彼は婚約破棄をしましたが、どうやら王家を敵に回してしまったようですよ?

マルローネ

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11話 これからの動き

「私を脅しているのか、リードフ殿……? それはいくら公爵といえどもマズイのではないか?」

「王太子殿下を脅すなんてとんでもない。そんな恐れ多い真似など出来ませんよ」

「……」


 セシル様の言葉に一歩も引く様子を見せないリードフ様……これは非常にマズいのではないのだろうか? 二人の地位を比べた場合、王太子殿下であるセシル様が上になることは間違いがないのに。

 リードフ様がそのことを知らないはずがない。リードフ様にはそこまでの勝算があるのだろうか?

「私が将来、国王になった場合のことを計算に入れた方が良い。リードフ殿はそのように言っているのか?」

「いえいえ、滅相もございません。ただし、貴方様が将来の国王陛下として国を引っ張っていくのは事実でしょう。その時の力として、南北の国境線を牛耳る公爵家とは仲良くしていた方が良いのではないか、と考えているのですよ。これはもちろん、セシル王太子殿下のことを考えた、配下の忠誠心の表れのようなものです」

「忠誠心の表れ……物は言いようだな、リードフ殿」

「セシル王太子殿下がどのように思われるのか……私には分かりませんが、これは紛れもない事実でございます」


 気のせいか、セシル様は少し、劣勢になっているようにも思えた。リードフ様とは違い、カルカロフ様とマーシオ様は慌てふためいているようだけれど。心情的にはセシル様と対立したくはない様子だった。

 いえ、普通に考えれば、いくら南北の大地を広範囲に保有している公爵家でも、王家に逆らうなんて考えられないことだけれど……。そういう意味では、カルカロフ様とマーシオ様の態度は普通と言えるだろう。


「リードフ殿、スタイン殿には反省という言葉を教えたいものだ」

「反省……? どういうことですかな? ネフィラ嬢の一件であれば慰謝料を支払うことは約束しておりますが」

「反省というのはそういうことではない。王家に対する態度を反省し、改めた方が良い……ということだ」

「畏まりました。セシル王太子殿下のお言葉は真摯に受け止め、スタインにもよく言い聞かせておきましょう。今後の参考にさせていただきますよ」


「……」


 リードフ様の態度は結局、会合の最中に大きく変わることはなかった。南北の公爵家という立場はそんなに強権力なのかしら? あんな態度をしていては、絶対にスタイン様とマーシオ様の婚約が成立するわけないのだけれど。

 まさか本当に、慰謝料の支払いだけで、私とスタイン様の婚約破棄が完結したと考えているわけではにでしょうし……。全体的には平行線で終わった今回の会合……でも、各々の家系の考え方は分かったので収穫ではあった。

 あとは国王陛下達がハルベルト家とフォルブース家の婚約を認めるかどうかだけれど……普通に考えれば却下になるだろう。その時にリードフ様がどのように動くのか、次の興味はその一点となっていた。
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