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連載
閑話:迷子猫を探せ!③
「イーレン様、小さな気配が沢山ありますニ・・ャ。」
「マクリさん、ニャ~付けてもいいよ?」
「・・・申し訳ありませんニャ。」
「我慢してたの?」
「そう言う訳では無いですニャ、貴族の方も沢山いらっしゃるので、出来るだけ出さないようにしてますニャ。」
2人が話をしていると、野良猫とマクリは同時に耳をピンと立て耳を澄ます。
「にゃぁ~。」
「鳥ですね、狩りますか?」
「鳥さんは狩らなくていいよ~。」
イーレンは苦笑いで答える、工場の周りを歩き続け、裏口を見つける。
「中に入る?」
「私が先に入ります・・・ニャ。」
マクリはドアノブを回し扉を動かす。
「鍵が閉まってますね。」
そう言うとマクリは力を入れ、扉を引っ張る、大きな音を立て扉が外れ、マクリは扉を放り投げる。
「開きましたニャ。」
「「・・・」」
イーレンと野良猫はマクリを見つめる。
「これ開けたんじゃなくて壊したんだよ?」
「にゃぁ~。」
「さぁ入りますニャ♪」
ニコッと微笑むマクリ、いたずらっ子の様な可愛い笑みでマクリは工場の中へ入ると、1人と一匹も後ろに続いた。
-------------------------
「デンハさんって精霊さんなんですか?」
「うん、そうだよ?君は狐族みたいだね。」
「えっとねー、こっちだと妖狐なんだけどー、そっちだとフェイ・フォックスって言う種族なんだって。」
「フェイ・フォックス!?」
驚くデンハに悠希も驚く。
「な・・・なに?どうしたの!?」
「フェイ・フォックスは妖精族の中でも上位なんだよ、そして魔族側なんだ。」
「魔族なの?」
「あ、そうだった、君たちの思ってる魔族じゃないんだ、魔力の高い種族が魔族なんだよ。」
「へー、でも、驚く事なの?」
「それはそうだよ、狐族と違って魔力が全然違うんだ。」
「ユラと違うの?」
「違うね、ユラ様も獣人の中ではかなり魔力が多い方だけれど、フェイ・フォックスは精霊族、魔力保有量が桁違いなんだ。」
「おおー!私すごいんだー♪」
喜ぶ悠希に思わず微笑むデンハ。
「でも訓練しないと魔力は増えないからね?」
「そうなんだ、訓練かー、がんばろっ♪」
そう言うと悠希は手の平を広げ炎を出す。
「え!?」
驚くデンハ。
「なに?」
「君たちはこっちで魔法を使えないんじゃ!?」
「私は妖力を使うから使えるよ?まだ大きな術は使えないけど。」
悠希は炎をギュッと握りしめ消滅させる。
「にゃー。」
野良猫が2人に声を掛ける、倉庫側の外を回っていた2人と一匹は開かれた扉に目をやる。
「外には居ないみたいだね、中に入ってみようか。」
デンハが言うと、悠希と野良猫は一緒に倉庫へ入る、金属の棚が倒れ、プラスチックやゴミが散乱していた。
「ほこりまみれー。」
悠希が言うと、デンハはそれを見つめる。
「小動物が歩き回った跡があるけれど、魔力は感じないね、ユキちゃんは妖気とか感じない?」
「うん、なにも感じない。」
「にゃー。」
「猫君もか、奥に行ってみよう。」
2人と一匹は、ゴミが散乱した部屋の奥へ向かった。
-------------------------
「ミタマさーん、こっちー。」
玲が三珠を呼ぶと、三珠が返事を返す。
「何かあったにゃ?」
「この扉の奥、少しだけど気配ない?」
「・・・妖気のカスだにゃ、よく見つけたにゃ。」
「えへへ♪」
「にゃー。」
野良猫が扉を前足でカリカリと爪とぎするような仕草を見せる。
「開けるね。」
玲はドアノブを手にするが引いても押しても動かない。
「うーーーごーーーかーーーなーーーいーーー!」
「変わるにゃ。」
「えー無理だよー。」
玲は足元で軽く言う三珠に言うと、三珠は姿を大きく変える。
「うわぁ!大きい!」
「ちょっと後ろに下がるにゃ。」
