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9話 お店について その2
しおりを挟む「に、20万ゴールドとおっしゃったのでしょうか!?」
「ええ、メドロア様はそのくらいの価値が十分にあると思いますよ。アゼールト・ローマン公爵の提示していた金額は少なすぎます。婚約者だからと言う理由で、わざと少なく払っていたのでしょうな」
「し、しかし……! 私の作っているアイテムはあくまで個人的な作業でのものです。一介の錬金術師程度に20万ゴールドの給料は多すぎますよ」
コスパ伯爵は私の言葉をそこまで聞くと、怪し気に笑っていた。ちょっとだけ不気味な気がするのは気のせいではないはず……でも、不思議と悪意は感じられない。
「あなたは本当に純粋なようですな……気を付けた方が良いかもしれませんぞ」
「それについては、肝に命じておきます。ご指摘ありがとうございました……」
「いえいえ、そう言っていただき、大変恐縮でございます」
いつの間にか、コスパ伯爵との会話はかなり長引いてしまっている。しかし、変に中断させずにこのまま最後まで聞いた方が、私にとっても得になるような気がしていた。
「製造工程での非効率化や、複製作業での品質の低下は確実に起こっているでしょうな……」
「それは、アゼールト様の屋敷でという意味でしょうか?」
「そういうことになります。あなたはおそらく、屋敷内の錬金施設で働いていたのでしょう?」
「は、はい……そうです。他の錬金施設にも足を運んでいましたが……」
「なるほどなるほど。そうだとするなら、アゼールト様は今頃、相当焦っているでしょうな! アイテムの複製作業の品質というのは繰り返す度に落ちて行きます。複製元は定期的に新品と交換しなければならない。それは現在は出来ていないのですから」
複製作業に私のアイテムを使っていたのだとしたら、確かに今頃、アゼールト様は困っているのかもしれない。でも、私の代わりの錬金術師を揃えたと言っているし、そんなバカなことを起こしているとは思えないけれど……。
と、そんなことを考えていると……私の屋敷に一台の馬車が迫って来ていた。あれ? あの馬車の文様って確か……。
「おや、噂をすれば……というやつですかな? ふふふ、凄いタイミングでのご来訪のようだ」
嘘でしょ? アゼールト様が来たと言うの? いや、そんなバカなことは……私はとても信じられなかった。
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傲慢に映ってしまっているのは申し訳ない
主人公はちょっとお店(仮)が上手くいっているので、はしゃいでるのでしょうね
主人公は結構、危ういところがあると思います
周囲と結束して成長していく感じでしょうか
読んでいただきありがとうございます!
これからも少しでも楽しんでいただけるように頑張りたいと思います