?
しかしこれ、たぶん彼のものなんだろうな。中指にはめたのに、すっかすかだわ。
「あの、これは?」
「……魔力を蓄える、アーティファクトだ」
「アーティファクト……わぁお! 私、始めて見ました」
「俺の魔力を、常に貯えてある」
「そうなのですか」
で、これを私にはめた理由は?
「アーティファクトに蓄えられた魔力が、少しずつ解放されているのですね?」
「そうだ」
アッシュ卿には分かったようで、その解放されている魔力が私の中にすこーしだけ吸収されているようだと教えてくれた。
魔力の回復を助ける、ため?
「ルシアナ様、飲み物をお持ちしました」
「司祭様」
司祭様と神官さんがやって来て、なにやらいろいろ持って来たようだ。
謎の黒い人、が魔法でグラスの中に氷を浮かべる。
氷魔法、いいなぁ。うちの騎士団に氷魔法使える人いないのかしら。
「どうぞルシアナ様。それを甘い菓子をお持ちしました。疲れた時には甘いものがよいのですよ」
「魔力切れにもいいのですか?」
「そう言われております。魔力の消耗も、体力の消耗と同じだからと」
確かに受験勉強の時とか、チョコを食べてからのほうが効率がいいって聞くもんね。
「魔法を使える神官たちも、よく合間に菓子をつまんでおります。太らないから安心だとか言って」
「「えぇ!?」」
私とエリーシャ、そしてローラが食いついた。
魔力を消費させつつお菓子を食べれば、太らないの!?
運ばれてきたのはクッキーで、それを一口齧ると心が満たされる気分になる。
太らない。
甘いものを食べても太らない。
「あ、えぇっと……検証はしておりませんので……」
「エリーシャさんもどうぞ!」
「はい、ルシアナ様!」
パクパクとクッキーを食べ、あっという間に二人で平らげてしまった。
ちょっとお行儀が悪かったかな?
そう言って彼は手袋を外して、私の頬に触れた。
確かにひんやりとして、んん~、気持ちいいぃ。
きもち……
「ひゃい!?」
すりすりしていた顔を仰け反らせ、慌てて立ち上がる──と、立ち眩み。
「おい」
ガシっと掴まれた肩が、ひんやりする。
そのままソファーに押し付けられ、また座った。
「立つな」
「ひゃ……ひゃい」
「ぷっ。お嬢様、おかしなお返事ですわ」
うるさいっ、今からかわないで!
「ルシアナ様、大丈夫ですか?」
「う、うん。魔力切れ、初めてだったからちょっとビックリしただけ。エリーシャさんも気を付けて。凄く、すっごく、目が回るから」
「ルシアナ様ぁ」
目が回ってるせいで、男の人の手に頬ずりしちゃうし。
絶対ヤバいって。
「俺の手は──」
「あぁ、いいです。つ、冷たくて気持ちいいですけど、でもいいですっ」
「なぜ?」
首を傾げる黒助さんに「恥ずかしいからっ」とズバっと言い放つ。
暫く考えたのか、やや間があって彼の顔がほんのり赤くなった。
ちっ。お前も恥ずかしいのかよ。てやんでぇ。
目だけじゃなく、頭もぐわんぐわん回ってる。目を閉じておこう。
うぅ、これどのくらいで回復するんだろう。
「ルシアナお嬢様、大丈夫ですか?」
「アッシュ? あぁ、あのね、この魔力切れの症状って、どのくらい続くものなの?」
「そ、それは……人によってさまざまですので。寝て休まれるのが、一番楽なのですが」
そう言われても、さすがにここで寝る訳にはいかない。
「治る条件って?」
「魔力がある程度回復することです」
あぁ、だから寝るのか。
困ったなぁ。
「おい」
どうして謎の黒い人の第一声は、「おい」から始まるのだろう。
「なんですか?」
「これを嵌めろ」
「これ?」
閉じていた目を開くと、彼の手に赤紫色の指輪があった。
指輪を……はめろ?
そのまま彼は有無を言わさず、私の左手を取って指輪を──はめようとして固まった。
あ、中指にはめたのね。
もしかして一応、薬指はマズいなとか思ったのだろうか。彼の顔が少し赤い。さっきのが継続中なだけ?
しかしこれ、たぶん彼のものなんだろうな。中指にはめたのに、すっかすかだわ。
「あの、これは?」
「……魔力を蓄える、アーティファクトだ」
「アーティファクト……わぁお! 私、始めて見ました」
「俺の魔力を、常に貯えてある」
「そうなのですか」
で、これを私にはめた理由は?
「アーティファクトに蓄えられた魔力が、少しずつ解放されているのですね?」
「そうだ」
アッシュ卿には分かったようで、その解放されている魔力が私の中にすこーしだけ吸収されているようだと教えてくれた。
魔力の回復を助ける、ため?
「ルシアナ様、飲み物をお持ちしました」
「司祭様」
司祭様と神官さんがやって来て、なにやらいろいろ持って来たようだ。
謎の黒い人、が魔法でグラスの中に氷を浮かべる。
氷魔法、いいなぁ。うちの騎士団に氷魔法使える人いないのかしら。
「どうぞルシアナ様。それを甘い菓子をお持ちしました。疲れた時には甘いものがよいのですよ」
「魔力切れにもいいのですか?」
「そう言われております。魔力の消耗も、体力の消耗と同じだからと」
確かに受験勉強の時とか、チョコを食べてからのほうが効率がいいって聞くもんね。
「魔法を使える神官たちも、よく合間に菓子をつまんでおります。太らないから安心だとか言って」
「「えぇ!?」」
私とエリーシャ、そしてローラが食いついた。
魔力を消費させつつお菓子を食べれば、太らないの!?
運ばれてきたのはクッキーで、それを一口齧ると心が満たされる気分になる。
太らない。
甘いものを食べても太らない。
「あ、えぇっと……検証はしておりませんので……」
「エリーシャさんもどうぞ!」
「はい、ルシアナ様!」
パクパクとクッキーを食べ、あっという間に二人で平らげてしまった。
ちょっとお行儀が悪かったかな?
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