異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

レイクサーペントの照り焼き!

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「チハルどうした?」
 空に向かって叫ぶ千春にエンハルトは声を掛けた。

「ハルト兄様ぁアイトネが要らない称号付けてくれたぁ。」
「何の称号だ?」
「聖女。」
「・・・・はぁ、もう驚かんぞ俺は。」
「どうしよう?」
「黙ってればいい、王女殿下に鑑定を掛けるバカは居ないだろ、俺も掛けられたことは無いからな。」
「そっか!言わなきゃいいんだ!」
「ただ父上と母上、タイキ様には言っておけよ?」
「なんでよ。」
「吃驚するからだ。」
 笑いながらエンハルトは千春に答える。

「まぁ冗談はさておき、聖女と言うのは場所によっては国王よりも立場が上になる、公表すれば立場が強くなるんだがー・・・、いらんな、まぁ帰ってから父上と相談しよう。」
「そうだねぇ、なんか面倒が増えたなぁ。」
「何を今さら、チハルに何が付いた所で変わらんだろ。」
 笑いながら話をしていると横からモリアンが話しかけてくる。

「えっとー、異世界人で、第一王女殿下で、聖女と言われて、名実ともに聖女になって、ドラゴンと契約してる?」
「あと女神様とお友達でお話が出来ますね。」
 モリアンとサフィーナは呆れたように千春の称号的な物を言い並べる。

「聞くととんでもない人物だな、それが俺の妹か。」
 エンハルトもハハハと呆れたように笑うしかなかった。

「チハルおねえちゃんはユラのおねえちゃん!」
「そだよーユラのおねえちゃんだよー。」
 テコテコ歩いて千春に抱き付くユラを抱きしめる。

「チハル喉が渇いたぞ、何か飲み物をくれ。」
「へいへい、ロイロって嫌いな物ある?」
「チハルが口にする物なら何でも食えると思うぞ。」
「了解、それじゃ中でお茶しよ、私もケーキ食べたいし。」
「まだあるのか?儂も食べるぞ。」
「さっき沢山食べたじゃん。」
「まだ有るなら食べる。」
「へいへい、ライリー!フィンレー!一緒にお茶するよー!」
 少し離れた所で様子を見ていた2人に声を掛け別荘の中に入る。

「さて、それじゃ日本のケーキは残り少ないので1人一個ねー、足りない人はルノアーさんのくれたケーキねー。」
 千春とサフィーナが出したケーキと侍女達が淹れたお茶でゆっくりお茶をしたり、水遊びをして夕食までの時間を過ごした。

--------------------------

「チハル王女殿下、夕食のご準備が出来ました。」
 侍女の1人が千春に声を掛ける。

「はーい、ユラちゃんいこかー。」
「はーい!」
 手を繋ぎ外に出ると侍女と近侍が肉を焼き準備をしていた。

「おー、全部やってくれてる。」
「そりゃそうだろう、昼の様にチハルがやる事が間違ってるんだからな。」
「いいじゃん、楽しいから。」
「そう思って俺も言わなかったんだけどな。」
 エンハルトも千春が楽しそうに料理する姿を見るのは好きだった。

「オークうまぁ。」
「儂にもくれ。」
「ほい、コカトリスもあるよ。」
「ほう?それも貰おう。」
 相変わらず人の姿で肉に齧り付くロイロを微笑みながら千春は見ていた。

「ロイロ帰って来た時大きかったじゃん、アレ魔法?」
「あぁ魔法で成獣まで体を大きくさせた。」
「あのサイズが大人なのかー、そいえば他のドラゴンは居ないの?」
「居るぞ?南の山に集落がある、儂はそのさらに奥の集落で生まれた。」
「帰らなくて良いの?」
「好き勝手生きてるからなぁ、別に構わんな。」
 モグモグと2人は食べながらドラゴン集落の話を続けた。

「チハル様、レイクサーペントを塩焼きにしてきました。」
「ありがと。」
 一口サイズのレイクサーペントをパクっと食べる。

「・・・・んー、ササミっぽいけど胸肉に近いな、臭みも無いし美味しい。」
 すっと立ち上がり肉のあるテーブルに向かう、そしてアイテムボックスから調味料を出す。

「よーし、照り焼きでも作るか。」
 サーペントを一口サイズに切り塩コショウを掛け片栗粉でまぶす。

「チハル手伝うわよ。」
「あ、サフィーそれじゃこれちょっと油多めで炒めてくれる?」
 片栗粉をまぶしたサーペントをサフィーナに渡し調味料を混ぜる。

「醤油~みりん~お酒~砂糖~はちみつ~♪」
 全部同じ量で混ぜ合わせる。

「チハルこんな感じかしら?」
「うん、良い色、それじゃこの調味料入れるから水分が半分くらいになるまで炒めてね。」
 フライパンにそのまま調味料を流し入れる。

じゅわぁあぁぁぁ!

「なんじゃ凄く良い匂いがしておるぞ?」
「嗅ぎつけるの早すぎでしょ。」
「チハルおねえちゃんおいしそう!」
「ココにも鼻の良い子がいたわ。」
 クンクンと匂いを嗅ぎに来たロイロとユラを見ながらお皿を用意する。

「チハル出来たわよ。」
「ほい、それじゃこのお皿に入れて。」
 お皿に盛り付け最後にゴマを上からパラパラと掛ける。

「はい!照り焼きチキンっぽい照り焼きレイクサーペントできあがりー!」
「わー!」
「美味そうじゃー!」
「作り方簡単だし肉もあるからもっと作ってもらおう。」
 そう言うと侍女達が直ぐに肉を切り作り出す。

「それじゃこれは私達が食べよう。」
「「「「いただきます」」」」
 千春、ユラ、サフィーナ、そしてちゃっかり横に居るモリアンが食べだす。

「いただきます?」
「食事前の挨拶だよ、食材と作ってくれた人に感謝をして食べる挨拶。」
「ほう、それではいただきますじゃ!」
 ロイロもフォークで刺しパクリと食べる。

「「うまあーい!!!!!!」」
 モリアンとロイロが叫ぶ。

「兵士さん達も食べないかなぁ。」
 そう言いながら兵士の方を見ると町の人が数人来ていた。

「どうしたの?」
 すぐ近くにいたエーデルに声をかける。

「どうやら町長らしいですな、レイクサーペントのお礼の様です。」
 エーデルが千春に答える。

「へぇ、お礼なんて良いのにね、余った肉だし。」
 すると数人が千春の方へ歩いてきた。

「私はこの町の町長をさせて頂いておりますクラガンと申します。王女殿下この度は貴重な肉を頂き有難う御座います。」
「いえいえ、お気になさらず、この量ですので余った物ですから。」
「有難く頂きます、お礼と言っては何ですが、此方をどうぞ。」
 町長の後ろから数人樽を持ってくる。

「これは?」
「エールとワインで御座います、もし宜しければ宴にお使いください。」
「有難う御座います。」
「あとこちらもどうぞ。」
 一緒に持ってきたのは果物と小さめの樽だ。

「この近辺で栽培している果物とその果汁で御座います。」
「おー!有難う御座います!」
 お酒が飲めない千春やユラはこっちの方が嬉しい。

「では、明日改めてお礼を。」
「お礼なんて良いですよ、この品有難く頂きますね。」
 町長は恐縮しながら去っていく。

「でもお酒多くない?」
「そうですなー、兵士に飲ますわけにもいけませんし。」
 腕を組んでエーデルも考える。

「なんじゃ酒か?儂が飲むぞ。」
「いや、多すぎでしょ、持って帰るかー。」
「兵士は飲まんのか?」
「仕事中だから飲めないってさ。」
「見張りか?結界でも張っておけば危険は無いじゃろ。」
「結界張れるの?」
「張れるぞ。」
 ロイロはブツブツと呟き手を上に翳す、すると半円状に建物ごとうっすらと光る膜に覆われる。

「すごっ、ドラゴンってこんな事出来るの?」
「ドラゴンの能力ではない、儂が昔使っていた結界魔法じゃ、これで魔物どころか人も入れんぞ。」
「へぇ、そう言う事らしいよエーデルさん。」
「ふむ、では最低限に兵士の見張りを減らして後は飲ませても問題無いか。」
「飲めない兵士さんにはお土産でお持ち帰りね。」
 エーデルは兵士に声を掛け酒を持って行かせる、そして肉も貰い宴会を始めた。

「チハル、レイクサーペントを食べたが美味しいな。」
「ハルト兄様もお酒飲んだら?」
「あぁそうだな、少し貰おうか。」
 千春は持ってきたウイスキーをアイテムボックスから出す。

「なんじゃそれは。」
「日本のお酒、ウイスキーだよ。」
「儂にもくれ。」
「いいよ、飲んで暴れたらアイテムボックスに閉じ込めるからね。」
「これくらいの酒で儂は酔わぬわ。」
 飲み方を知らない千春は瓶ごとロイロとエンハルト2人に渡し果汁の入った樽を持ってユラの所に行く。

「ユラちゃーん食べてるかーい。」
「チハルおねえちゃんこれおいしい!」
「サーペントの照り焼きだよ。」
 そう言って樽から果汁を注いでユラに渡す。

「オレンジっぽいけど混ぜて有るのかな、他の果物の味もする、美味しいわ。」
 オレンジジュースっぽい果汁を飲みながらレイクサーペントを食べる。

「チハルさん!これあっちでも作れます!?」
「作れるよ、鳥の胸肉に近いからね、鶏、コカトリスなら似たような感じになるね。」
「これは癖になる味ですたまりません!」
「そんなモリーに良い事を教えてあげよう、パンにこの肉とマヨを挟んで『照り焼きサーペントバーガー』にすると超美味いよ。」
 言うが間もなくモリアンは立ち上がりサフィーナに声を掛ける。

「サフィー!マヨない!マヨ!!!」
「有るわよ。」
「出して!あとパン!」
「はいはい、銀貨一枚ね。」
「ちょっ!ええええ!!!お金取るの!?」
「冗談よ、はい。」
 そう言うとサフィーナはマヨネーズの小瓶とパンを数個だす、ハンバーガーに出来る丁度いいサイズだ。

「サフィー愛してる!」
 そう言ってパンを切りハンバーガーを作るモリアン、そしてバクっと齧り付く。

「・・・・・うまああああああああああああああああああ!痛ああああい!!!!」
「久しぶりにサフィーのチョップ見たわ。」
「モリーおねえちゃんいたそう。」
 2人は痛さでうずくまりながらも照り焼きバーガーを食べるモリアンを見ながら呟いた。

「おいしいです・・・ぐすっ。」

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