5 / 7
5話
しおりを挟む
シャーク様と私の出会い……そういえば、こういうパーティーで出会ったのよね。
「シャーク様と初めてお会いしたのも、こういう賑やかなパーティーでしたね」
「そういえばそうだったか」
あの時は第二王子殿下のシャーク様なんて、天上の人でしかなかったけれど……実際にパーティー内でお会いした時はそんな雰囲気ではなかった。まあ、お父様と一緒にその時はいたのだけれど。私は緊張で上手く話せなかったのよね。でも、シャーク様はそんな私に対して優しく声を掛けてくれて……とても嬉しかったのを覚えているわ。
「あの時、とても嬉しかったです。今さらですが……」
「あの時? 初めて会った時のことかい?」
私達は適当に食べ物を取りながら軽く歩いていた。なんだか一緒に出席しているみたいで緊張するわね。
「はい、そうです。初めてお会いした時は……とても緊張していて、シャーク様のお顔をまともに見れませんでしたから。とても失礼なことをしてしまったかと。その時にとても優しく声を掛けてくれた時のことは忘れられません」
「ははは、そんなこともあったね、確か。まあ、そう言ってくれるのはとても嬉しいよ」
「ありがとうございます、シャーク様」
頭を軽く下げてお礼を言った。そう言えば、ちゃんとお礼を言えていなかったから丁度いいのかもしれないわね。
「しかし、エトナ嬢。少々、マズイんじゃないかな」
「マズいでしょうか……? シャーク様?」
シャーク様はなんだか苦笑いになっているような……あれ?
「仮にも君は婚約者がいるだろう? 私は現在はいないので問題はないかもしれないが……お礼を言ってくれるのは嬉しいけれど、アリアハル殿のことをちゃんと大切にね」
「あ……は、はい。シャーク様」
第二王子殿下として当然のことを聞かされた気がする。私は少し気を許そうとしていたのかもしれない。それを上手く察知されて……お咎めが来たというわけだ。
「申し訳ありませんでした、シャーク様。以後気を付けます」
「いや、大丈夫だよ」
シャーク様はいつも通りの笑顔に戻っていた。こちらのシャーク様の方が好きなので、私としても嬉しい。ただ……ここでハリングさんが声を出した。
「王子殿下……発言のご許可をいただけないでしょうか?」
なにやら真剣な様子のハリングさんだった。どうしたんだろうか?
「ああ、構わないが……どうしたんだ?」
「はっ、実は……エトナ嬢はアリアハル様との件で悩みがございまして」
「ほう、悩みだと? 本当なのかエトナ嬢?」
「えっ……あ、いや……それは……」
まさか、ハリング様から婚約破棄の話題を出されるとは思っていなかった。まずい……怪訝そうにシャーク様はしていらっしゃるわ。これは話すしかないかも……。
「シャーク様と初めてお会いしたのも、こういう賑やかなパーティーでしたね」
「そういえばそうだったか」
あの時は第二王子殿下のシャーク様なんて、天上の人でしかなかったけれど……実際にパーティー内でお会いした時はそんな雰囲気ではなかった。まあ、お父様と一緒にその時はいたのだけれど。私は緊張で上手く話せなかったのよね。でも、シャーク様はそんな私に対して優しく声を掛けてくれて……とても嬉しかったのを覚えているわ。
「あの時、とても嬉しかったです。今さらですが……」
「あの時? 初めて会った時のことかい?」
私達は適当に食べ物を取りながら軽く歩いていた。なんだか一緒に出席しているみたいで緊張するわね。
「はい、そうです。初めてお会いした時は……とても緊張していて、シャーク様のお顔をまともに見れませんでしたから。とても失礼なことをしてしまったかと。その時にとても優しく声を掛けてくれた時のことは忘れられません」
「ははは、そんなこともあったね、確か。まあ、そう言ってくれるのはとても嬉しいよ」
「ありがとうございます、シャーク様」
頭を軽く下げてお礼を言った。そう言えば、ちゃんとお礼を言えていなかったから丁度いいのかもしれないわね。
「しかし、エトナ嬢。少々、マズイんじゃないかな」
「マズいでしょうか……? シャーク様?」
シャーク様はなんだか苦笑いになっているような……あれ?
「仮にも君は婚約者がいるだろう? 私は現在はいないので問題はないかもしれないが……お礼を言ってくれるのは嬉しいけれど、アリアハル殿のことをちゃんと大切にね」
「あ……は、はい。シャーク様」
第二王子殿下として当然のことを聞かされた気がする。私は少し気を許そうとしていたのかもしれない。それを上手く察知されて……お咎めが来たというわけだ。
「申し訳ありませんでした、シャーク様。以後気を付けます」
「いや、大丈夫だよ」
シャーク様はいつも通りの笑顔に戻っていた。こちらのシャーク様の方が好きなので、私としても嬉しい。ただ……ここでハリングさんが声を出した。
「王子殿下……発言のご許可をいただけないでしょうか?」
なにやら真剣な様子のハリングさんだった。どうしたんだろうか?
「ああ、構わないが……どうしたんだ?」
「はっ、実は……エトナ嬢はアリアハル様との件で悩みがございまして」
「ほう、悩みだと? 本当なのかエトナ嬢?」
「えっ……あ、いや……それは……」
まさか、ハリング様から婚約破棄の話題を出されるとは思っていなかった。まずい……怪訝そうにシャーク様はしていらっしゃるわ。これは話すしかないかも……。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
250
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる