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5話 コルデン視点
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執事のジョンからとてつもない言葉が返って来た……そして、リブガロ子爵からもだ。なんだと……? 犯人捜しをするつもりが、とんでもない方向に話が進んでいるように感じられるぞ。
「ご理解いただけましたか? コルデン様。内通者捜しは無意味……ただ、コルデン様の言葉に合わせるなら、私は内通者ということになりますね」
「ば、馬鹿な……ジョン。どういうつもりだ? なぜ、私を裏切った?」
「ジョンは私に協力してくれただけです。あまり彼を責めないようにお願いします。ああ、他の使用人の方々もね」
「リブガロ……! お前は……!」
この男は悪びれている様子はない。ジョンをどうやって引き込んだのか分からんが、どうせ金か何かだろう。それから、まさか全ての使用人がリブガロ側に付いているなどあり得ない。しかし……。
そんな無意味な嘘を吐くだろうか?
「どうやったのだ?」
「何のことですかな、コルデン様」
「どうやってジョンを引き込んだ!? いや、それだけじゃない。本当かどうかは知らんが、どうやって我が屋敷の使用人達を……!」
「ああ、そのことですか。確かに引き込んだとなれば、私に聞くのが相当ですね」
くそ、上手くはぐらかされているような気がするぞ。しかし、この自信は間違いなく使用人達の全てを味方に引き入れたのだろう。一体、どうやって引き入れたというのだ? それが本当に分からない。
「リブガロ……お前にそれだけの力があれば、とっくに伯爵……いや、もっと上の階級の貴族になっているはずだ。何か裏があるな?」
「流石はコルデン様ですね。ただし、裏があったとしてもあなたの不利に変わりはありませんよ。私の味方はあなたの屋敷の使用人すべて。これがどういうことかは分かっているでしょう?」
「ぬっ……お前……!」
私を脅しているのか、この男は? 明らかにそういう口調だったが……生意気な。すぐにでも取り押さえたいところだが、使用人であるジョンも言うことを聞くとは思えないからな。リブガロは明らかに私の周りを監視していた……とにかく告発することを先にした方が良いか。ローズとの婚約破棄は決まったようなものだからな。
リブガロめ……後悔させてやる。
「とにかく、私は慰謝料を支払う気はない。そして、告発を最優先で行うとしよう。お前達の家系は終わりだ」
「それはご自分の首を絞めるだけかと思いますぞ、コルデン様」
「何だと……?」
告発が私の首を絞めるだと? 馬鹿な、どういうことだ。リブガロはまた適当なことを言って攪乱しているのか?
「言ったでしょう、使用人達はあなたの敵だと。彼らからの言質を取ることは可能です。私が彼らと繋がることが出来たのは、ここにいるジョンを代表として相談があったからですよ」
「なに? どういうことだ? ジョンから相談があっただと?」
「ええ、そういうことです。信用できないかもしれませんが、私からではなく、使用人から相談があったのです」
「ま、まさか……そんなことが……!」
信じられない発言だったが、リブガロはまったく目を逸らすことはしない。本当なのか……?
「ご理解いただけましたか? コルデン様。内通者捜しは無意味……ただ、コルデン様の言葉に合わせるなら、私は内通者ということになりますね」
「ば、馬鹿な……ジョン。どういうつもりだ? なぜ、私を裏切った?」
「ジョンは私に協力してくれただけです。あまり彼を責めないようにお願いします。ああ、他の使用人の方々もね」
「リブガロ……! お前は……!」
この男は悪びれている様子はない。ジョンをどうやって引き込んだのか分からんが、どうせ金か何かだろう。それから、まさか全ての使用人がリブガロ側に付いているなどあり得ない。しかし……。
そんな無意味な嘘を吐くだろうか?
「どうやったのだ?」
「何のことですかな、コルデン様」
「どうやってジョンを引き込んだ!? いや、それだけじゃない。本当かどうかは知らんが、どうやって我が屋敷の使用人達を……!」
「ああ、そのことですか。確かに引き込んだとなれば、私に聞くのが相当ですね」
くそ、上手くはぐらかされているような気がするぞ。しかし、この自信は間違いなく使用人達の全てを味方に引き入れたのだろう。一体、どうやって引き入れたというのだ? それが本当に分からない。
「リブガロ……お前にそれだけの力があれば、とっくに伯爵……いや、もっと上の階級の貴族になっているはずだ。何か裏があるな?」
「流石はコルデン様ですね。ただし、裏があったとしてもあなたの不利に変わりはありませんよ。私の味方はあなたの屋敷の使用人すべて。これがどういうことかは分かっているでしょう?」
「ぬっ……お前……!」
私を脅しているのか、この男は? 明らかにそういう口調だったが……生意気な。すぐにでも取り押さえたいところだが、使用人であるジョンも言うことを聞くとは思えないからな。リブガロは明らかに私の周りを監視していた……とにかく告発することを先にした方が良いか。ローズとの婚約破棄は決まったようなものだからな。
リブガロめ……後悔させてやる。
「とにかく、私は慰謝料を支払う気はない。そして、告発を最優先で行うとしよう。お前達の家系は終わりだ」
「それはご自分の首を絞めるだけかと思いますぞ、コルデン様」
「何だと……?」
告発が私の首を絞めるだと? 馬鹿な、どういうことだ。リブガロはまた適当なことを言って攪乱しているのか?
「言ったでしょう、使用人達はあなたの敵だと。彼らからの言質を取ることは可能です。私が彼らと繋がることが出来たのは、ここにいるジョンを代表として相談があったからですよ」
「なに? どういうことだ? ジョンから相談があっただと?」
「ええ、そういうことです。信用できないかもしれませんが、私からではなく、使用人から相談があったのです」
「ま、まさか……そんなことが……!」
信じられない発言だったが、リブガロはまったく目を逸らすことはしない。本当なのか……?
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