妹に婚約者を奪われました。後悔してももう遅い。

マルローネ

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10話 視点変更

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(レイナ視点)


「ふふふ~~ん。シーザー様、本日はとても楽しかったですよね? 出されたお食事も美味しかったですし!」

「そうだな……食事はなかなかに美味だった」

「シーザー様……?」


 シーザー様の様子がおかしい気がする。先ほどから元気がないみたいな。というよりも睨まれている気がする……。


「シーザー様、どうかなさいましたか?」


 シーザー様は屋敷に着いてからも機嫌が変わることはなかった。お昼は私のことを、所有物発言していたけれどあのことに関係あるのかしら?


「……」


 シーザー様は私室に入ってからも無口なままだった。私を時折、睨む以外は何も言葉に出すことはしていない。なんだか気まずい雰囲気が漂っていた。一体私が何をしたって言うのよ……あんまり気分の良いものではない。


「シーザー様、少しよろしいでしょうか?」

「なんだレイナ?」

「はい。何を怒っていらっしゃるのですか? 正直、この空気はあんまり心地よいものではないのですが……」


 今夜も私はシーザー様の屋敷で泊まることになっている。だからこそ、あんまり悪い雰囲気のまま過ごしたくはなかった。何よりも婚約者と妙な雰囲気で過ごすなんて、絶対に嫌だ。


「昼間、ジェームズ様の屋敷でも少し言ったが……レイナ、お前はどうやら無自覚のようだな」

「無自覚ですか……? 何が無自覚なんです?」


 ひょっとしてジェームスさんとの仲を勘ぐっているとか? そうだとしたら、シーザー様は可愛いけれど。でも残念ながら、ジェームズさんとの仲は幼馴染止まりだ。ジェームズさんは以前から、お姉ちゃんに気があるようだったし。

 私の入る幕はほとんどなかった。だから今回、シーザー様を手に入れられたのは大きい。お姉ちゃんに一泡吹かせてやったし、ジェームズさんとの仲を進められるしで、私って恋のキューピッドになってない? 今度お姉ちゃんに、高価な物でもプレゼントしてもらおうかな。


「やはりお前には身体と心に刻み込む必要があるようだな……お前が一体、誰の物なのかということを……」

「えっ!? シーザー様……?」


 シーザー様はその時、豹変したような声になっていた。表現するのが難しいけれど、表情も悪魔に魂を売ったみたいなものになっていたし。

「シーザー様……冗談では済まない言葉が聞こえて来ているんですけど……冗談ですよね?」


「ははは。冗談に聞こえるのなら、お前の脳内は随分と快適だな」


 私はどうなってしまうの? 言い知れぬ不安感が全身を駆け巡っていた……。
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