「はーい。」
「にゃぁ。」
玲と野良猫は後ろに下がる、すると三珠は前足を振り上げ扉を殴る、扉は大きな爪痕を付け中に吹き飛んだ。
「開いたにゃ。」
「・・・壊してるじゃん、怒られない?」
「にゃーん。」
「猫ちゃんなんて言ってるの?」
「他の所も壊れてるから怒られないって言ってるにゃ。」
三珠は小さくなると、壊れた扉をすり抜け中へ入って行った。
-------------------------
「何も無いのです。」
「にゃー。」
「にゃー?」
「こっちです?」
夢喰猫の夢と野良猫はイーナの前をテコテコと歩く、野良猫は工場の中を知っているのか、迷いなく歩いて行く、その後ろを夢が続き、イーナは後をついて行く。
「にゃー?」
「にゃー。」
「・・・何言ってるのです?」
「にゃー。」
「にゃーん。」
「・・・この人選は誤りなのです!」
二匹の言葉がわからないイーナは声を上げる、工場の中にイーナの声が響き反響する、すると夢はピクリと耳を立てる、そして。
「にゃー!」
「にゃ!」
夢の鳴き声を聞き、野良猫がイーナの所まで下がる、すると夢は一瞬で駆け出す。
「まつのですー!」
「にゃー。」
夢は壊れた機械の残骸をすり抜ける、そして。
「にゃー。」
ジグザクに走り回り、壁際を走ったと思えば、残骸の上を飛び跳ねる夢。
「何してるのです!?ユメ!?」
何が起こったか分からず夢を追いかけるイーナ、すると、扉が開き、三珠が現れる。
「いたにゃ!」
「どこ!?」
「レイ!ユメが追いかけてるのです!」
「見えないよ!?」
夢と三珠が見えない何かを追いかける、そして。
「イーナ!レイ!」
「ユキ!いたみたい!」
「どこ!?」
「わかんない!」
2人の言葉に悠希は走り回る二匹を見つめる、するとデンハが二匹の前に立ちふさがる。
「これが妖気ですね。」
ゴールキーパーの様にデンハが構える、すると夢と三珠が左右に分かれる、だが3人の視線は工場の高い天井へ向かう、そして。
「ここですっ!!!」
飛び上がるマクリは空中で何かを掴むと、回転しながら着地する、手には何も見えないが、空気を掴むような仕草で必死に抑えていた。
「ウォォォォォン!!!」
後から入って来たルプの鳴き声が工場に響く、すると、マクリの手の中の物が動かなくなる、そして。
「「「「あっ!」」」」
少女達は声を上げる、マクリの手にはサバトラ模様の毛玉があった。
「猫ちゃんゲットー!?」
ユラはマクリの所へ駆け寄ると、毛玉はプルプルと震えていた。
「猫ちゃん、怖くないよ?」
毛玉はユラの声に一度ビクリと反応すると、毛玉が崩れ顔を出す。
「・・・食べない?」
「食べないよ!?」
毛玉はユラの言葉にホッとしたのもつかの間、後ろにそびえる大きな銀狼を見て叫ぶ。
「ぎぃにゃああああああああああああああ!!!!!!」
「ルプ!威嚇しちゃだめ!」
「おっと、おとなしくすると思って、圧掛け過ぎたか。」
ゲラゲラ笑うルプにユラは頬を膨らませるが、ニコッと微笑む。
「ルプありがとう、もう大丈夫だよ、ね、猫ちゃん♪」
「だだだだだいじょうぶ!?」
「うん、ほら。」
ユラが言うと、周りに少女達が、そして夢や三珠、デンハも微笑む、勿論毛玉を掴んでいるマクリは既に力を弱め、手に載せてるだけだ。
「迎えに来たよ、喧嘩した家族も心配してるよ?」
「・・・」
「帰る?」
「・・・」
「帰るよなぁ?」
黙る毛玉に声を掛けるルプ。
「ぎにゃあああああ!!!かえるぅぅぅぅ!!!おかあさああああん!!!」
「ルプ!」
「一件落着だろ?」
「もう!」
カッカッカと笑いながら言うルプ、更に震える毛玉、呆れる少女達、そしてコレで報酬が貰えると喜ぶ異世界猫軍団と野良猫たちだった。
-------------------------
工場から出た一行は、すねこすりの毛玉猫をしっかり抱えたまま町の商店街を抜け、文房具屋の前に立った。
「ただいま戻りましたー!」
扉を開けると、奥からタケさんが現れる。
「おお、見つけてくれたか。わしの可愛い隣人をなぁ。」
毛玉はタケさんの前でピョンと飛び降りると、狸爺さんの足にすり寄った。
「ぎにゃあ~・・・おかあさんのとこかえる~!」
「はいはい、もう心配かけるなよ~。」
タケさんは優しく撫でる。
「ほれ、お前達、アルバイト代だ・・・ところでその猫たちは?」
「この子探すの手伝ってくれた子達だよ。」
「「「「「にゃー。」」」」」
「ほほほ、お前達にも報酬だな。」
タケさんは裏へ行くと、袋を手に出て来る。
「「にゃーーーっ!!!」」
野良猫軍団が目を輝かせて群がる。
「ほれ、ぢゅーるだ、好きだろ?」
「おじさんわかってるー♪」
ぢゅーるをもらい、幸せそうに舐める猫たち。
「それじゃ私たちもかえろー。」
「ユキとレイも来るでしょ?」
「うん、お母さんには連絡したから大丈夫。」
「私もー♪」
皆はそう言うと、タケと野良猫たちにお礼を言い、家へ帰る、勿論途中で異世界猫軍団の報酬も忘れていない、そして異世界へ戻った面々は・・・
「はい、ご褒美はコレ!」
ユラが取り出したのはぢゅーるの山盛りと、銀色に輝く高級猫缶。
「にゃーん♪」
「これは・・・絶対に美味しいやつです!」
「吾輩はコレが良いにゃ!」
「ゆ、ユラ様、よろしいのですかニャ!?」
異世界猫軍団は尻尾をブンブン振りながら大騒ぎだ。
こうして今回の「迷子猫探し大作戦」は、ぢゅーると高級猫缶の勝利で幕を下ろしたのであった。
-------------------------
「ルプおつかれー。」
「楽しかったぞ。」
「そう?んじゃお礼いらない?」
千春に言われ、ルプはチラッと千春を見る。
「・・・いる。」
「あはは、はいどうぞ♪」
大吟醸と書かれた一升瓶を見せる千春、ルプはニヤリと笑い日本酒を受け取った。
「マクリさん、ニャ~付けてもいいよ?」
「・・・申し訳ありませんニャ。」
「我慢してたの?」
「そう言う訳では無いですニャ、貴族の方も沢山いらっしゃるので、出来るだけ出さないようにしてますニャ。」
2人が話をしていると、野良猫とマクリは同時に耳をピンと立て耳を澄ます。
「にゃぁ~。」
「鳥ですね、狩りますか?」
「鳥さんは狩らなくていいよ~。」
イーレンは苦笑いで答える、工場の周りを歩き続け、裏口を見つける。
「中に入る?」
「私が先に入ります・・・ニャ。」
マクリはドアノブを回し扉を動かす。
「鍵が閉まってますね。」
そう言うとマクリは力を入れ、扉を引っ張る、大きな音を立て扉が外れ、マクリは扉を放り投げる。
「開きましたニャ。」
「「・・・」」
イーレンと野良猫はマクリを見つめる。
「これ開けたんじゃなくて壊したんだよ?」
「にゃぁ~。」
「さぁ入りますニャ♪」
ニコッと微笑むマクリ、いたずらっ子の様な可愛い笑みでマクリは工場の中へ入ると、1人と一匹も後ろに続いた。
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「デンハさんって精霊さんなんですか?」
「うん、そうだよ?君は狐族みたいだね。」
「えっとねー、こっちだと妖狐なんだけどー、そっちだとフェイ・フォックスって言う種族なんだって。」
「フェイ・フォックス!?」
驚くデンハに悠希も驚く。
「な・・・なに?どうしたの!?」
「フェイ・フォックスは妖精族の中でも上位なんだよ、そして魔族側なんだ。」
「魔族なの?」
「あ、そうだった、君たちの思ってる魔族じゃないんだ、魔力の高い種族が魔族なんだよ。」
「へー、でも、驚く事なの?」
「それはそうだよ、狐族と違って魔力が全然違うんだ。」
「ユラと違うの?」
「違うね、ユラ様も獣人の中ではかなり魔力が多い方だけれど、フェイ・フォックスは精霊族、魔力保有量が桁違いなんだ。」
