異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

王妃と王妃の秘密なお話!

「どうぞお入りください。」
 扉の前に立つ侍女がイショナ・ジル・ブルーワグ王妃に言うと、イショナはルペタと妖精シュシュを連れ部屋に入る。

「失礼致します。」
「いらっしゃいイショナ様。」
「マルグリット様ご機嫌麗しく。」
 微笑むイショナにマルグリットも微笑み返す。

「ルペタちゃん!」
「ユラちゃん!」
 王女2人はテチテチと小走りで寄り合うと手をつなぐ。

「チハルたちが色々面倒かけちゃってるわね。」
「良いのよ、そもそも聖女様の考えた事に文句を言える立場ではないもの。」
「あの子たちには言っても良いわよ?言わないともっと色々やるわよ?」
「・・・そうなの?」
「ええ♪」
 クスクス笑うマルグリットにイショナは軽く驚いた顔をして笑う。

「でも、よろしいのですか?」
「ドラゴン?ヒマリが連れて行ったんだから良いのよ。」
「でも・・・ルイーズ様に申し訳ないわ。」
「・・・そうね、モート連邦国としては面白くないかもしれないわね。」
 元帝国、連邦国の1つとして同盟を組むブルーワグ、そしてロラカリア、その一つの国にドラゴンと言う驚異が現れたのだ。

「ルイーズ様にも報告しなければいけませんわね。」
「ん~・・・話しに行く?」
「え?」
「この前来たのよ、この子を見に。」
 マルグリットはベビーベッドでコロコロと転がるチェラシーに視線を移す。

「急に行っては御迷惑じゃないかしら?」
「大丈夫よ、たまに行ってるから。」
「そうなの?」
「だって友達だもの♪」
 マルグリットは軽く笑って立ち上がる。

「エリーナ、モート連邦国に行くわよ。」
「はっ。」
「アルベル、陛下に伝えて来て頂戴。」
「はっ。」
「あとは・・・」
 マルグリットはベランダに出ると、笛を吹く。

「・・・?」
 笛を吹いたマルグリット、だが音が鳴らず、イショナは首を傾げる、マルグリットはそのまま空を見上げると、ベランダに影が映り、ドラゴンが現れた。

「あら、メグ、どうしたの?」
「例の話を進めようかと思ってるのよ。」
 ママドラはドラゴニュートの姿になるとベランダに降りて来る。

「いいの?」
「ええ、例の卵が孵化したでしょう?」
「ああ、ブルーワグに行く事になった子たちね。」
「ええ、いいタイミングだと思うのよ。」
「そうね、それじゃ行きたい子を連れて来るわ、何頭くらい連れて行くのかしら?」
「お任せするわ。」
「それじゃ連れて来るわね。」
 ママドラはベランダから飛び降り、ドラゴンの厩舎へ向かう、マルグリットは微笑み部屋に戻る。

「・・・何の話なのかしら。」
 イショナは問いかける、簡単に話をしていたが、国ぐるみで大きな事が起こるのだろうと思いながら。

「他国に遊びに行きたいドラゴンが数頭いるのよ。」
「他国に?・・・それで?」
「人とのふれあいに慣れたドラゴンが他国に移住するとどうなると思う?」
「・・・貴族が囲むわね。」
「ええ、出来ればドラゴン達には好きにしてほしいけれど、国としては怖い事になりかねないわ。」
「ええ。」
「それで、同盟を組んだ国なら遊びに行けるように出来ないかって話をしてたのよ。」
「・・・それで、モート連邦国に?」
「そ、ルイーズにはその件の話をしているわ、でも、他の国の兼ね合いもあるでしょう?」
「その話をしている間に、ブルーワグへドラゴンが・・・ということ?」
「そう言う事、それならモート連邦国、ルイーズ女王の元にドラゴンが居ても良いと思わない?」
「でも、他国に遊びに行きたいドラゴンって何?」
 ママドラとの話を聞いていたイショナが問いかける。

「人間の食事を気に入ったドラゴンが、他国の食事にも興味を持っているのよ、でも、ドラゴンが他国に飛んで行けばどうなると思う?」
「・・・無駄に反撃するか混乱するでしょうね。」
「そう、そしてジブラロールとしても他国へドラゴンを派遣するなんて出来ないわ。」
 話の内容は重いが、マルグリットは笑いながら言う、そして。

「モート連邦国は神モート様の目もあるわ、滅多な事は起こらないもの。」
「神モート様はそれを良しと?」
「ええ。」
 マルグリットはチェラシーを見ながら話しかける。

「モート様、聞こえますか?」
 マルグリットが言うと、モートが現れる。

「ああ、どうした?」
「ルイーズの所へドラゴンを送る事になりそうです。」
「そうか、俺は見てるだけだがな。」
 フッと笑いを見せるモートにマルグリットも微笑む、そしてモートは消えた。

「見てるだけと言ってましたわよ?」
「ええ、見てるのよ・・・神が。」
 マルグリットの言葉を理解したイショナは真顔になり頷く。

「貴族の抑止力としては十分ですわね。」
「ええ、モート連邦国にはルイーズ女王の元にドラゴンとモート様、ブルーワグには聖女ヒマリとドラゴン、ヒマリに何かあればアイさんが黙ってないわ。」
 マルグリットの言葉にゴクリと唾をのむイショナ。

「・・・その、ロラカリアとデサッバ・ルブの方にはどう説明をされるので?」
「説明はいらないでしょう、近々ロラカリアとデサッバにもドラゴンが遊びに行くようになるわ。」
「え?」
「ロラカリア国のチェリーサ・モン・ロラカリア女王はチハルの友達、しかも女神からの称号も貰ってるわ、間違いなく良い子よ。」
 微笑むマルグリットにイショナは目が点になる、そして。

「デサッバ・ルブ国もチハルが改革してるわ、デサッバの貴族でチハルに物言いを付けれる者は居ない、チハルは貴族の前で女神アイトネ様を顕現させたのよ?」
 マルグリットの言葉に頷くイショナ。

「ジブラロールの同盟国でドラゴンを悪用しようとする貴族は・・・」
 微笑みながら、首に手を当てて引く仕草をする。
 イショナは頷く、そして同盟国の中で一番問題が出そうな貴族は・・・

「ブルーワグの貴族が一番危ないわね。」
 思わず呟くイショナ。

「ええ、そしてドラゴンを使役するヒマリが狙われるでしょうね。」
 マルグリットは平然と答える。

「それは困るわ!」
 イショナが立ち上がり言うと、マルグリットは頷き答える。

「フフッ、それじゃあ・・・ブルーワグの貴族、どう料理しましょうか♪」
「え?」
 マルグリットは空気を切る様な音を耳にするとベランダを見る。

「連れて来たわよ。」
 ママドラは10頭のドラゴンを引き連れ降りて来る。

「多いわね。」
「みんな楽しみにしてたみたいなのよ♪」
「それじゃモート連邦国に行きましょうか♪」
 楽し気に言うマルグリットはイショナに言うと、ユラとルペタに声を掛ける。

「ユラ、ルペタ、出掛けて来るから良い子にお留守番してて頂戴ね。」
「「はーい!」」
 2人はニパッと微笑み返事を返した。






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