女装と復讐は街の華

筆鼬

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女装と復讐 -発起編-

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菊江のおっさんは、間違いなく【roads†doll】という看板を指差していた…けど不思議なことに、他のお店の看板は灯りがついているのに、その看板だけは暗いままだった。


『でも、あの看板を見るかぎり、今夜はお休みなんじゃないんですか?』


…と訊いたのは僕。


『やってるわよ。《貸切り》だから看板の灯りが消えているだけなの!』

『…貸切り!?』


僕らはビル内の、10人も乗れないエレベーターに全員乗り込み、アンナさんが4階のボタンを押した。



……………ピンポーン。エレベーターは4階に到着。

エレベーターの扉が開くと、そこは既にお店の中だった。


『あーら、菊江ママおかえりー』


目の前に、サンタガールの女装をした、明らかに《若い男の娘》が4人、僕の目に映った。


『ちょっと菊江ママ、遅かったじゃないのー?』

『ごめんなさーい。翔子ちゃん』


その男の娘らとは別に、菊江のおっさんに声を掛けた翔子ちゃん?って…ていうか、その人もいい歳のおっさん客だ。
…どういうこと?


『今夜はね、おかまバー《菊次郎の夜》の忘年会も兼ねて、このお店を貸し切ってんのよぉ』


あー…なるほど。


『とりあえず、ここでぼーっと立っててもアレだから、とりあえず奥に行って、みんな座りましょ!』


全員が席に着くと、おっさんがこのお店の《従業員の男の娘》たちをチラリと見た。


『もちろん、みんなも分かってると思うけど、あの女の子たちは全員、の男の子よ』


…普通?ではないと思うけど…。


『いらっしゃいませー。ママー、何飲む?』


僕らのテーブル席へ来たその男の娘を、僕はふと見た。

背は170cmくらいは間違いなくある。
丁寧にメイクされた顔は凄く大人っぽくて綺麗だけど…さすがに背が高過ぎて…ちょっと普通の女の子には見えない、かも…。


『わぁ!今夜は可愛い女の子2人と綺麗なお姉さんも連れてきてくれたんだぁ♪』


…しばらく話し込み、そしてカウンターへと戻る男の娘。
そこに秋良さんが言葉を差す。


『なぁ、信ご…えぇと金魚。お前とあの男の娘とやら、条件はほぼ同じなのに…おかしい…』


確かに《若い男性が女装をしている》という点だけに着目すれば、僕も彼らも何も変わらないんだけど…?


『…何がおかしいんですか?』

『いやな…あの男の娘たちも、確かに上手く娘になりきってるけどよ…やっぱ、どこか《女装した男だ》ってのが解っちまうんだよな。なのに…お前ときたら…』

『?』


秋良さんは複雑な表情と目で僕を見た…?























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