異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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神託と王命!

「お待たせしました!」
 フェアリーリングのある庭園に集まるデサッバ・ルブの人達、勿論ツィガス男爵領へ救援するための人達だ。

「ご指示通り人員や物資を集めております、ツィガス男爵領までは馬車で5日ほどかかります。」
「それは大丈夫ですよ、女神様の奇跡で現地に飛びますから。」
「・・・え?」
 騎士は千春の言葉を聞き返す、それをスルーするようにエンハルトが千春へ話しかける。

「チハル、妖精達はフェアリーリングを作ったら戻すんだよな?」
「うん、妖精は影瘴病と相性悪すぎるらしいから、すぐに消毒してデサッバのフェアリーリングで待機してもらうよ。」
 こちらで言うマナが生命力でもある妖精達、瘴気を浴びれば不調を起こす妖精達は臨時的な移動のみの支援を行う予定にしていた。

「わかった、俺は後で追いかける。」
「うん、例の話を王様とするんだよね。」
「そうだ、数人の竜騎士と、ここに来るドラゴン達でシラヴェス子爵領へ行く事になるだろう。」
「ハルトは行かないよね?」
 心配そうに千春はエンハルトの手を握り言う、エンハルトは千春に微笑み答えた。

「ああ、俺は話しが終わればツィガスに行くから心配するな。」
「うん、わかった。」
 2人は話しが終わると手を離しエンハルトは王城へ、千春は皆の方を向く。

「アイトネ、そっちの竜騎士団とドラゴン以外は皆ツィガス男爵領にお願いします。」
 千春はアイトネを見つめる。

『それじゃ行くわよ~♪そ~れ♪』
 アイトネが手を振ると、庭園に光が広がる、そして一瞬にして皆は姿を消した、エンハルトは足を止め光を見つめる、だがすぐに王城へ入って行った。


-------------------------


「・・・と言うのが今回の原因です。」
 エンハルトはデサッバ王、ジーアスへ影瘴病の引き金を伝える。

「シラヴェス子爵か、たしかにあ奴らは派閥も違う、だがそこまでとはな。」
「シラヴェス子爵領へ行き証拠を掴み、身柄を拘束、その為の戦力は待機させています。」
 エンハルトは外に待機する竜騎士団とドラゴン達の話を進める、だがジーアスは首を振る。

「いや、証拠はいらない、聖女様が女神アイトネ様からお聞きしたのだ、これ以上の証拠は必要ない、それに・・・」
 ジーアスはエンハルトを見る。

「はい、私も女神アイトネ様から直接聞きました。」
「その場で切り捨てても問題無いが、それでは生ぬるいな。」
 ジーアスはそう言うと宰相と目を合わせる、宰相は頷き部屋を出て行くと、すぐに戻って来た。

「お呼びでしょうか陛下。」
 宰相と一緒に男が入って来る、そしてエンハルトと目が合うと男は頭を下げる。

「お久しぶりで御座います、エンハルト殿下。」
「・・・グロート?」
「はい、その際はお世話になりました。」
 グロートはもう一度礼をする、デサッバ・ルブを立て直したいと気炎を上げていた男だ。

「グロート、シラヴェス子爵の身柄を拘束し、連行せよ。」
「はっ、陛下。」
「グロート殿。」
「はい、エンハルト殿下。」
「外に竜騎士とドラゴンが居る、使ってくれ。」
「宜しいのですか!?」
「ああ、構わない、シラヴェス子爵領までは馬車で8日はかかると聞いている、ドラゴンであれば3~4時間で行けるはずだ。」
「そんなに早く!?」
「ああ、竜騎士団団長フィークスに指示をすれば良い。」
「はっ!了解しましたっ!」
 グロートは深々と礼をすると、宰相は革で作られた紙をジーアスへ渡す。

