異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

文字の大きさ
246 / 1,137
連載

ファンガスの天ぷら!

しおりを挟む
「ユラここにキノコ出してね。」
 千春は王都に戻り厨房でキノコを選別していた。

「はーい。」
 ユラはイーレンと2人でテーブルにキノコを並べて行く。

「さてとー、やっぱり山菜もあるし天ぷらかな。」
「テンプラにするの?」
 横からアルデアがのぞき込む。

「うん、私も好きだしお酒のツマミになるからねぇ。」
「へぇ、それで?このトリュフはどうするの?」
「どうしようかなぁ、やっぱりチーズにからめるかトリュフバターにしてトッピングかな。」
「へぇ、香りが強いものね。」
「うん、天ぷら揚げたら持って行くから向こうでゆっくりしてて。」
 アルデアと千春はトリュフを見ながら話す。

「千春おかえりー。」
「ヨリ、ただいまー。」
「なに?キノコ採って来たの?」
「うん、いっぱい採れたよ。」
 千春がユラとイーレンを見ると、生きたファンガスを手づかみにしていた。

「げ!このキノコ動いてんじゃん!」
「うん、魔物らしいよ。」
「大丈夫なの?」
「大丈夫らしいよ、紫と緑は毒があるって言ってたけど、他のは美味しいらしい。」
「食べるんかい!」
「あははw私も同じ事言ったわ。」
「何か手伝う事ある?」
「そうだね、ユラ達が出したキノコ洗ってくれる?」
「洗うの?」
「うん洗うの。」
「キノコは洗ったら風味落ちるって聞いたけど。」
「それは日本のスーパーで売ってるキノコね、山で採ったキノコは土も付いてるし虫も付いてる事あるから。」
「そりゃそうか。」
 頼子はザルにキノコを入れボウルに水を張ると洗っていく。

「チハル油に火入れますよ?」
「ほーいお願いー。」
 サフィーナは深いフライパンに油を入れ加熱する。

「千春何作るの?」
「天ぷらだよ。」
「ほほー、って今から?」
「お昼お菓子しか食べてないからねぇ、3時のおやつだよ、ヨリご飯食べた?」
「うん、食堂で軽く食べたけど、3時のおやつで天ぷらか、重たいな。」
「アイテムボックスに入れてたら夜も食べれるからねー。」
 衣液を作りながら千春は答える。

「千春これ油少なくない?」
 フライパンに数センチのほどの油を見ながら頼子が言う。

「フライヤーくらいの油なら温度が下がらないから良いんだけど、少ないならこれくらいが良いんだよ。」
 菜箸に衣液を付け油に落とすと音をたてながら浮き上がる。

「うん、イイ感じ、それじゃキノコの水拭いて並べてもらえる?」
「おっけ~♪」
「それじゃその間に先に山菜を揚げましょうかね~♪」
 千春は衣液を付けた山菜を揚げて行く。

じゅわわわわぁぁぁ!!!!

「うん、イイ感じ。」
「良い匂いがしますー!」
「モリーおかえり。」
「チハルさんお帰りなさいませ!何作ってるんです!?」
「天ぷらだよー。」
「天ぷら!!!!美味しいですよねー!!!!」
「モリー、レナは?」
「部隊長と副隊長が付きました、ミオさんと一緒にエーデルさん、ホーキンさん連れて街にデートに行かれましたよ。」
 モリアンは天ぷらを見ながら答える、最近は食堂でも天ぷらが作られるようになり、モリアンも大好物になっていた。

「サリナ、大根おろし出来た?」
「はい、つけダレも準備出来てます。」
「ハルト達の所に持って行ってあげて、サフィー、揚がったの持って行って。」
「はい、了解です。」
「千春、キノコ水気取ったよ。」
「サンキュ~んじゃ次はキノコの天ぷらね。」
 天ぷらに衣液を浸け油に落とす。

じゅわわわわぁぁぁ!!!!

「美味しそう、これ全部異世界産キノコ?」
「そだよー、キノコの山があってさ、そこで採って来た。」
「へぇ・・・タケノコの里は無かったか。」
「無かったね、残念すぎる。」
「そういや千春はタケノコ派だったね。」
「ヨリはキノコ派だったねぇ。」
「キノコだろー。」
「いーやタケノコだね。」
「お?戦争か?」
「よろしい、ならばクリークだ。」
 ゲラゲラと笑いながら千春は天ぷらを次々と揚げていく。

「チハルおねえちゃん、ふぁんがす洗ったよー。」
「ほーい、黄色の方だね、ありがと。」
 千春は手のひらより大きいファンガスをささっとスライスすると衣液を浸け揚げる。

「・・・・なにこれ。」
「こっちはイエローファンガス、ちょっと太いエリンギみたいな感じだねー。」
 くし切りにしたファンガスを軽く揚げ、浮いた所をさっと取り上げキッチンペーパーの上に乗せる。

「ヨリ、塩?大根おろし?」
「塩で。」
 揚げたファンガスに軽く塩を振り、千春はぱくっと食べる、もう一つを頼子の口に入れる。

モグモグモグモグ。

「・・・・うんま!!!!!」
「何これマジうま!歯ごたえもあるし香りも良いね。」
 切ったイエローファンガスを次々と揚げていく。

「はい、ユラ、レン。」
「いただきます!」
「あーん!」
 千春はファンガスの天ぷらをユラとイーレンの口に入れる。

「はふはふはふ。」
「もぐもぐもぐ。」
「どう?」
「おいしいです!」
「おねえちゃん!おいしい!」
「ねー、おいしいよねー、まだあるよね?」
「あるよ!」
「それじゃファンガスを洗ってサリナに渡してくれるかな。」
「はーい!」
 イエローファンガスはユラとイーレンが次々と洗い、水を切るとサリナがくし切りにしていく、そして千春は揚げるとエンハルト達が居る応接間へ運ばれる。

「ん?コレ色違うね、鑑定・・・レッドファンガスか・・・ん!?」
「千春どうしたん?」
「ん、いや、これ・・・いっか。」
 千春はレッドファンガスを同じ様に揚げる、そして天ぷらを取りに来たモリアンの口に入れる。

「モリー揚げたてだよ、あーん。」
「あーん!・・・もぐもぐもぐ・・・かっ!からっ!」
「あ、やっぱり辛いんだ。」
「千春・・・わかってたよね。」
「うん、鑑定で辛いって書いてたから。」
 そう言うと千春もパクリと口に入れる。

「・・・もぐもぐ・・・からっ!」
「まじ?」
「かぁー!はい、ヨリあーん。」
「あーん・・・・ん?・・・からっ!後から来るね!」
「でも味が有って美味しいよね、辛いけど。」
 揚げたレッドファンガスの天ぷらを綺麗に並べ、サフィーナに渡すと応接間に持って行く。

「チハル、教えなくても良かったの?」
「いんじゃない?w」
 そしてすぐに厨房まで声が聞こえた。

「辛いな!ケン、シュウはこっちを食べてろ。」
「うむ、儂はこれくらい辛いのも有りじゃな。」
「俺も食えるな、酒に合うじゃねえか。」
「わっちは普通の方がいいばい。」
 応接間から聞こえる声に千春達は微笑みながら聞いていた。

「ね、大丈夫だったでしょ・・・ってもう呑んでんの!?ルプぅー!!??」



しおりを挟む
感想 3,741

あなたにおすすめの小説

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

公爵さま、私が本物です!

水川サキ
恋愛
将来結婚しよう、と約束したナスカ伯爵家の令嬢フローラとアストリウス公爵家の若き当主セオドア。 しかし、父である伯爵は後妻の娘であるマギーを公爵家に嫁がせたいあまり、フローラと入れ替えさせる。 フローラはマギーとなり、呪術師によって自分の本当の名を口にできなくなる。 マギーとなったフローラは使用人の姿で屋根裏部屋に閉じ込められ、フローラになったマギーは美しいドレス姿で公爵家に嫁ぐ。 フローラは胸中で必死に訴える。 「お願い、気づいて! 公爵さま、私が本物のフローラです!」 ※設定ゆるゆるご都合主義

誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。

木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。 それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。 誰にも信じてもらえず、罵倒される。 そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。 実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。 彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。 故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。 彼はミレイナを快く受け入れてくれた。 こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。 そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。 しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。 むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。

【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜

まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。 ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。 父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。 それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。 両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。 そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。 そんなお話。 ☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。 ☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。 ☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。 楽しんでいただけると幸いです。

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

婚約破棄されたので、自由に生きたら王太子が失脚しましたあ

鍛高譚
恋愛
名門アーデン公爵家の令嬢 ロザリー・フォン・アーデン は、王太子 エドワード・カミル・レグノード の婚約者として誰もが認める完璧な貴族令嬢だった。 しかしある日、王太子は突如 “聖女” を名乗る平民の少女 セシリア・ブランシュ に夢中になり、ロザリーに無情な婚約破棄を言い渡す。 「これは神の導きだ! 私の本当の運命の相手はセシリアなんだ!」 「ロザリー様、あなたは王太子妃にふさわしくありませんわ」 ──ふたりの言葉を前に、ロザリーは静かに微笑んだ。 「……そうですか。では、私も自由に生きさせていただきますわね?」 だが、これがロザリーの “ざまぁ” 逆転劇の幕開けだった! 神託と称して王太子を操る “聖女” の正体は、なんと偽者!? さらに王室財政を私物化する 汚職貴族との黒い繋がり も発覚!? 次々と暴かれる陰謀の数々に、王宮は大混乱。 そして、すべての証拠が王の手に渡ったとき──王太子 エドワードは王太子の地位を剥奪され、偽の聖女と共に国外追放 となる! 「ロザリー様を捨てた王太子は大馬鹿者だ!」 「やっぱり王妃にふさわしかったのはロザリー様だったのよ!」 社交界ではロザリーへの称賛が止まらない。 そしてそんな彼女のもとに、なんと隣国の 若き王クラウス・アレクサンドル から正式な求婚が──!? 「私はあなたの聡明さと誇り高き心に惹かれました。私の王妃になっていただけませんか?」 かつての婚約破棄が嘘のように、今度は 本物の愛と自由を手にするチャンス が巡ってくる。 しかし、ロザリーはすぐに頷かない。 「私はもう、誰かに振り回されるだけの人生は選びません」 王妃となる道を選ぶのか、それとも公爵家の令嬢として新たな未来を切り開くのか──?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。