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女装と復讐 -完結編-
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僕は今日のメイクの最高の出来よりも、アンナさんが《自慢の一つ》《自信を持って推奨…》と、瀬ヶ池の女の子たちの前で確言してくれたことのほうが、もっともっとうれしかった。しかも…。
『…私が彼女の、ここまで成長できたメイクテクニックの向上に携われたことは、私にとって一番の誇りです。本当に最高の自慢です』
ヤバ…僕、嬉しすぎて涙出そう…。
今まであんなに頑張って、メイクを練習してきた日々のことを、ほんの少し思い出した…。
『ふふっ。泣いちゃう?泣いちゃダメよ。金魚ちゃん』
『…あははは』
そのナオさんの笑顔を見せられて、僕は泣きたいのも忘れて、ついつられて笑ってしまった。
『…それでは明日、同時刻から…3点以上ご購入および、金魚ちゃんのメイクをご希望されるお客さまに限り、メイク施行の受付けを始めます』
…これで、ようやく《金魚のすっぴん顔ご披露&メイク実演》は終了。
明日から忙しくな…ってくれたらいいな。
観衆はバラバラと解散状態で…帰っていく女の子、ナオさんのお店に入っていく女の子、まだそこに立っている女の子…。
「金魚ちゃーん!」
『えっ?』
声のする方を見ると…高校生らしき若い女の子の姿。僕に手を振ってくれている。
『私、化粧品3つ明日買います!だからメイク、お願いしまーす!』
『うん!ありがとう!』
僕はその女の子に、手を振り返してお礼を言った。
そのあとも「金魚ちゃーん!」「私も3点買うよー」そう言ってくれてる女の子がいっぱい…嬉しい。
「買う?化粧品3つ」
「んー…うぅん。買わない」
「だよねー」
「だって自分でメイクできるし。なのにお金まで出して…」
「だよねー…」
街道に散ってゆく女の子たちの誰かの、そんな声も聞こえたけど…そんなの気にしない。
だって今の僕、凄く気分がいいから。
僕とナオさんとアンナさん…それと店内から出てきた詩織も手伝って、テーブルや椅子などの後片付け。
『じゃあ…今日の一大イベントが終わって片付けも済んだし、私は先に美容院に戻るわね』
『…アンナさん』
『うん。何?』
アンナさんが美容院に戻る前に、僕はアンナさんに声を掛けた…。
『さっき…金魚のメイクの技術を女の子たちの前です褒めてくださって…ありがとうございました…』
アンナさんの左手が、僕の右頬に優しく触れた。
『…ごめんなさいね』
『えっ?』
僕は少し驚いて、目を円くしてアンナさんを見た。
『なんで…今…?』
『私…ほんとはあなたに、なにか一つでもメイクの手解きをしたわけでもないのに…あんな言い方を観衆の前でしちゃって…』
『えっ…そんな…』
アンナさんは、そのまま僕の肩を手繰り寄せて、優しく抱きしめてくれた。
『あなたのメイクの技術は…あなたのなかに潜在していた才能と、日々の努力で磨かれてきたものなのに…』
僕は首を横に振った。
『いえ…僕はアンナさんが毎週毎週してくれるメイクを見てて…それを覚えて、真似して…《盗んだ》んです…』
『!』
『僕こそ…ごめんなさい』
『ううん。《技術を盗める》こと…それも《才能》のひとつよ…』
『…私が彼女の、ここまで成長できたメイクテクニックの向上に携われたことは、私にとって一番の誇りです。本当に最高の自慢です』
ヤバ…僕、嬉しすぎて涙出そう…。
今まであんなに頑張って、メイクを練習してきた日々のことを、ほんの少し思い出した…。
『ふふっ。泣いちゃう?泣いちゃダメよ。金魚ちゃん』
『…あははは』
そのナオさんの笑顔を見せられて、僕は泣きたいのも忘れて、ついつられて笑ってしまった。
『…それでは明日、同時刻から…3点以上ご購入および、金魚ちゃんのメイクをご希望されるお客さまに限り、メイク施行の受付けを始めます』
…これで、ようやく《金魚のすっぴん顔ご披露&メイク実演》は終了。
明日から忙しくな…ってくれたらいいな。
観衆はバラバラと解散状態で…帰っていく女の子、ナオさんのお店に入っていく女の子、まだそこに立っている女の子…。
「金魚ちゃーん!」
『えっ?』
声のする方を見ると…高校生らしき若い女の子の姿。僕に手を振ってくれている。
『私、化粧品3つ明日買います!だからメイク、お願いしまーす!』
『うん!ありがとう!』
僕はその女の子に、手を振り返してお礼を言った。
そのあとも「金魚ちゃーん!」「私も3点買うよー」そう言ってくれてる女の子がいっぱい…嬉しい。
「買う?化粧品3つ」
「んー…うぅん。買わない」
「だよねー」
「だって自分でメイクできるし。なのにお金まで出して…」
「だよねー…」
街道に散ってゆく女の子たちの誰かの、そんな声も聞こえたけど…そんなの気にしない。
だって今の僕、凄く気分がいいから。
僕とナオさんとアンナさん…それと店内から出てきた詩織も手伝って、テーブルや椅子などの後片付け。
『じゃあ…今日の一大イベントが終わって片付けも済んだし、私は先に美容院に戻るわね』
『…アンナさん』
『うん。何?』
アンナさんが美容院に戻る前に、僕はアンナさんに声を掛けた…。
『さっき…金魚のメイクの技術を女の子たちの前です褒めてくださって…ありがとうございました…』
アンナさんの左手が、僕の右頬に優しく触れた。
『…ごめんなさいね』
『えっ?』
僕は少し驚いて、目を円くしてアンナさんを見た。
『なんで…今…?』
『私…ほんとはあなたに、なにか一つでもメイクの手解きをしたわけでもないのに…あんな言い方を観衆の前でしちゃって…』
『えっ…そんな…』
アンナさんは、そのまま僕の肩を手繰り寄せて、優しく抱きしめてくれた。
『あなたのメイクの技術は…あなたのなかに潜在していた才能と、日々の努力で磨かれてきたものなのに…』
僕は首を横に振った。
『いえ…僕はアンナさんが毎週毎週してくれるメイクを見てて…それを覚えて、真似して…《盗んだ》んです…』
『!』
『僕こそ…ごめんなさい』
『ううん。《技術を盗める》こと…それも《才能》のひとつよ…』
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