16 / 20
16話
しおりを挟む
「ジェームズ、シーザー様に言うことがあるでしょう?」
「わ、私がか……?」
「そうだけど、何もないの?」
私はジェームズに、シーザー様に対するの注意を促す言葉を掛けるようにお願いするも、彼には意図が伝わっていないようだった。ええと、どうしようかしら……。
「まあいいわ……。とにかく、シーザー様」
「そう何度も呼ばなくても聞こえている。どうしたんだ?」
「何度も言う必要はないとは思いますが、レイナへの虐待や調教は控えていただくようにお願いいたします」
「侯爵である私にそんな命令が可能だとでもいうのか?」
「私の発言だけでは与える効果は弱いでしょう。聞き入れていただけないのなら、ここに居るジェームズにも協力を要請します。知っての通り、ジェームズは公爵閣下です。シーザー様よりも格式の高い貴族になります」
公爵と侯爵の違い……地位としては、公爵であるジェームズの方が発言力は高いと言える。
「なるほど……アリスの言いたいことは良く分かった」
「では、すぐにもレイナを解放してください」
「おいおい……お前に続いてもう一度、婚約破棄をしろというのか?」
「婚約破棄になったのは自業自得でしょう? それに、レイナに不当な扱いをしないと約束していただけるのであれば、婚約破棄をしてくださいと頼むつもりはありません」
私は別にシーザー様とレイナの婚約に不満を持っているわけではないから。レイナに変な性癖を植え付けたりしないと約束してくれればそれで良かった。
「私が断れば、お前はジェームズ殿に頼むつもりなのだろう?」
「ええ……シーザー様がご納得いただけないのであれば」
「ジェームズ殿、私は間違っておりますかな? あなた様の考えをお聞かせいただけませんか?」
「シーザー殿……? 私の意見を、か」
「その通りでございます。どうぞ公爵閣下として忌憚のない意見をお願いいたします」
私よりもジェームズの方が懐柔しやすいと踏んだのかしら……彼は自ら、話をジェームズに振った。
「私は……そうだな」
私はジェームズの次の言葉を待ちながら、彼を信じる以外には何も出来なかった。ちょっとだけ妄想を膨らませていたけれど、こういう場面ではちゃんと締めてくれると信じている。
「わ、私がか……?」
「そうだけど、何もないの?」
私はジェームズに、シーザー様に対するの注意を促す言葉を掛けるようにお願いするも、彼には意図が伝わっていないようだった。ええと、どうしようかしら……。
「まあいいわ……。とにかく、シーザー様」
「そう何度も呼ばなくても聞こえている。どうしたんだ?」
「何度も言う必要はないとは思いますが、レイナへの虐待や調教は控えていただくようにお願いいたします」
「侯爵である私にそんな命令が可能だとでもいうのか?」
「私の発言だけでは与える効果は弱いでしょう。聞き入れていただけないのなら、ここに居るジェームズにも協力を要請します。知っての通り、ジェームズは公爵閣下です。シーザー様よりも格式の高い貴族になります」
公爵と侯爵の違い……地位としては、公爵であるジェームズの方が発言力は高いと言える。
「なるほど……アリスの言いたいことは良く分かった」
「では、すぐにもレイナを解放してください」
「おいおい……お前に続いてもう一度、婚約破棄をしろというのか?」
「婚約破棄になったのは自業自得でしょう? それに、レイナに不当な扱いをしないと約束していただけるのであれば、婚約破棄をしてくださいと頼むつもりはありません」
私は別にシーザー様とレイナの婚約に不満を持っているわけではないから。レイナに変な性癖を植え付けたりしないと約束してくれればそれで良かった。
「私が断れば、お前はジェームズ殿に頼むつもりなのだろう?」
「ええ……シーザー様がご納得いただけないのであれば」
「ジェームズ殿、私は間違っておりますかな? あなた様の考えをお聞かせいただけませんか?」
「シーザー殿……? 私の意見を、か」
「その通りでございます。どうぞ公爵閣下として忌憚のない意見をお願いいたします」
私よりもジェームズの方が懐柔しやすいと踏んだのかしら……彼は自ら、話をジェームズに振った。
「私は……そうだな」
私はジェームズの次の言葉を待ちながら、彼を信じる以外には何も出来なかった。ちょっとだけ妄想を膨らませていたけれど、こういう場面ではちゃんと締めてくれると信じている。
21
あなたにおすすめの小説
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
わざわざ証拠まで用意してくれたみたいなのですが、それ、私じゃないですよね?
ここあ
恋愛
「ヴァレリアン!この場をもって、宣言しようではないか!俺はお前と婚約破棄をさせていただく!」
ダンスパーティの途中、伯爵令嬢の私・ヴァレリアンは、侯爵家のオランジェレス様に婚約破棄を言い渡されてしまった。
一体どういう理由でなのかしらね?
あるいは、きちんと証拠もお揃いなのかしら。
そう思っていたヴァレリアンだが…。
※誤字脱字等あるかもしれません!
※設定はゆるふわです。
※題名やサブタイトルの言葉がそのまま出てくるとは限りません。
※現代の文明のようなものが混じっていますが、ファンタジーの物語なのでご了承ください。
両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。
一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。
更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
私よりも姉を好きになった婚約者
神々廻
恋愛
「エミリー!お前とは婚約破棄し、お前の姉のティアと婚約する事にした!」
「ごめんなさい、エミリー.......私が悪いの、私は昔から家督を継ぐ様に言われて貴方が羨ましかったの。それでっ、私たら貴方の婚約者のアルに恋をしてしまったの.......」
「ティア、君は悪くないよ。今まで辛かったよな。だけど僕が居るからね。エミリーには僕の従兄弟でティアの元婚約者をあげるよ。それで、エミリーがティアの代わりに家督を継いで、僕の従兄と結婚する。なんて素敵なんだろう。ティアは僕のお嫁さんになって、2人で幸せな家庭を築くんだ!」
「まぁ、アルったら。家庭なんてまだ早いわよ!」
このバカップルは何を言っているの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる