異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

芋ほり大集合!

「あ、やべ、バレた。」
 千春はスマホを見ながら呟く、頼子のスマホにも通知が来ていた。

「だれ?」
「ミオ。」
「おうふ、一番うるさいのにバレたね。」
「げ!これグループ通知じゃん!」
「あ~、みんなにバレたか。」
 千春と頼子はさつまいもの土を取りながら呟く。

「チハルおねーちゃん!ヨリおねーちゃん!ほらー!」
 ユラは大きなさつまいもを手に、2人に見せる。

「うわぁでっかーい!」
「これは大きいね。」
「んふー♪」
 嬉しそうにユラは千春の横に座ると、大きなさつまいもの土を落とす。

「千春。」
「なに?おかぁさん。」
「迎えに行って来るわね。」
「誰を?」
「ミオちゃんたち。」
「え?来たの?」
「来たわねぇ。」
 そう呟くと、春恵は車に乗り込む。

「おかぁさん!私たちの移動どうするの!?」
「大丈夫よ~。」
 手を振り春恵は車で走っていく、千春は車を見たまま立ち尽くす。

「えぇぇぇ・・・」


-------------------------


「レナ、チハルとヨリ、芋ほり行ってるって。」
 美桜は千春の部屋に入って来た麗奈に言うと、麗奈はサリナを見る。

「マ?」
「はい、ユラ様、エンハルト殿下、アリンハンド様を連れ行かれました。」
「ね。」
「マジか。」
 麗奈はスマホで声を掛ける、すぐに青空達からも連絡が入る。

「皆来るよ。」
「でもあっち行けないじゃん。」
「大丈夫だって、アイトn・・・」
『呼んだー!!!!????』
「見てました?」
『もちろん!日本に行くんでしょ♪』
「はい!お願い出来ますか?」
『良いわよ♪』
「アイトネ様なんでそんなにウキウキなんです?」
 麗奈と話すアイトネに美桜が問いかけると、アイトネはニヤリと笑う。

『チハルがね、パウンドケーキとか、タルトとか、ぶりゅれとか、もんぶらんとかー、ハルもスイートポテトパイとか、芋羊羹とか作るって言ってたの!あとフミエのダイガクイモ!』
 両手を握りしめ、力強く答えるアイトネ、するとフォローするようにサリナが答える。

「アイトネ様、チハル様は戻って作られるかもしれませんよ?」
『んーん!フミエと作るイメージ見えたもの!』
「当たり前にチハルの思考読んでるの草なんだけど。」
「神聖女だからプライバシーガバガバだね。」
 呆れたように呟く美桜と麗奈、そして直ぐにいつものメンバーが集まると、アイトネは異世界の扉の前に行く。

『さぁ!みんな行くわよ!』
 何故か気合を入れるアイトネに大愛が呟く。

「そんなみんなで行っても変わらないんじゃ・・・」
『手分けをすれば梨や葡萄も取れるわ!』
「え?ブドウ狩りも出来るんですか?」
『ハルが出来るって言ってたわよ?』
「梨も?」
『ええ、ハルが考えてたもの。』
「・・・母娘揃って思考読まれまくりだね。」
 麗奈はそう呟き日本に戻る、そして玄関を開け、裏庭の鳥居の前に行くと春恵が立っていた。

「いらっしゃい。」
「ハルお母さん、待ってたんですか?」
「ええ、アイトネ様から連絡あったから。」
 春恵はそう呟くとアイトネを見る、アイトネはニコッと微笑むだけだ。

「お母さんにも伝えたので、葡萄狩りと梨狩りも出来ますけど、移動手段が・・・」
『大丈夫よ♪』
 そう言うとアイトネは春恵の後ろにある鳥居を見る、鳥居からちょうど人が・・・いや、神が出て来る所だった。

「宇迦之御魂様・・・」
 春恵は頭を下げる。

「美味しい供物が貰えるって聞いて♪」
「えーっと・・・はい。」
 全てを把握した春恵は頷き答える、そして皆は鳥居を通ると、源治の家に着く。

「みんないらっしゃい。」
 文恵は皆を出迎える、すると宇迦之御魂が話しかける。

「畑の方は?」
「ええ、梨と巨峰は連絡したのでいつでも行けますよ。」
「ありがとうフミエ、それじゃ・・・」
 宇迦之御魂は青空と大愛と花音を見る。

「あなた達は梨ね。」
「「「え?」」」
「今梨良いなって思ったでしょ?」
「思いました。」
「はい、思いました。」
「・・・はい。」
 宇迦之御魂はニコッと微笑むと、3人の手を握る。

「ついてらっしゃい♪」
 そう言うと3人を連れ鳥居ゲートに入って行った。

『はい、ヒマリとミオは巨峰ね♪』
「・・・」
「はい・・・」
 アイトネは2人の手を掴むと鳥居ゲートに吸い込まれて行った。

「・・・え?私は?」
 残された麗奈が春恵を見る。

「芋ほりって思ったでしょ?」
「・・・はい、えええ、神様達ナチュラルに思考読むのやめません!?」
「早くて良いでしょ、さ、みんな待ってるわ、宇迦之御魂様が畑に鳥居を設置してくれたから一瞬よ♪」
「ウワーベンリダナー。」
 空笑いで答える麗奈。

「私は葡萄がよかったわぁ~。」
 麗奈の肩にちょこんと乗ったリリが呟く。

「沢山採って来るだろうから、食べ放題になるよ。」
「ホント?」
「多分ね。」
 春恵は頷き麗奈の手を取ると鳥居へ消えて行った。


-------------------------


「やほーチハル♪」
「え?なんでここに鳥居あんの!?」
 急に現れた鳥居と麗奈に驚く千春。

「ウカ様がつくったんだよ。」
「え?いつ?」
「今らしいよ、おー!すごおお!芋だらけ!」
 籠に沢山入ったさつまいもを見て麗奈が声を上げる。

「すごいっしょー。」
 頼子は、ユラがさっきとった大きなさつまいもを見せる。

「でかっ!!!」
「ユラがとったのー!」
「すごーい!ユラちゃんサツマイモ掘りのプロじゃん!」
「プロなの?」
「うん、プロフェッショナルだよ。」
 何故かハイタッチで喜び合う2人、千春は軍手を麗奈に渡すと、麗奈は軍手を付ける。

「ユラがおしえてあげる!」
「お、プロに教えてもらおうかな!」
「こっちだよ!」
 ユラは麗奈の手を取り畑に突撃する、畑ではエンハルトとアリンハンドが畝に鍬を入れ、取り残したさつまいもを掘り返していた。

「・・・王子様が畑仕事してる。」
「レナ、来たのか。」
「良いんですか?王子様が畑仕事なんかして。」
「別に良いだろ、楽しいぞ?」
 軽く額の汗を拭うエンハルトと、疲れ切ったアリンハンドを見て麗奈はクスクス笑う。

「アリンさん、私が続きやりますから、あっちで休憩してください。」
「いえ!まだ出来ます!」
「おー、嫁の前ではへこたれないかー。」
「・・・ソウイウワケデハナイデス。」
「ここは土を上げてるからすぐに獲れるぞ。」
 エンハルトが指差す、ユラはニパッと笑い麗奈の手を取る。

「こうやるのー!」
 ユラは慣れた手付きでさつまいもの蔓の根元を手にする、後ろにはさりげなくルプがサポートに着く。

「見せてもらおうか!プロの手際を!」
 声色を変えながら麗奈が言うと、ユラはさつまいもを引き抜いた。





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