「陛下。」
 宰相に渡された紙とペンをジーアスは手に取ると魔力を込める、ペン先が光りジーアスは書き始めた、そして書き終わると宰相は筒に入れグロートへ渡す。

「その令状を見せる必要も無いが・・・」
 ジーアスが呟く、グロートはそれを聞き眉間に皺を寄せた。

「貴族を拘束致しますので・・・」
「ああ、通常ならばな、今回は聖女様が女神様より神託を受けておる、令状も証拠もいらぬ、逆らう様であれば手足を切り落としてでも連れて来い。」
「はっ!!!」
 ジーアスの怒るように絞り出す言葉にグロートは返事を返し部屋を出て行った。


-------------------------


『とうちゃ~く♪』
「ここが領都邸?」
 千春は目の前にある邸宅を見ながら呟くと、デサッバ騎士が頷く。

「はい、ツィガス男爵家です、こちらへ。」
 騎士に案内され屋敷の前に行く、そして扉を開ける騎士。

「コンコンしなくていいのかな。」
「さぁ?わかんないけど。」
 平然と扉を開ける騎士に美桜、麗奈が呟く、すると若い執事が声を掛けて来る。

「お早いお付きで!」
「ツィガス男爵は?」
「はい、すぐにお呼び致しますが・・・その・・・ご主人様も病に。」
 執事は申し訳なさそうに言うと、千春が騎士の横からピョコっと顔を出し執事に言う。

「あ、ついでに治療するんで連れてきてもらって良いですか?」
「え?・・・貴女は?」
「聖女で~す♪」
「あなた方が!?失礼致しました!!!」
 そう言うと執事は頭を下げ、侍女達に指示をする、侍女は恭しく千春達を応接間へ案内する。

「執事さん私の事知ってたんです?」
 騎士に問いかけると、騎士は頷く。

「はい、先日魔導通信でツィガス男爵へ連絡をしております。」
「あ、急な来訪じゃないんだ、良かった。」
 千春はニコッと微笑む。

「チハルおねーちゃん、病気の治しかたはこれでいいんだよね?」
 ユラは手の平を広げ、魔力を込めると青白い光が零れる。

「そそ、上手上手♪あ、そうだ、ユラ、レン、イーナ、男爵さんも罹っちゃってるらしいから練習してみる?」
「いいの?」
「良いのですか?」
「やるのです!」
「今日はいっぱい治療するから魔力使いすぎには気を付けてね。」
「「「はーい!」」」
 元気いっぱい幼女聖女達は手を上げ答える、そして応接間に入ると聖女達皆が座れる大きなソファーに促される。

「少々お待ちください。」
「あ!ちょっと待って!」
 千春は侍女をジッと見つめる。

「ヨリ、見える?」
「うん、見える、アイトネ様何かしました?」
 姿を消しているアイトネに頼子が問いかける。

((影瘴病は瘴気視で見えるから皆に見える様にしてるわ~♪))
「デスヨネー、ユラたちも見える?」
「みえるー。」
「見えます。」
「みえるのです。」
「それじゃ患者第一号は侍女さんで。」
 侍女はオロオロとしているが、千春の手招きされ膝をつく。

「あなたも影瘴病に罹っちゃってるから治療するね。」
「え?症状は出ておりませんが。」
「かかりたてほやほやかな?誰がやる?」
 千春は幼女聖女に問いかけると、ユラが手を上げる。

「はい!」
「はい、ユラやってみよー、執事さんもモヤってたから執事さんも治療してね。」
「「「はーい!」」」
 3人は返事を返す、ユラは両手を広げ侍女の前に行くと魔力を溜める、そして青白い光を侍女の額に当てると、光りは吸い込まれる様に侍女に流れる。

「・・・綺麗。」
 侍女は思わず呟く、そして光が消えた。

「アイトネ、どう?」
((上手よ♪))
「やったぁ♪」
 ユラにも聞こえるアイトネの声、ユラはニパッと微笑む。

「次は私がやってみます!」
「イーナも!」
「がんばれ!」
 気合を入れる幼女達にお姉さん組は微笑み応援した。



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