「おおー!私すごいんだー♪」
喜ぶ悠希に思わず微笑むデンハ。
「でも訓練しないと魔力は増えないからね?」
「そうなんだ、訓練かー、がんばろっ♪」
そう言うと悠希は手の平を広げ炎を出す。
「え!?」
驚くデンハ。
「なに?」
「君たちはこっちで魔法を使えないんじゃ!?」
「私は妖力を使うから使えるよ?まだ大きな術は使えないけど。」
悠希は炎をギュッと握りしめ消滅させる。
「にゃー。」
野良猫が2人に声を掛ける、倉庫側の外を回っていた2人と一匹は開かれた扉に目をやる。
「外には居ないみたいだね、中に入ってみようか。」
デンハが言うと、悠希と野良猫は一緒に倉庫へ入る、金属の棚が倒れ、プラスチックやゴミが散乱していた。
「ほこりまみれー。」
悠希が言うと、デンハはそれを見つめる。
「小動物が歩き回った跡があるけれど、魔力は感じないね、ユキちゃんは妖気とか感じない?」
「うん、なにも感じない。」
「にゃー。」
「猫君もか、奥に行ってみよう。」
2人と一匹は、ゴミが散乱した部屋の奥へ向かった。
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「ミタマさーん、こっちー。」
玲が三珠を呼ぶと、三珠が返事を返す。
「何かあったにゃ?」
「この扉の奥、少しだけど気配ない?」
「・・・妖気のカスだにゃ、よく見つけたにゃ。」
「えへへ♪」
「にゃー。」
野良猫が扉を前足でカリカリと爪とぎするような仕草を見せる。
「開けるね。」
玲はドアノブを手にするが引いても押しても動かない。
「うーーーごーーーかーーーなーーーいーーー!」
「変わるにゃ。」
「えー無理だよー。」
玲は足元で軽く言う三珠に言うと、三珠は姿を大きく変える。
「うわぁ!大きい!」
「ちょっと後ろに下がるにゃ。」
「はーい。」
「にゃぁ。」
玲と野良猫は後ろに下がる、すると三珠は前足を振り上げ扉を殴る、扉は大きな爪痕を付け中に吹き飛んだ。
「開いたにゃ。」
「・・・壊してるじゃん、怒られない?」
「にゃーん。」
「猫ちゃんなんて言ってるの?」
「他の所も壊れてるから怒られないって言ってるにゃ。」
三珠は小さくなると、壊れた扉をすり抜け中へ入って行った。
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「何も無いのです。」
「にゃー。」
「にゃー?」
「こっちです?」
夢喰猫の夢と野良猫はイーナの前をテコテコと歩く、野良猫は工場の中を知っているのか、迷いなく歩いて行く、その後ろを夢が続き、イーナは後をついて行く。
「にゃー?」
「にゃー。」
「・・・何言ってるのです?」
「にゃー。」
「にゃーん。」
「・・・この人選は誤りなのです!」
二匹の言葉がわからないイーナは声を上げる、工場の中にイーナの声が響き反響する、すると夢はピクリと耳を立てる、そして。
「にゃー!」
「にゃ!」
夢の鳴き声を聞き、野良猫がイーナの所まで下がる、すると夢は一瞬で駆け出す。
「まつのですー!」
「にゃー。」
夢は壊れた機械の残骸をすり抜ける、そして。
「にゃー。」
ジグザクに走り回り、壁際を走ったと思えば、残骸の上を飛び跳ねる夢。
「何してるのです!?ユメ!?」
何が起こったか分からず夢を追いかけるイーナ、すると、扉が開き、三珠が現れる。
「いたにゃ!」
「どこ!?」
「レイ!ユメが追いかけてるのです!」
「見えないよ!?」
夢と三珠が見えない何かを追いかける、そして。
「イーナ!レイ!」
「ユキ!いたみたい!」
「どこ!?」
「わかんない!」
2人の言葉に悠希は走り回る二匹を見つめる、するとデンハが二匹の前に立ちふさがる。
「これが妖気ですね。」
ゴールキーパーの様にデンハが構える、すると夢と三珠が左右に分かれる、だが3人の視線は工場の高い天井へ向かう、そして。
