異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

聖女たち、駆ける!

「あ!ソラとダイアだ!」
 ロイロの背に乗りツィガス領都へ戻っていた千春は、ゼルとミカに乗る2人を見つける、青空と大愛も千春に気付いており手を振っていた。

「チハルおつかれー!無事終わったよー!」
 青空は嬉しそうに言うと、千春も頷き答える。

「こっちも終わりー♪2人もお疲れ様♪」
「魔物強かった?」
「うん、強かった・・・よね?」
 千春は横を並走するように空を駆けるルプを見る。

「強かったぞ、アレが領都に来ていれば結構被害が出ただろうな。」
「ロイロの魔法がヤバかったばい。」
 ビェリーが言うと、青空が問いかける。

「ロイロちゃんの魔法?」
 青空はそう言うとロイロを見る、千春はクスッと笑い答えた。

「テングラ砲使ったんだよ。」
「「はぁ!?」」
「あ、劣化版らしいんだけど、魔物が弾け飛んでたわ。」
「マジか。」
「凄いなロイロちゃん。」
 青空と大愛はロイロにいうと、ロイロは何でも無い様に領都を見る。

『試しに使っただけじゃ、使う機会もそうそう無いじゃろ、ほれ、もう着くぞ。』
 ロイロに言われ3人は領都を見る。

「それじゃあとは結界かな。」
 千春が言うと、2人も頷く。

「みんなも頑張ってんだろうね。」
「魔力大丈夫かな。」
「泉の水補充したし大丈夫っしょ。」
 3人はドラゴンの背で呟き、領都の中央、頼子の待つ広場へ向かった。


-------------------------


「ヨリー!」
「おー!おかえりー!」
 ロイロはバサバサと翼を広げゆっくりと広場へ降りて来る、千春は慣れた様にピョンと飛び降りると頼子の前に行く。

「こっちの進捗は?」
「結界の方はもう準備オッケー、あとは皆待ちだよ、ソラ、ダイアお疲れ。」
「ヨリもお疲れー。」
「準備大変だったっしょ。」
 皆はそれぞれを労いながら話をする、すると皆のスマホから通知音が鳴る。

「ん?」
「お?LIMEじゃん。」
「何か有ったのかな。」
 4人は同時にスマホを起動しLIMEを開く。

「「「「!?」」」」
 驚く4人にアリンハンドが問いかける。

「どうされました?」
「アリンさん!ちょっと教会に行って来る!」
 頼子が言うと、千春は既にルプの背に乗っていた。

「ヨリ!こっちに!」
「サンクス!」
「ゼル!」
「ミカ!」
 青空と大愛もドラゴンの背に乗ると、教会に向かって飛んで行った。


-------------------------


「・・・くっ。」
 美桜はベッドに寝ている老婆に魔法をかける。

「ヒール!」
 老婆の胸に手を当てヒールを掛けるが、老婆は動かない。

「ミオ!」
「レナ!このおばあちゃん心臓止まっちゃった!」
「回復は!?」
「ダメだった!」
「影瘴病は・・・無いね。」
「うん、影瘴病は祓ったんだけど・・・。」
「他の病気が影瘴病で酷くなったのかな。」
 目を瞑る老婆を2人は見つめる、そして麗奈はもう一度美桜に問いかける。

「回復はしたんだよね?」
「した。」
「・・・チハルの技使うか。」
「チハルの技?」
 美桜はそう言うとハッと目を開く。

「アレか!」
「うん、ワンチャンあるっしょ♪」
 そう言うと、麗奈は老婆の胸に手を当てる。

「・・・必殺!AED!」
「殺すな殺すな。」
「いや、チハルの呪文みたいなもんじゃん。」
 そう言うと麗奈は魔力を軽く溜め魔法を当てる。

「・・・うっ。」
「「キターーーーー!!」」
 老婆は小さく声を漏らすと目を開け、美桜と麗奈を見つめる。

「おや、ここが天国かい、可愛い天使様がいるよ。」
「人ですよー。」
「おばあちゃん生き返ってるよー。」
 老婆の言葉に思わず嬉しくなった2人は老婆に答える、その時部屋の外から声が聞こえた。

「聖女様!!!」
 声の主は聖女を呼びながら近づき扉を開ける。

「聖女様!こちらにいらっしゃいましたか!」
「はい!どうしました?!」
「患者の容体が!」
「ええええ!!!」
「そっちも!?」
「申し訳ありません、年寄りが多いので・・・体力がついて行けなかったのかと。」
「わかりました直ぐに行きます!」
「おばあちゃん、生き返ったばっかりだから安静にしててね!」
 2人は老婆に手を振り部屋を出る。

「どの部屋ですか?」
 麗奈が言うと、教会の者が言い難そうに答える。

「2の部屋に2人、4の部屋に1人、あと・・・」
「そんなに!?」
「レナ、ヤバいよ、結構魔力使ってる。」
「うん、私、泉の水2本飲んでる。」
「ウチもだわ・・・」
 2人は早足で歩きながら話す。

「・・・応援誰か来てくれるかな。」
 麗奈はそう言うとスマホを開く、そして。

(れ~な~)教会へルプ!急患多数!

「誰か返事してくれー・・・」
 麗奈は祈るように呟くと、すぐに通知音が鳴る。

(ちは~)秒でいく!
(よりすけ)すぐ行く!
(だいや)おけ
(SORA)おう!いくぜい!
(ひ~ま)こっちも終わったから向かう!
(カノン砲)影瘴病で臓器が弱って他の病気併発してるの確認、ヒールも良いけど世界樹の実も使って、こっちも同じ症状有り、年配者は肺炎の可能性、小さな子は脳症の可能性もあるから、心筋炎の場合は魔法で回復してからAED魔法で!

「よし!」
 通知を確認した麗奈と美桜は目を合わせ頷く。

「皆が来るまでもうひと踏ん張りしますかぁ!」
「うん、聖女が集まるんだから皆助けるよ!」
 気合を入れた2人は教会の者が案内する部屋に入ると、苦しむ老人と子供の治療にあたった。


-------------------------


 貴族の男は客と向い話す。

「順調そうだな。」
「はい、犯罪ギルドの者への報酬も渡し終わりました。」
 男が答えると、貴族の男は満足そうに頷く。

「男爵ごときが私に歯向かうから悪いのだ。」
 クックックと喉を鳴らしながら笑う貴族の男。

「それでは私は失礼致します。」
 男は立ち上がる。

「足はつかないだろうね?」
「はい、犯罪ギルドへの依頼も、流れの者を雇い指示させました、その者の処理も終わっています。」
「そうかそうか、うむ、よくやった、約束の報酬の残りも準備している。」
 貴族の男はパンパンと手を叩く、すると扉から執事が現れた。

「お呼びで。」
「ああ、彼に残りの報酬を渡してくれ。」
 貴族が言うと、執事は男を連れ部屋を出て行く。

「ふむ、これでこの事を知っている者は・・・誰もいなくなる。」
 ニヤリと笑う男、そう、ツィガス男爵領へ指示をしたシラヴェス子爵領主だ、そして隣の部屋から大きな物音と叫び声が漏れ聞こえる。

「ただの流行り病だ、王国もわかりはしない、病が消え落ち着いた所でツィガス領は我が領に取り込んでやろう、有難く思えツィガス。」
 シラヴェス子爵領当主、オイアス・シラヴェス子爵、あと数時間後にはブルーワグ国から来たグロートと、リィエン部隊長に捕まり、屋敷は竜騎士団のドラゴンに半壊されるとは夢にも思ってなかった。




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