妹に婚約者を奪われました。後悔してももう遅い。

マルローネ

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15話

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 シーザー様の言いたいことはなんとなくだけど理解は出来る。

 おそらくは以前にジェームズへの態度などを見て、レイナへの罰を考えたのだろう。それがくすぐりの刑とは思ってもみなかったけれど。


「シーザー殿……あの、レイナに対するくすぐりの刑は地獄だと思うぞ?」

「ふふふ、そうでしょうね。しかし、大きな声を出して笑っている彼女はとても可愛らしくて」

「それは否定できないが……」

「おや、ジェームズ様も分かっていただけますか?」

「ば、馬鹿を言うな! 私に貴族令嬢をくすぐりの刑に処して楽しむ趣味など、あるわけがないだろう!?」


 ジェームズは必死で首を横に振っていたけど、なんだかシーザー様のペースになっているようにも見受けられた。ジェームズはあんまり否定し切っていないようにも感じられるけど……。


「ふふふふ、ジェームズ殿。貴族の男性は皆、そういう趣味を持っているものなのですよ。何も隠すことはないでしょう? 同じような趣味を持つ者同士です、仲良くいたしましょう」

「シーザー殿……私を馬鹿にしているのか?」

「いえいえ、決してそのようなことはありません。ご不快に感じられたのなら、謝罪申し上げます」

「いや……別に謝罪までする必要はないが……」


 う~ん、ジェームズもなんだかシーザー様に対して遠慮しているような態度を取っている。これではシーザー様のペースが続きそうだけれど、大丈夫なのかしら?


「アリス、お前も分かっているのだろう? 私の趣味を……それならば、レイナへの調教は任せておいてくれないか?」


 シーザー様の趣味は全てではないけど、確かにある程度は把握している。その趣味にレイナを差し出す……? 冗談じゃないわ。確かに二人の婚約を誘導したのは私自身だけれど、こんな未来を想定していたわけではない。


「残念ですがそれは出来ません、シーザー様。私はレイナの姉になりますので……!」

「ほう、あくまでも抵抗するということか」

「抵抗、という言葉がこの場で適切かどうかはわかりませんが……そういうことになりますね」


 私はシーザー様と激しく視線を突き合わせていた。目元の辺りから火花が飛び散ってもおかしくない程に……。


「くすぐりの刑……ロープか……う~む」


 ジェームズはそんな私の隣で、何か小声で話していた。彼の一番頼りない場面を見てしまった瞬間かもしれない。
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