婚約破棄? 公爵様が味方になってくれましたよ? いいんですか?

マルローネ

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3話

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「あれってギルト様よね? どうしてマリナなんかと……」

「いや、俺には何が何やら……」


 先ほどから私のことを批判したり、見下した発言をしていた人達。私がギルト・スタンレー公爵と話しているのを不思議そうに見ていた。そんなに不思議なことかしら? マルーク様とヴィネ様に酷いことをした私がギルト様と親しく話しているのは不遜だと言いたいのかしら?


「どうかしたか、マリナ嬢?」

「いえ、なんでもありません。ギルト様」

「周りの連中のことは気にしない方が良いと思うぞ。噂に流されるのは得策ではないし」

「そ、そうですね……わかりました」


 ギルト様は私の内心を見事に察してくれていた。確かに噂に流されたら本末転倒になりそうね。噂は消えるのを待つしかないのかもしれない。


「マルークとヴィネの二人……どうやら、相当なことをしてくれたようだな。まったく……」

「ギルト様はご存知なんですか?」

「ああ、知っているさ。噂のことも知っているが、マルークに酷い発言を連発され、ヴィネにも酷いことを発言したと言われているらしいじゃないか」

「あ、そんなことが……」


 マルーク様とヴィネ様に酷いことを言った? そんなことあるわけない。酷いことを言われたのはむしろ私の方だ。ヴィネ様には直接は言われていないけれど、マルーク様にはキレられたし。

「あの二人は浮気の末、私に婚約破棄をさせたのです」

「なんと。今の噂話とは真逆じゃないか」

「しかも、マルーク様は私に脅しまで言って来ました」


 私は話を聞いてくれるギルト様に全てを話そうと思った。


「脅し? マルークがか?」

「はい、その……私が浮気の件を言うと屋敷を燃やすとまで」

「なんという奴だ、あの男は……」


 ギルト様は頭を抱えていた。それもそのはずだ。だって、仮にも伯爵様が脅しなんてしたのだから。まあ、それ以前に浮気をしたことはマズいけれど……。


「ん? どうやら、ちょうどいいタイミングで現れたようだな」

「あ、本当だ……」


 そんな時だった。マルーク様とヴィネ様の二人がパーティー会場に現れたのは……とてもいいタイミングだわ。
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