異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

命名!

「美味しいかー?」
「わん!」
「わふ!」
「わぉん!」
「ドラゴン姿でワンって変な気分だね。」
 千春は3匹のワンコドラゴンにドッグフードを与えていた、3匹は美味しそうにドッグフードを食べている。

「産まれたてだからミルクじゃないの?」
 頼子はワンコドラゴンを見ながら言うと、千春が答える。

「なんでも食べるらしいよ。」
 千春はそう言うと、テーブルで人型になったまま料理を食べるおっさんを見る、おっさんと同じテーブルにはパパさんズが座っていた。

「へぇ、学者だったのか。」
「この世界の学者はどんな事を学んでいたんだろうな。」
 勇と大樹が問いかけると、おっさんが答える。

「・・・魔術や魔法、世界の成り立ちや星、生物の進化、考えられるあらゆるもの事だな・・・しかし!飯が美味い!これはなんなのだ!?」
 黙々と食事をとるおっさんが驚きながら叫ぶ。

「料理の学問はなかったの?」
 千春がおっさんの横で問いかける。

「ないな・・・いや、あったのかもしれないが、俺は知らない・・・これは学ぶ必要があるっ!」
「料理ならいくらでも教えるよん♪」
「先生と呼んで良いか?」
「チハルって呼んでください♪」
「・・・チハル様。」
「様いらないんだけどなぁ。」
 あははと笑う千春とおっさんは真面目な顔で問いかける。。

「それで、料理学とは?」
「そんな大袈裟な物じゃないけど、料理は科学だからね、食材の化学変化、調理で変わる栄養や風味の変化、それと実践技術、火加減とか調味料の基本、あとは栄養学、必要な栄養とバランスを考えた調理だね、それから衛生管理も必須だね。」
 千春は人差しを立てながら言うと、おっさんはフムフムと頷く。

「ま、それは置いといて、冷めると美味しさ半減するからそれ食べてからまた教えるよ。」
「それは困る!」
 おっさんはそう言うと食事を再開した。

「千春、この人の名前は?」
「しらなーい、名前あるの?」
 千春が問いかけると、おっさんが頷く。

「ふろほりっふほいう。」
「なんて?」
 口をモゴモゴと動かしながら話すおっさんに千春が突っ込む。

「フロドリックだ。」
「カッコいいな。」
「チハル~♪この子達の名前は~?」
 千春に問いかける美桜。

「みんなで考えるよ。」
「ワンコならポチかな。」
「レナ・・・安直すぎ。」
「えー、んじゃ何?」
 青空に言われ麗奈が問いかける。

「ポチ!」
「ポチから離れなよ、この子丸いからマル!」
「えー、茶色いしこの子はモカとか?」
「ねぇこの子達オス?メス?」
「あ、それ知らない、誰か分かるかな。」
「ドラゴンなら分かるのかな。」
「ロイロちゃんは居ないの?」
「王都に行ってるから居ないね。」
 千春はそう言うと、子供ドラゴンの先輩であるゼルとミカを見る。

「わからないわよ?」
「俺もわからないな。」
「ドラゴンでも分からないんだ。」
「大きくなったらわかるのかな。」
 ゼルの飼い主大愛と、ミカの飼い主青空が呟くと、千春はルプを見る。

「ルプわかんない?」
「わからねぇな、ビェリーわかるか?」
「わからんばーい。」
「確実にわかる方を呼んでみてはどうですか?」
 コンが美桜の横で答える。

「そうだね、アイt」
『呼んだー?』
「呼んだー、この子達オス?メス?」
 千春が問いかけると、アイトネはそれぞれを見る。

『この子はオス、この子もオス。』
 灰色で丸い子と細身で茶色の子を指差す、そして。

『この子はメスね。』
 淡い緑の鱗を指差し教える。

「はい!この子の名前決めまーす!」
 千春はドッグフードを食べ終わった灰色の子を抱きかかえる、バスケットボール程のドラゴンは見た目よりも軽く、千春は軽々と抱く。

「ポチ!」
 変わらず麗奈が言うと、青空が言う。

「えー、マルがいいー。」
「小太郎とか良くない?」
 日葵は灰色の子ドラゴンを見て言う。

「めっちゃ日本名じゃん。」
「いいじゃん、こっちじゃレアでしょ。」
 麗奈、青空、日葵がそう言うと、千春は床にドラゴンを置く。

「三人で呼んでみてよ。」
「ぽち!」
「まる!」
「こたろー!」
 三人は手を叩きながら灰色ドラゴンを呼ぶ、ドラゴンはキョロキョロと見回すと、日葵の方へ向かって行った。

「はい!小太郎ね、次この子。」
 千春は茶色の子を抱える、そして名前付けが続けられた。


-------------------------


「それじゃ魔術も?」
「そう言う事ならアリン君も連れて来て話をしてみたいな。」
 大樹と勇はフロドリックと話す。

「俺も色々な話を聞いてみたい。」
「時代も変われば考え方も変わるだろうし、失った魔法や技術もあるだろうからね。」
「新しい魔法もあるだろうし、そうだね、アリン君も呼んで話をしてみよう。」
 パパさんズはこれからの事を話始める、暫く話をしていると、花音の父、拓哉が入って来た。

