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2話 軟禁状態 その1
しおりを挟む『絶対に婚約破棄はしないからな! お前は自室で反省していろ!』
ジオス様に怒鳴られた私は、そのまま私はクレイブン公爵家の屋敷の割り当てられた部屋に閉じ込められた。廊下などへの出入りは比較的自由に出来るけれど、軟禁状態では? と思える状態だった。
「信じられない……ジオス様、こんなことまでするなんて……」
私はこれでもヴィンセント家の侯爵令嬢という立場になる。爵位を持っているわけではないから、本当に偉いかと言われると微妙な立ち位置だけれど、ヴィンセント家自体はそれなりの権威を持っている。流石にクレイブン公爵家には勝てないけれど……。
「ねえ、アルカ。私は外に出ることも許されていないのかしら?」
「申し訳ありません、レオナ様。ジオス様には外に出さないように言われております」
「では、私が外の風を浴びたいと言っても、庭の散歩も出来ないということね?」
「使用人という立場上、レオナ様を外に出すわけには……申し訳ありません」
「まあ、仕方ないわよね」
アルカは年齢が近いこともあって、クレイブン家の使用人だけど私の理解者でもある。彼女には何度も愚痴を聞いてもらっていた。そんな彼女でも、クレイブン公爵家に仕えている以上、私のお願いよりもジオス様の命令が優先されるのは当然なわけで。
「まいったわね……ヴィンセント家の屋敷に帰ることも出来ないじゃない」
「本来、そんなことは許されないのですが……」
「確かにね」
これがクレイブン公爵家の力なのかな……元々、1カ月以上自宅には帰っていなかったけれど、今は異常事態になっている気がする。
「はあ……お父様達に現状を伝えることも難しいということね。ジオス様は最低だわ……」
「そうですね……レオナ様はこの屋敷に軟禁状態ですので、難しいと思います」
「そうよね……」
あれ? アルカの言い方が含みがあるように感じた。私は思わず、彼女を見上げる。アルカはとても怪しい笑みを浮かべていた。すごく可愛かったけれど、同時に寒気がするような笑顔だ。
「例えば、私が出掛けることは可能ですので……うふふ」
「アルカ……大丈夫なの?」
「信じていただけませんか?」
「いえ、信じているわ。ただし、無理のない範囲でお願いね。あなたに迷惑を掛けることは本意ではないから……」
「ありがとうございます、レオナ様」
アルカは深々と頭を下げた。手紙を出すということも考えたけれど、ジオス様に見つかってしまう確率が高いだろう。そういう意味では、アルカに直接依頼する方がはるかに安全と言えた。
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