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6話
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「どういうつもりだ!? 使用人であるジョンがリブガロに相談だと? それだけでなく、他の使用人達も……」
「まあ、それが真実ですね、コルデン様」
「だから、どういうことかと聞いているんだ! リブガロ、ミシェラ、説明してみろ!」
コルデン様は焦っているのか、かなり声色が変化している。汗も流しているみたいだし……。お父様や姉さまの方が明らかに優勢に見えた。それだけじゃない、お父様の話が本当なら、コルデン様に味方はいないことになる。
私はどうすればいいんだろうか。特に言葉を発しても意味がない気がするし……見守るしかできないわね。
「コルデン様、コルデン様はどうやらやり過ぎてしまったようです」
「やり過ぎだと……? この私が? どういうことだ?」
なんとなく分かるわ。コルデン様の浮気のことを言っているのだろう。コルデン様は気付いていないみたいだけれど。
「浮気の件について最初にジョンから相談されたのは、2カ月以上も前の話です。自らの主が伯爵として失格のことをしていると。それから、ローズのことを蔑ろにしているとも聞かされました」
「な、なんだと……2カ月以上も前から……!?」
ジョンは何も答えなかったが、彼の表情がその話の信憑性を物語っているようだった。まさか、2カ月も前から調査が始まっていたなんて思わなかったわ。
「それから2か月間の間に、全ての使用人と話しをし、全員の心が一致していることを確認しました。婚約破棄の話にいずれなることは、その時から分かっていましたよ」
「ば、馬鹿な……そんなことが……!」
コルデン様は知らぬ間に外堀を埋められていったわけだ。それに気付いたのか、先ほどからかなり狼狽えているし。私も正直、驚いている。ここまで念入りに準備が進んでいたとは……。
「もうお分かりでしょう、コルデン様。告発したところで、あなたに勝ち目はありません。バウム伯爵家の使用人達が敵になってしまう以上、あなたの浮気の言質を取ることは簡単です。国王陛下も決してあなたを許しはしないでしょうな」
「く、くそ……! こんなことが……!」
コルデン様はようやく、自分が劣勢になったことを悟ったようだった。床に今にも崩れ落ちそうになっているし。お父様、姉さまの準備勝ちといったところだろうか。私のためにここまでやってくれるなんて……感謝しか出来ないわ。本当に
「お父様、姉さま……その、ありがとうございました!」
「気にしなくて大丈夫よ、ローズ。全ては大切な家族のために行ったことなんだから」
「その通りだよ、ローズ。気にするな」
私は最高の家族に恵まれたのかもしれない。それこそが最高の幸せというものだ。コルデン様との婚約破棄も乗り越えられると確信した。
「済まなかった! リブガロ、婚約破棄の件はなかったことにしてくれ! これからはローズを大切にすると約束する! だから……!」
「何を言っているのですか、今頃……」
ここに来て、コルデン様は土下座をし始めた。驚くほどの手のひら返し……これには私でも引いてしまう。周囲も冷たい視線を送るだけだった……。
「まあ、それが真実ですね、コルデン様」
「だから、どういうことかと聞いているんだ! リブガロ、ミシェラ、説明してみろ!」
コルデン様は焦っているのか、かなり声色が変化している。汗も流しているみたいだし……。お父様や姉さまの方が明らかに優勢に見えた。それだけじゃない、お父様の話が本当なら、コルデン様に味方はいないことになる。
私はどうすればいいんだろうか。特に言葉を発しても意味がない気がするし……見守るしかできないわね。
「コルデン様、コルデン様はどうやらやり過ぎてしまったようです」
「やり過ぎだと……? この私が? どういうことだ?」
なんとなく分かるわ。コルデン様の浮気のことを言っているのだろう。コルデン様は気付いていないみたいだけれど。
「浮気の件について最初にジョンから相談されたのは、2カ月以上も前の話です。自らの主が伯爵として失格のことをしていると。それから、ローズのことを蔑ろにしているとも聞かされました」
「な、なんだと……2カ月以上も前から……!?」
ジョンは何も答えなかったが、彼の表情がその話の信憑性を物語っているようだった。まさか、2カ月も前から調査が始まっていたなんて思わなかったわ。
「それから2か月間の間に、全ての使用人と話しをし、全員の心が一致していることを確認しました。婚約破棄の話にいずれなることは、その時から分かっていましたよ」
「ば、馬鹿な……そんなことが……!」
コルデン様は知らぬ間に外堀を埋められていったわけだ。それに気付いたのか、先ほどからかなり狼狽えているし。私も正直、驚いている。ここまで念入りに準備が進んでいたとは……。
「もうお分かりでしょう、コルデン様。告発したところで、あなたに勝ち目はありません。バウム伯爵家の使用人達が敵になってしまう以上、あなたの浮気の言質を取ることは簡単です。国王陛下も決してあなたを許しはしないでしょうな」
「く、くそ……! こんなことが……!」
コルデン様はようやく、自分が劣勢になったことを悟ったようだった。床に今にも崩れ落ちそうになっているし。お父様、姉さまの準備勝ちといったところだろうか。私のためにここまでやってくれるなんて……感謝しか出来ないわ。本当に
「お父様、姉さま……その、ありがとうございました!」
「気にしなくて大丈夫よ、ローズ。全ては大切な家族のために行ったことなんだから」
「その通りだよ、ローズ。気にするな」
私は最高の家族に恵まれたのかもしれない。それこそが最高の幸せというものだ。コルデン様との婚約破棄も乗り越えられると確信した。
「済まなかった! リブガロ、婚約破棄の件はなかったことにしてくれ! これからはローズを大切にすると約束する! だから……!」
「何を言っているのですか、今頃……」
ここに来て、コルデン様は土下座をし始めた。驚くほどの手のひら返し……これには私でも引いてしまう。周囲も冷たい視線を送るだけだった……。
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