「ここですっ!!!」
飛び上がるマクリは空中で何かを掴むと、回転しながら着地する、手には何も見えないが、空気を掴むような仕草で必死に抑えていた。
「ウォォォォォン!!!」
後から入って来たルプの鳴き声が工場に響く、すると、マクリの手の中の物が動かなくなる、そして。
「「「「あっ!」」」」
少女達は声を上げる、マクリの手にはサバトラ模様の毛玉があった。
「猫ちゃんゲットー!?」
ユラはマクリの所へ駆け寄ると、毛玉はプルプルと震えていた。
「猫ちゃん、怖くないよ?」
毛玉はユラの声に一度ビクリと反応すると、毛玉が崩れ顔を出す。
「・・・食べない?」
「食べないよ!?」
毛玉はユラの言葉にホッとしたのもつかの間、後ろにそびえる大きな銀狼を見て叫ぶ。
「ぎぃにゃああああああああああああああ!!!!!!」
「ルプ!威嚇しちゃだめ!」
「おっと、おとなしくすると思って、圧掛け過ぎたか。」
ゲラゲラ笑うルプにユラは頬を膨らませるが、ニコッと微笑む。
「ルプありがとう、もう大丈夫だよ、ね、猫ちゃん♪」
「だだだだだいじょうぶ!?」
「うん、ほら。」
ユラが言うと、周りに少女達が、そして夢や三珠、デンハも微笑む、勿論毛玉を掴んでいるマクリは既に力を弱め、手に載せてるだけだ。
「迎えに来たよ、喧嘩した家族も心配してるよ?」
「・・・」
「帰る?」
「・・・」
「帰るよなぁ?」
黙る毛玉に声を掛けるルプ。
「ぎにゃあああああ!!!かえるぅぅぅぅ!!!おかあさああああん!!!」
「ルプ!」
「一件落着だろ?」
「もう!」
カッカッカと笑いながら言うルプ、更に震える毛玉、呆れる少女達、そしてコレで報酬が貰えると喜ぶ異世界猫軍団と野良猫たちだった。
-------------------------
工場から出た一行は、すねこすりの毛玉猫をしっかり抱えたまま町の商店街を抜け、文房具屋の前に立った。
「ただいま戻りましたー!」
扉を開けると、奥からタケさんが現れる。
「おお、見つけてくれたか。わしの可愛い隣人をなぁ。」
毛玉はタケさんの前でピョンと飛び降りると、狸爺さんの足にすり寄った。
「ぎにゃあ~・・・おかあさんのとこかえる~!」
「はいはい、もう心配かけるなよ~。」
タケさんは優しく撫でる。
「ほれ、お前達、アルバイト代だ・・・ところでその猫たちは?」
「この子探すの手伝ってくれた子達だよ。」
「「「「「にゃー。」」」」」
「ほほほ、お前達にも報酬だな。」
タケさんは裏へ行くと、袋を手に出て来る。
「「にゃーーーっ!!!」」
野良猫軍団が目を輝かせて群がる。
「ほれ、ぢゅーるだ、好きだろ?」
「おじさんわかってるー♪」
ぢゅーるをもらい、幸せそうに舐める猫たち。
「それじゃ私たちもかえろー。」
「ユキとレイも来るでしょ?」
「うん、お母さんには連絡したから大丈夫。」
「私もー♪」
皆はそう言うと、タケと野良猫たちにお礼を言い、家へ帰る、勿論途中で異世界猫軍団の報酬も忘れていない、そして異世界へ戻った面々は・・・
「はい、ご褒美はコレ!」
ユラが取り出したのはぢゅーるの山盛りと、銀色に輝く高級猫缶。
「にゃーん♪」
「これは・・・絶対に美味しいやつです!」
「吾輩はコレが良いにゃ!」
「ゆ、ユラ様、よろしいのですかニャ!?」
異世界猫軍団は尻尾をブンブン振りながら大騒ぎだ。
こうして今回の「迷子猫探し大作戦」は、ぢゅーると高級猫缶の勝利で幕を下ろしたのであった。
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「ルプおつかれー。」
「楽しかったぞ。」
「そう?んじゃお礼いらない?」
千春に言われ、ルプはチラッと千春を見る。
「・・・いる。」
「あはは、はいどうぞ♪」
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