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「セリア……非常に残念だ。まさかお前がこんなことをしていたなんてな」
「こんなこと? 一体なんのこと?」
貴族が通う学院でいきなり話しかけて来たのは、婚約者であり我が国の王子殿下でもあるレントだった。学院内でイケメンという声も多いとかなんとか……まあ、私としてはどうでもいいことなんだけどね。
そんな彼が教室に勢いよく入って来たかと思うと、いきなり叫び出したわけで……正直、意味がわからなかった。
「とぼけるのもいい加減にしてもらおうか」
「とぼける? いきなりどうしたのよ。レント……?」
「こいつを見ろ!」
と言って彼は隣に立っている少女を私に見せて来た。あれ……あの子って多分、同じ学院に通っている子よね。酷く脅えているけれど……どうしたのかしら?
「この子は私の大切な女性。幼馴染のウィンベルだ! お前は彼女にいじめを働いていたな!」
「なっ? いじめ……!? どういうこと……?」
「とぼけるな! 彼女はいじめを受けたと言っているんだ! セリアに受けたので間違いないな、ウィンベル?」
「は、はい……レント様」
ウィンベルは私を見ながら頷いていた。ええ……ほぼ会ったこともないような人物にいきなりいじめをされた、とか言われても困るんだけれど。どうなっているのかしら……?
「お前は昔から気に入らなかったが、今回の件で決心がついた。お前とは婚約破棄だ! しっかりと慰謝料も請求するから覚悟しておけ!」
「なっ……婚約破棄……!?」
レントの言った言葉に私は思わず立ってしまった。意味の分からないいじめの加害者にされて、さらにレントに婚約破棄を言われているのだから。
「婚約破棄ってどういうこと!? そんなの出来るわけないじゃない! 私達の婚約はかなり前から決まっていたのよ?」
「許嫁の関係……もともと私は嫌だったのだ。だが、今回はウィンベルの件で許しがたい理由もできた。これで晴れて婚約破棄ができるというものだな」
「いやだから……」
私は侯爵令嬢に該当しており、私とレントも子供の頃からの婚約者ということになる。お互い恋愛感情がないのはそうなんだけれど……婚約破棄が簡単にできるわけはない。しかも、こんな濡れ衣でなんて猶更納得できない。しかも、婚約破棄をする側のレントが慰謝料を請求するって言ってるし……。
でも、レントは婚約破棄を譲らなかった。こういう頑固なところは昔から変わらないわね、ホントに。それにこのウィンベルという子……一体、どういうつもりなのかしら?
「こんなこと? 一体なんのこと?」
貴族が通う学院でいきなり話しかけて来たのは、婚約者であり我が国の王子殿下でもあるレントだった。学院内でイケメンという声も多いとかなんとか……まあ、私としてはどうでもいいことなんだけどね。
そんな彼が教室に勢いよく入って来たかと思うと、いきなり叫び出したわけで……正直、意味がわからなかった。
「とぼけるのもいい加減にしてもらおうか」
「とぼける? いきなりどうしたのよ。レント……?」
「こいつを見ろ!」
と言って彼は隣に立っている少女を私に見せて来た。あれ……あの子って多分、同じ学院に通っている子よね。酷く脅えているけれど……どうしたのかしら?
「この子は私の大切な女性。幼馴染のウィンベルだ! お前は彼女にいじめを働いていたな!」
「なっ? いじめ……!? どういうこと……?」
「とぼけるな! 彼女はいじめを受けたと言っているんだ! セリアに受けたので間違いないな、ウィンベル?」
「は、はい……レント様」
ウィンベルは私を見ながら頷いていた。ええ……ほぼ会ったこともないような人物にいきなりいじめをされた、とか言われても困るんだけれど。どうなっているのかしら……?
「お前は昔から気に入らなかったが、今回の件で決心がついた。お前とは婚約破棄だ! しっかりと慰謝料も請求するから覚悟しておけ!」
「なっ……婚約破棄……!?」
レントの言った言葉に私は思わず立ってしまった。意味の分からないいじめの加害者にされて、さらにレントに婚約破棄を言われているのだから。
「婚約破棄ってどういうこと!? そんなの出来るわけないじゃない! 私達の婚約はかなり前から決まっていたのよ?」
「許嫁の関係……もともと私は嫌だったのだ。だが、今回はウィンベルの件で許しがたい理由もできた。これで晴れて婚約破棄ができるというものだな」
「いやだから……」
私は侯爵令嬢に該当しており、私とレントも子供の頃からの婚約者ということになる。お互い恋愛感情がないのはそうなんだけれど……婚約破棄が簡単にできるわけはない。しかも、こんな濡れ衣でなんて猶更納得できない。しかも、婚約破棄をする側のレントが慰謝料を請求するって言ってるし……。
でも、レントは婚約破棄を譲らなかった。こういう頑固なところは昔から変わらないわね、ホントに。それにこのウィンベルという子……一体、どういうつもりなのかしら?
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