57 / 491
女装と復讐 -発起編-
page.41
しおりを挟む
『…ううん』
僕はゆっくりと、首を横に振った。
『ごめんね…は僕の方だよ。詩織、行こう』
僕は詩織に笑顔を見せて振り向き、先に行きかけた。
『信吾、待って!』
『…何?』
呼ばれてもう一度振り返ると詩織は、自分の首に着けていたシルバーのチェーンネックレスを外して、僕に見せた…?
ネックレスにはプラチナのデザインリングが通され、キラキラと輝きながらぶら下がっている。
『これは…信吾がもう人前であがらない為の《charm》だからね。ほら…後ろを向いて』
僕がそれに応えて後ろを向くと、そのシルバーのチェーンネックレスを、僕の着る黒のタートルネックの上から着けてくれた。
『あ…ありがとう』
『へへっ。黒に銀…って色合いもいいね。行こう。信吾』
歩き始めた詩織のあとを追うように、僕も歩き始めた。
『ねぇ、今朝はちょっと寒かったけど、天気も良くて日差しも暖かくて、気持ちいいねー』
『うん。そうだね』
まるで嘘のように、すっかり周りなんて気にならなくなった。ありがとう…詩織。
そして2人、テンポ良く並んで歩きながら行くと…急に詩織が大通りの向こうの、小さな古臭いビルを指差した。
『見て。あのお店…何て書いてある?』
『あれ?…あ、《閉店売り尽くしセール》って書いてあるね…?』
『ねぇ聞いて。あのお店さぁ、2年も前から《閉店セール》って言っておきながらさぁー、今もまだやってんだけど。どう思う?インチキ商売もいいとこだよねー。早く潰れろー』
『あははは』
『きゃはははは』
詩織の言葉に僕は笑った。そして詩織の僕への気遣いが凄く感じられて…嬉しかった。
涙が出そうだった。
何より、心から幸せな気分になれて久し振りに笑った、って気がする。
…ってか、コンタクトレンズって偉いな。本当に遠くまで視界スッキリ。
『ねぇ、ちょっと私の前を歩いてみて』
『…?』
そう言って一旦立ち止まり、僕の後ろを歩く詩織。
『ちょっと!ヤバいよ信吾!女の子の歩き方忘れてる!』
『…あっ!!』
そうだ!…女の子歩き…感情的に色々あったから忘れてた…!
『きゃははは』
『!?』
急に笑う詩織。駆けて僕の隣に追いついてきて、僕の左腕に自分の右腕を絡めてきた。
『ねぇ!信吾って凄いね!一瞬で女の子の歩き方に、完璧に修正できるとか!きゃははは』
詩織って…凄く明るくて、本当に街を歩くのが楽しそうだ。
僕は左隣で僕の腕に腕を絡めてる、詩織の横顔をちらりと見た。
今は僕も女の子の姿なんだけど…本当にデートしているような錯覚に陥りかけて…なんか詩織が凄く可愛く、愛おしく見えて…徐々に気分が高揚しはじめた…!
…自分で《これはマズい!!》と判断し、詩織に気付かれないように…そっと…絡まれた左腕を、解いた…。
僕はゆっくりと、首を横に振った。
『ごめんね…は僕の方だよ。詩織、行こう』
僕は詩織に笑顔を見せて振り向き、先に行きかけた。
『信吾、待って!』
『…何?』
呼ばれてもう一度振り返ると詩織は、自分の首に着けていたシルバーのチェーンネックレスを外して、僕に見せた…?
ネックレスにはプラチナのデザインリングが通され、キラキラと輝きながらぶら下がっている。
『これは…信吾がもう人前であがらない為の《charm》だからね。ほら…後ろを向いて』
僕がそれに応えて後ろを向くと、そのシルバーのチェーンネックレスを、僕の着る黒のタートルネックの上から着けてくれた。
『あ…ありがとう』
『へへっ。黒に銀…って色合いもいいね。行こう。信吾』
歩き始めた詩織のあとを追うように、僕も歩き始めた。
『ねぇ、今朝はちょっと寒かったけど、天気も良くて日差しも暖かくて、気持ちいいねー』
『うん。そうだね』
まるで嘘のように、すっかり周りなんて気にならなくなった。ありがとう…詩織。
そして2人、テンポ良く並んで歩きながら行くと…急に詩織が大通りの向こうの、小さな古臭いビルを指差した。
『見て。あのお店…何て書いてある?』
『あれ?…あ、《閉店売り尽くしセール》って書いてあるね…?』
『ねぇ聞いて。あのお店さぁ、2年も前から《閉店セール》って言っておきながらさぁー、今もまだやってんだけど。どう思う?インチキ商売もいいとこだよねー。早く潰れろー』
『あははは』
『きゃはははは』
詩織の言葉に僕は笑った。そして詩織の僕への気遣いが凄く感じられて…嬉しかった。
涙が出そうだった。
何より、心から幸せな気分になれて久し振りに笑った、って気がする。
…ってか、コンタクトレンズって偉いな。本当に遠くまで視界スッキリ。
『ねぇ、ちょっと私の前を歩いてみて』
『…?』
そう言って一旦立ち止まり、僕の後ろを歩く詩織。
『ちょっと!ヤバいよ信吾!女の子の歩き方忘れてる!』
『…あっ!!』
そうだ!…女の子歩き…感情的に色々あったから忘れてた…!
『きゃははは』
『!?』
急に笑う詩織。駆けて僕の隣に追いついてきて、僕の左腕に自分の右腕を絡めてきた。
『ねぇ!信吾って凄いね!一瞬で女の子の歩き方に、完璧に修正できるとか!きゃははは』
詩織って…凄く明るくて、本当に街を歩くのが楽しそうだ。
僕は左隣で僕の腕に腕を絡めてる、詩織の横顔をちらりと見た。
今は僕も女の子の姿なんだけど…本当にデートしているような錯覚に陥りかけて…なんか詩織が凄く可愛く、愛おしく見えて…徐々に気分が高揚しはじめた…!
…自分で《これはマズい!!》と判断し、詩織に気付かれないように…そっと…絡まれた左腕を、解いた…。
12
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる