妹に婚約者を奪われました。後悔してももう遅い。

マルローネ

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14話

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「なんていうことを……!」

「これは……想像以上だったな……」

「ふふふっ。アリス、ジェームズ様。やはり見せるべきではありませんでしたね。あなた達は私の真の姿を見てしまったのですよ」

 とてつもない程に恐ろしい空気が流れている……レイナの部屋は、それほどまでに凍り付いていたのだ。


「きゃはははは~~~! も、もうやめて~~~~!」

「もう少しこの辺りを責めましょうか……レイナ様には、シーザー様の好み通りのお身体になっていただきます」

「どういう意味よそれは……あ、あはははは!! 足の裏は駄目ぇ~~~!!」


 私とジェームズ、それからシーザー様は真面目な話をしていたはずなのに、レイナの笑い声で全てが台無しになってしまう。この場で話すのは得策ではないのかもしれないわね。

「あの、シーザー様。別のお部屋で話しませんか……?」

「おや、もうレイナは構わないのか?」

「ええ……一応は安全だと確認できましたので、一応は」

「そうか……それでは、部屋を移動しようか。隣の書斎辺りでいいかな」

「そこはお任せいたします」

 あまり移動せずに済むならそっちの方が良いかもしれない。また戻ってくるだろうしね。

「ジェームズも部屋を移動して構わないかしら?」

「あ、ああ……構わないよ、もちろん」

「……?」


 心なしかジェームズの言葉の歯切れが悪かったような……まさかとは思うけど、レイナがくすぐられている姿をもっと見たいとかじゃないわよね? うん、大丈夫。そう信じておこう。



-----------------------------


「それで……レイナへのあの仕打ちはどういうことなんですか?」


 書斎に入り、レイナの笑い声は聞こえなくなった。ここでなら集中して話すことが出来るわね。シーザー様にはちゃんと聞いておかないといけないから。

「あれは私の性癖を満たす為の教育みたいなものだよ。彼女は私の妻になるのだから、当然のことだろう?」

「性癖を満たす為の教育って。レイナはシーザー様の道具ではないんですよ?」

「ふふふ、同じようなものさ。私は特殊な性癖を持っているのでな、それはアリスも知っているだろう?」

「……はい、知っていますが……」


 シーザー様はバニーガールの姿にしての踊りを強要したりと、貴族の中では……変態と呼ばれる部類に入ると思う。ジェームズ様もそんなシーザー様の性癖には驚いていた。


「この場で私の特殊性癖の話を持ち出してくるとは余裕だな、アリス。ジェームズ様が興味津々になっているぞ?」

「ええっ、ジェームズ……!?」


 私は驚いて彼の顔を見た。確かに目を輝かせているように見える。

「ち、違う……! そんなわけはないだろう? こほんっ、シーザー殿が特殊な性癖を持っているというのは、同じ貴族として問題になるかもしれん。あくまで参考資料として聞かせてもらおうか」

「参考資料ですか……なるほどなるほど」


 上手い言い方で取り繕っているけれど、興味津々の眼差しは誤魔化し切れていない。私は思わず頭を抱えてしまった。まったくもう……男の人って……。
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