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24話 判決 その3
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ドルトムント議長の判決の続き……私を含めて、場に居る全ての人達が息をのんでいたように思う。皆の視線はドルトムント議長に集中している。彼はその視線を感じているのか、軽く咳ばらいをしてから話し出した。
「ラゴウ・ジェシス伯爵、マリア・クルシス子爵令嬢の両名に申し上げる」
「は、はい……」
「はい……!」
「先ほどの判決、伯爵の称号剥奪と無期限の謹慎処分は永久というわけではない。今後のあなた方の行いによっては……比較的、早くに取り消される可能性があるでしょう」
「……!!」
ドルトムント議長からのまさかの希望に満ちた言葉……私も驚いたけれど、ラゴウ様やマリア姉さまはさらに驚いたと思われる。だって、まさかの希望に溢れた内容だったのだから。おそらくは、追加の罰を言われるとビクビクしていたんじゃないかしら……まあ、私もそれは流石に厳し過ぎると思ったのでそうじゃなくて良かったわ。
でも、今後の行い次第というところがキーポイントになってきそうだった。
「ほ、本当ですか議長殿……。私は伯爵に返り咲けると……?」
「私も謹慎処分が短くなるんですね……?」
やっぱりいつも通りの二人だった……いえ、いつもの二人よりもさらに悪いかもしれない。肝心な部分を聞き飛ばしているのだから。時と場合によっては、これだけでも不敬罪に問われて投獄なんてこともあり得るわよね? 私達の国はまだまだ甘い方だという噂もあるくらいだし。
「彼ら肝心な部分を聞いていないな……」
「はい、そうですね。我が姉ながら非常に情けないことです……」
「あれでは先が思いやられるな……ああ、もちろんテレーズが辱めを受けることなど、まったくないんだがな」
カイン様の屈託のない優しさが逆に、今の私には辛かった……ベッドに倒れこんで枕に顔を埋めたい気分だ。ドルトムント議長や他の議会員も頭を抱えているようであった。ああ……見ているのが本当に辛いわ……。
「話は最初から最後まで聞くようにしていただきたい。あくまでも、今後の行いによっては……と、言ったのだ」
「あっ、これは申し訳ありませんでした……!」
「理解してもらえたかな?」
「は、はい! 理解致しました!」
「よろしい。それではラゴウ・ジェシス、マリア・クルシスの今後については追って説明するとして……さてさて、もう一つ重大な事柄が残っておりましたな」
そこまで言うと、ドルトムント議長はおもむろに立ち上がった。
「勉学不足の貴族の粛清……後はお任せしても構いませんかな? 国王陛下。いえ……この場では、兄上と呼んだ方がよろしいでしょうか」
「兄上か……お前からそう呼ばれるのは久しぶりな気がするぞ」
「私も久しぶりにお聞きいたしましたわ……」
目立たない格好をしていたザルバック国王陛下とリリアーヌ王妃様が立ち上がる。意外と知らない人も居るけれど、国王陛下とドルトムント大公殿下は兄弟になる。ええと確か苗字が違うから……そうだった、奥様の姓に変えて大公という地位になったのよね……。
王位継承権から完全に退くために……その辺りは複雑な事情があったんだと思う。
「ラゴウ・ジェシス伯爵、マリア・クルシス子爵令嬢の両名に申し上げる」
「は、はい……」
「はい……!」
「先ほどの判決、伯爵の称号剥奪と無期限の謹慎処分は永久というわけではない。今後のあなた方の行いによっては……比較的、早くに取り消される可能性があるでしょう」
「……!!」
ドルトムント議長からのまさかの希望に満ちた言葉……私も驚いたけれど、ラゴウ様やマリア姉さまはさらに驚いたと思われる。だって、まさかの希望に溢れた内容だったのだから。おそらくは、追加の罰を言われるとビクビクしていたんじゃないかしら……まあ、私もそれは流石に厳し過ぎると思ったのでそうじゃなくて良かったわ。
でも、今後の行い次第というところがキーポイントになってきそうだった。
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やっぱりいつも通りの二人だった……いえ、いつもの二人よりもさらに悪いかもしれない。肝心な部分を聞き飛ばしているのだから。時と場合によっては、これだけでも不敬罪に問われて投獄なんてこともあり得るわよね? 私達の国はまだまだ甘い方だという噂もあるくらいだし。
「彼ら肝心な部分を聞いていないな……」
「はい、そうですね。我が姉ながら非常に情けないことです……」
「あれでは先が思いやられるな……ああ、もちろんテレーズが辱めを受けることなど、まったくないんだがな」
カイン様の屈託のない優しさが逆に、今の私には辛かった……ベッドに倒れこんで枕に顔を埋めたい気分だ。ドルトムント議長や他の議会員も頭を抱えているようであった。ああ……見ているのが本当に辛いわ……。
「話は最初から最後まで聞くようにしていただきたい。あくまでも、今後の行いによっては……と、言ったのだ」
「あっ、これは申し訳ありませんでした……!」
「理解してもらえたかな?」
「は、はい! 理解致しました!」
「よろしい。それではラゴウ・ジェシス、マリア・クルシスの今後については追って説明するとして……さてさて、もう一つ重大な事柄が残っておりましたな」
そこまで言うと、ドルトムント議長はおもむろに立ち上がった。
「勉学不足の貴族の粛清……後はお任せしても構いませんかな? 国王陛下。いえ……この場では、兄上と呼んだ方がよろしいでしょうか」
「兄上か……お前からそう呼ばれるのは久しぶりな気がするぞ」
「私も久しぶりにお聞きいたしましたわ……」
目立たない格好をしていたザルバック国王陛下とリリアーヌ王妃様が立ち上がる。意外と知らない人も居るけれど、国王陛下とドルトムント大公殿下は兄弟になる。ええと確か苗字が違うから……そうだった、奥様の姓に変えて大公という地位になったのよね……。
王位継承権から完全に退くために……その辺りは複雑な事情があったんだと思う。
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追記:
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長くなったので、短編⇒長編に変更しました。(2022.11.6)
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