異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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閑話:迷子猫を探せ!

「ただいま!ハルおかーさん!」
 小学校6年生になったユラは、異世界の扉の向こうから声を掛ける。

「おかえりユラ、どうしたの?」
 異世界の扉を通ったユラはランドセルを降ろす、そしてハァハァと息を切らしながら答える。

「ちょっとお仕事で。」
「今回は何?」
「迷子の猫を探すお仕事っ!」
「あらあら、だから猫猫って考えてたのね。」
 春恵は微笑みながら答える、ユラは頷き千春の応接室の扉を開く。

「チハルおねーちゃん!」
「ユラおかえり、どうしたの?」
「アルバイト!猫!探すの!」
「ねこー?手伝おうか?」
「んーん!ミタマさんたちに手伝ってもらおうと思って!」
 ユラはそう言うと、部屋にいたルルを見る。

「ルル!ムカイ領に連れてって!」
「レンたちはどうしたの?」
「日本で待ってるよ!」
「おっけ~♪」
 ユラはランドセルを放り投げると、庭にあるフェアリーリングに飛び込み、ルルと消えた。

「迷子の迷子の子猫さん~♪」
 千春は歌いながらルプに話しかける。

「ルプ、見守って貰って良い?」
「ああ、任せろ、ついでに見つけて来るか?」
「んにゃ、ユラたちに見つけさせてあげて♪」
「わかった、千春は無理するなよ?」
 ルプは大きくなった千春のお腹を鼻で軽く触る。

「大丈夫だって、おかぁさんもそこにいるし、アイトネからも祝福貰ってるんだから♪」
『呼んだ~?』
「呼んでませ~ん♪あ、さっきプリン作ったんだけどアイトネも食べる?」
『食べるわ~♪』
 いつもの光景を見ながらルプは微笑む、そして春恵に異世界の扉を通してもらうと姿を消しユラの戻りを待つことにした。


-------------------------


「ミタマさーん!」
「なんにゃー?」
「お願いがあるの!」
 ムカイ領の領主邸に駆けこんだユラは、ひなたぼっこをしていた三珠の前に滑り込む。

「猫の探索!」
「迷子にゃ?」
「うん!」
「いいにゃよ、ユメも行くにゃ?」
 三珠は隣に寝ていた魔物の夢喰猫に声を掛ける、横に寄り添い、静かに寝ていた真っ白な猫、夢が目を開けると『にゃっ』と軽く鳴く。

「猫探しならデンハ達も連れて行くにゃ?」
 三珠はそう言うと起き上がり、隣の部屋へ向かう、ユラと夢は三珠について行く、ユラが扉を開けるとママさんズ達が集まっていた。

「あらユラちゃんいらっしゃい、どうしたの?」
 ムカイ領領主の妻であり、頼子の母である智美が声を掛ける。

「あっちで猫探しの依頼をうけたの。」
「あ、妖怪さんの依頼?」
「はい!」
「で、ミタマとユメ連れて行くの?」
 智美が言うと、三珠が答える。

「デンハとマクリも連れて行って良いにゃ?」
「良いわよ、マクリちゃん日本の服にきがえてらっしゃい♪」
「宜しいのですか?」
 16歳になったマクリはしっかりお姉さんになり、語尾に『ニャ』もつけなくなっていた。

「良いわよ♪ついでに楽しんでらっしゃい。」
 智美はそう言うと、別の侍女に声を掛けた。

「デンハは旦那の所で遊んでるから呼んできてくれる?」
「はい奥様。」
 侍女は礼をすると部屋を出て行く、そしてデンハとマクリ、三珠と夢を連れ、ユラは日本に戻った。


-------------------------


「久しぶりにゃー。」
 日本の空気を吸い、三珠は呟く、夢はキョロキョロと景色を見ながら三珠の横を歩く。

「ニャーゥ?」
「そうにゃ、異世界にゃ、地球の日本と言う国にゃ、吾輩の故郷だにゃ。」
 説明をしながら歩くユラと猫たち、そしていつもの神社に辿り着くと、イーレンとイーナ、妖狐の悠希と雪女の玲が待っていた。

「連れて来たよー!」
「おかえりなのです!」
「ミタマさんお久しぶりです♪」
「あー!ユメちゃんだー!」
「この人達は?」
 玲は猫耳が付いた少女と、猫顔なのに二足歩行し服を着たデンハを見る。

「こっちは猫族のマクリさん、こっちは妖精族のデンハさん、ケットシーだっけ?」
「初めまして、マクリと申します。」
 丁寧に礼をするマクリ、そして子供姿から変わらないデンハも話す。

「僕はデンハ・ニード・ワーフこの世界は魔力が無いから役に立てるかわからないですよ?」
「場所はわかってるんです、でも見つからないんです。」
 イーレンが説明すると、玲も話す。

「大人しい子らしくて・・・」
 玲は困ったように呟くと、悠希も頷く。

「猫の手も借りたいんです!」
 悠希が言うと、皆は悠希を見る。

「「「「「・・・」」」」」
「なに?」
「いや、ギャグかなって。」
 ユラが突っ込むと、イーレンも突っ込む。

「誰が上手いこと言えと。」
「・・・それじゃ行くのです!」
 イーナは話をぶった切り立ち上がる、そして皆は神社を後にし目的地へ向かった。


-------------------------


「狼の、見守りか?」
「ああ、そうだ、鼬。」
 神社の境内の屋根から子供達を見守るルプと土地神のイタチ、ハヤテが話す。

「レン達の話しを聞いていたが、妖怪の猫だな。」
「どんな妖怪かわかるか?」
「多分だが『すねこすり』だな。」
「チッ、めんどくせえな。」
「ああ、あいつらの姿消しは妖怪同士でも見つけるのは骨を折る。」
「まぁ三珠なら見つけれるだろ。」
「あの白いのも結構鋭いな、俺の気配に気付いていたぞ?」
 ハヤテは夢喰猫の夢を目で追いながら呟く。

「あれは魔物だ、夢を食う。」
「どうりで、精神感能力に強いヤツなら『すねこすり』も見つけられるだろうな。」
「ま、俺が先に見つけてやるけどな。」
 ルプはフッと笑うと、屋根から飛び降りユラ達の後ろを付いて行った。

「異世界か・・・」
 まだ見ぬ異世界を想像しながら颯は呟く、数年後イーレンを気に入り異世界に行く事になる事はまだ知らない。





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