「皆さんお揃いで。」
「タクヤさんお疲れ様です。」
「先生の様子はどうでした?」
 綾音の定期的な診断で来ていた拓哉に大樹が問いかける。

「驚く程順調だね、環境も良いし、魔法がある安心感なのか精神的にも問題なかった。」
「それは良かった。」
「それで?その方は?」
 拓哉は食事が終わり、不思議そうに拓哉を見るフロドリックを見る。

「千春が救った魂をドラゴンに転生させたフロドリックさんですよ。」
「ああ、この人が・・・ドラゴン?」
「魔法で人に変化してるんだ。」
 勇が答えると、大愛の父誠も答える。

「色々な知識を持っているんだ、人からは賢者と呼ばれ、魔法も詳しいよ。」
「へぇ、それは興味深い。」
 拓哉が言うと、フロドリックが問いかける。

「この方は?」
 フロドリックの問いかけに青空の父翔平が答える。

「医者だよ、医学を学んで人を助ける職業なんだ。」
「魔法か?」
「いや、魔法を使わず治すんだよ。」
「そんな事が出来るのか。」
 感心するフロドリックに拓哉は笑みを返す。

「それで、フロドリック君は生まれ変わって何をするんだい?」
「学びを続ける、俺の生きる道だ。」
「そうか、その学んだ力は何に使うんだい?」
 拓哉は顔色を変えず、淡々と問いかける。

「・・・使う・・・?」
「ああ、賢者と言われる程だ、魔法の力も凄いんだろう、そしてドラゴンの体に生まれ変わった、君は世界を救う事も破壊する事も出来るんじゃないか?」
 拓哉の言葉にパパさんズはフロドリックを見つめる。

「・・・ああ、そうか、俺は力を手に入れたのか。」
 呟くフロドリック、千春達にも声が聞こえたのか、皆がフロドリックを見る、フロドリックは皆の視線を感じると微笑む。

「心配しなくても大丈夫だ。」
 フロドリックの視線の先には女神アイトネが居る、アイトネは微笑んでいた。

「世の理に反する事はしない、守るべきものの為にしか力は使わない、そして・・・」
 フロドリックはパパさんズを見る。

「知識を正しく使う者を見極め、それに従い生きて行く、女神に誓おう。」
 そう言うと、フロドリックは立ち上がり、アイトネの前に膝をつく。

「女神アイトネ様。」
『ええ、魂の言葉確かに受け取ったわ、あなたが迷い、力を誤った時には私が啓示を授けましょう。』
「有難き。」
 フロドリックは頭を下げたまま答える。

「フロドリックさん真面目だぁ。」
「わん!」
「ん?小太郎どうしたの?」
「わんわん!」
「モコ?どうしたの?」
「わぅ~ん。」
「ミントまで鳴きだしたよ、どうしたの?ミント。」
 ワンコドラゴン達が吠え始めると、アイトネは微笑む。

『ええ、あなた達にもちゃんと伝えるわ、困ったら呼びなさい。』
 アイトネの言葉にワンコドラゴンズが揃って吠えた。

「よかったねぇ。」
 千春が小太郎を撫でくりまわす。

「で?この子達どうするの?」
 頼子が問いかける。

「どうするってなに?」
「いや、誰が面倒みるのかなって。」
「・・・うちは居るからなぁ。」
 千春は横に座るルプを見る。

「うちも居る。」
 頼子はビェリーを撫でる。

「コンちゃんいるからなー。」
「私もゼルがいる。」
「ミカがいる。」
「私もサンジュいるよ。」
 皆が言うと、麗奈が話す。

「私はリリとかアミとか精霊が付いてるからね、聖獣居ないのって・・・」
 麗奈の言葉に皆の視線が日葵に行く。

「・・・え?私!?」
「ヒマリって聖獣居ないよね。」
「クゥクゥいるよ?」
「いや、妖精はみんなにくっついてんのよ。」
「そうそう、それに小太郎の名付け親じゃん?」
「ちょっとまって、モコはソラが付けたし、ミントはレナが付けたじゃん。」
「良いじゃん、ブルーワグ王国にドラゴン3頭いるってなると王様も喜ぶよ。」
「えぇぇぇ、それはそれで困るぅ。」
 日葵が呟くと、ワンコドラゴンズは日葵の手を舐める。

「・・・ドラゴンなのに仕草が犬なんだよなぁ、可愛いなぁ。」
 日葵は3頭のドラゴンを撫でる。

「「「わん!」」」
『よろしくって言ってるわ。』
 アイトネが言うと、日葵も頷く。

「うん、よろしくね。」
 日葵の言葉に、太い尻尾を振り回す3頭、こうして、3頭のワンコドラゴンの行き先も決まった。

「今日から日葵ママだね。」
「ママ!?ちょ、ちょっと待ってよ!」
 みんなの笑い声が部屋に響いた。




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