15 / 20
15話
しおりを挟む
シーザー様の言いたいことはなんとなくだけど理解は出来る。
おそらくは以前にジェームズへの態度などを見て、レイナへの罰を考えたのだろう。それがくすぐりの刑とは思ってもみなかったけれど。
「シーザー殿……あの、レイナに対するくすぐりの刑は地獄だと思うぞ?」
「ふふふ、そうでしょうね。しかし、大きな声を出して笑っている彼女はとても可愛らしくて」
「それは否定できないが……」
「おや、ジェームズ様も分かっていただけますか?」
「ば、馬鹿を言うな! 私に貴族令嬢をくすぐりの刑に処して楽しむ趣味など、あるわけがないだろう!?」
ジェームズは必死で首を横に振っていたけど、なんだかシーザー様のペースになっているようにも見受けられた。ジェームズはあんまり否定し切っていないようにも感じられるけど……。
「ふふふふ、ジェームズ殿。貴族の男性は皆、そういう趣味を持っているものなのですよ。何も隠すことはないでしょう? 同じような趣味を持つ者同士です、仲良くいたしましょう」
「シーザー殿……私を馬鹿にしているのか?」
「いえいえ、決してそのようなことはありません。ご不快に感じられたのなら、謝罪申し上げます」
「いや……別に謝罪までする必要はないが……」
う~ん、ジェームズもなんだかシーザー様に対して遠慮しているような態度を取っている。これではシーザー様のペースが続きそうだけれど、大丈夫なのかしら?
「アリス、お前も分かっているのだろう? 私の趣味を……それならば、レイナへの調教は任せておいてくれないか?」
シーザー様の趣味は全てではないけど、確かにある程度は把握している。その趣味にレイナを差し出す……? 冗談じゃないわ。確かに二人の婚約を誘導したのは私自身だけれど、こんな未来を想定していたわけではない。
「残念ですがそれは出来ません、シーザー様。私はレイナの姉になりますので……!」
「ほう、あくまでも抵抗するということか」
「抵抗、という言葉がこの場で適切かどうかはわかりませんが……そういうことになりますね」
私はシーザー様と激しく視線を突き合わせていた。目元の辺りから火花が飛び散ってもおかしくない程に……。
「くすぐりの刑……ロープか……う~む」
ジェームズはそんな私の隣で、何か小声で話していた。彼の一番頼りない場面を見てしまった瞬間かもしれない。
おそらくは以前にジェームズへの態度などを見て、レイナへの罰を考えたのだろう。それがくすぐりの刑とは思ってもみなかったけれど。
「シーザー殿……あの、レイナに対するくすぐりの刑は地獄だと思うぞ?」
「ふふふ、そうでしょうね。しかし、大きな声を出して笑っている彼女はとても可愛らしくて」
「それは否定できないが……」
「おや、ジェームズ様も分かっていただけますか?」
「ば、馬鹿を言うな! 私に貴族令嬢をくすぐりの刑に処して楽しむ趣味など、あるわけがないだろう!?」
ジェームズは必死で首を横に振っていたけど、なんだかシーザー様のペースになっているようにも見受けられた。ジェームズはあんまり否定し切っていないようにも感じられるけど……。
「ふふふふ、ジェームズ殿。貴族の男性は皆、そういう趣味を持っているものなのですよ。何も隠すことはないでしょう? 同じような趣味を持つ者同士です、仲良くいたしましょう」
「シーザー殿……私を馬鹿にしているのか?」
「いえいえ、決してそのようなことはありません。ご不快に感じられたのなら、謝罪申し上げます」
「いや……別に謝罪までする必要はないが……」
う~ん、ジェームズもなんだかシーザー様に対して遠慮しているような態度を取っている。これではシーザー様のペースが続きそうだけれど、大丈夫なのかしら?
「アリス、お前も分かっているのだろう? 私の趣味を……それならば、レイナへの調教は任せておいてくれないか?」
シーザー様の趣味は全てではないけど、確かにある程度は把握している。その趣味にレイナを差し出す……? 冗談じゃないわ。確かに二人の婚約を誘導したのは私自身だけれど、こんな未来を想定していたわけではない。
「残念ですがそれは出来ません、シーザー様。私はレイナの姉になりますので……!」
「ほう、あくまでも抵抗するということか」
「抵抗、という言葉がこの場で適切かどうかはわかりませんが……そういうことになりますね」
私はシーザー様と激しく視線を突き合わせていた。目元の辺りから火花が飛び散ってもおかしくない程に……。
「くすぐりの刑……ロープか……う~む」
ジェームズはそんな私の隣で、何か小声で話していた。彼の一番頼りない場面を見てしまった瞬間かもしれない。
28
あなたにおすすめの小説
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。
一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。
更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。
わざわざ証拠まで用意してくれたみたいなのですが、それ、私じゃないですよね?
ここあ
恋愛
「ヴァレリアン!この場をもって、宣言しようではないか!俺はお前と婚約破棄をさせていただく!」
ダンスパーティの途中、伯爵令嬢の私・ヴァレリアンは、侯爵家のオランジェレス様に婚約破棄を言い渡されてしまった。
一体どういう理由でなのかしらね?
あるいは、きちんと証拠もお揃いなのかしら。
そう思っていたヴァレリアンだが…。
※誤字脱字等あるかもしれません!
※設定はゆるふわです。
※題名やサブタイトルの言葉がそのまま出てくるとは限りません。
※現代の文明のようなものが混じっていますが、ファンタジーの物語なのでご了承ください。
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります
恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」
「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」
十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。
再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、
その瞬間に決意した。
「ええ、喜んで差し上げますわ」
将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。
跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、
王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。
「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」
聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる