異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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春の山菜!

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プチ、プチッ

「・・・。」
 千春の横でユラとルペタが芋虫炒めをおやつの様に食べる、それを千春は目を逸らす。

「ユラちゃんルペタ様美味しいですか?」
「おいしいよ!」
「うん!」
 モリアンは苦笑いしながら2人に聞くとニッコリと微笑み返される。

「はい、モリーおねえちゃん、あーん!」
「・・・うっ。」
「ほら、モリー、あーんだって。」
「・・・あーん。」

ぱくっ

「おいしい?」
 ユラは屈託のない笑みでモリアンに問いかける。

「・・・・・・ん、美味しかったです、チハルさんにもあーんしてあげてください。」
「モリー・・・飲み込んだでしょ。」
「・・・キノセイです。」
「チハルおねえちゃん、あーん!」
「くっ・・・あーん。」
 千春はモリアンを睨みながら口を開ける、ユラはぽいっと口に入れると千春は咀嚼するふりをし飲み込む。

「おいしい?」
「んー・・・好みではないかな?」
「そっかぁ、ヨリおねえちゃんもたべる?」
「・・・あーん。」
 ユラは頼子の口に入れると頼子はニッコリとユラに微笑む。

「ヨリ、食べれるんだ。」
「・・・まぁね。」
 頼子は口の中で影収納を出し芋虫炒めを収納していた。

「チハルー!」
「ミオだ、おかえりー。」
「ただいまー、イチゴ買えた?」
「買えたよ、他にも色々買ったし。」
「へぇ、ウチらも色々買ったよ。」
「何買ったの?」
「えっとねー。」
 美桜と麗奈はアイテムボックスになったポシェットから買った物を取り出す。

「春に採れる山菜だってさ。」
 見た事の無い木の芽やゼンマイの様な山菜を取り出す。

「おぉー、これってコゴミっぽいね。」
「コゴミ?」
「そそ、天ぷらとか和え物にするんだよ。」
「へぇ、チハル良く知ってるね。」
「おじぃちゃんとおばぁちゃんが山で採って来るんだよ。」
「ほほー、こっちのはわかる?」
「わかんないね、これはワラビっぽいけど・・・まぁ調理方法は似てるかもね。」
 千春は山菜を見ながら言う。

『これで何が作れるの?』
「山菜ご飯とか天ぷら、さっき言った和え物とかかな。」
『帰ったら作れる?』
「これだけあれば色々作れるねー、アイトネも食べる?」
『勿論食べるわ♪』
「湖の周りに行けばもっと種類有るらしいよ。」
「今は採れないって言ってたね。」
「あー、それ私達も言われたわ。」
 美桜はポシェットに買った物を入れる、青空達も合流しのんびりと街を歩くJK達。

「チハル、コレ食べてみてよ。」
 不意に大愛が小さな袋を取り出す。

「うっ・・・それって。」
「あ・・・もしかして売ってるの見た?」
「みた、そして食べた。」
「食べたんだ!チャレンジャーだねぇ。」
「ユラとルペタが美味しそうに食べてたよ。」
「マ?!」
「ま。」
 大愛が驚きながらユラ達を見る、ユラとルペタはキョロキョロと楽しそうに露店を見ている。

「ダイア食べたの?」
「いや、食べてない。」
「食べなよ。」
「だが断る!」
「なんで買ったのさ。」
「いや、面白いかなって。」
「私もヨリも食べたから皆も食べなよ。」
「えー!」
「チハル!こっちに振るな!」
「そうだ!ダイア責任食いしろ!」
 青空と日葵は文句を言うと、大愛は美桜を見る。

「何かったの?」
「あ、ミオは知らない?」
「レナも知らないと思うよ。」
 頼子がニヤリと笑いながら大愛に教える。

「これこれ。」
 袋を開くと茶黒の物が見える。

「・・・この縞々がキモイな。」
「これ虫でしょ。」
「バレた!」
「分かるわ!」
「ダイア食べな!」
「ぎゃー!マジか!」
 JK達はキャッキャと楽しみながら街を見て回った。


----------------


「ルプ、儂が向こうから追い立てる、ビェリーはルプと一緒に移動してくれ。」
「分った、ビェリー行くぞ。」
「おっけーばい。」
「僕はどうします?」
「ユーリン達のフォローをしてくれ。」
「わかりました!」
 ユーリン達狼の牙はロイロ達を見ながら湖面をのぞき込む。

「・・・いないね。」
「昨日は大量に居たんだがな。」
 ユーリンが呟くとパトリスも湖面をじっと見る。

「儂らが来たから逃げたのかもしれんのぅ。」
「カエルってそんな事分かるの?」
「わからんが、儂らの気配に恐れて逃げた可能性はあるのぅ。」
「魔物の生態はわからねぇからなぁ。」
「取り敢えず儂が向こうから湖面を移動してくる。」
 ロイロは翼を出すと地面を蹴り高く飛び上がる、そして湖の方に飛んで行った、暫くすると水面が騒めく。

「お・・・おおおおお!?」
 ユーリンは思わず声を上げる。

「おい、コレ・・・ヤバくないか?」
「ちょ・・・まずいぞ、この量で来られるとヤバいぞ!?」
 水面が揺れる、そして水面に出て来るカエル、そしてカエルが波の様にこちらに向かって来る。

「このカエルどもは殺気に敏感みたいだなぁ。」
「ロイロの殺気に恐れてコッチ来たばい。」
「どうします?水の中なので燃やせませんよ?」
「俺が一発ぶちかましてやろう、ビェリー収納頼むぞ。」
「まかせりー。」
 どんどん近寄るカエルの波にルプは雷を一撃落とす。

ドォォォゥゥゥン!!!!

「キャァ!」
「うわっ!」
「ぅぉっ!?」
 可愛い声で驚くシャルルとユーリン、そして水面にはプカプカと浮き上がるカエル。

「これならユーリンも収納出来るっちゃない?」
「出来るけど・・・こんなに入らないよ。」
「しゃーないね、わっちが入れとくばい。」
 ビェリーが言うと、湖面に浮いたカエルがポコポコと消えて行く、カエルの後ろからロイロが羽ばたいて来る。

「どうじゃー!?」
「バッチリだな、これ何匹いるんだ?」
「さぁのぅ、まだ向こうに気配が沢山あるぞ。」
「あぁ、だがあっちには冒険者、そっちの方には騎士団の気配がある。」
「横取りするのもアレじゃなぁ。」
「そうだよー、結構おいしい仕事だからねー。」
「ユーリンが言う通り、結構うまい仕事だからな、あまりこっちだけで獲りすぎるのも問題がありそうだな。」
 パトリスが言うとロイロは湖と逆の森を見る。

「あ奴らは何じゃ?」
「あー、さっきから様子を見ているガキんちょどもか。」
 木の陰から覗き込む子供達をルプは笑いながら見る。

「どうしたお前ら。」
「あの、カエル退治おわりました?」
「ここらのカエルはな。」
「えっと、このあたりは山菜が取れるんです、採ってもいいですか?」
「ん?別に良いぞ、俺達が戻る時は帰るんだぞ。」
「うん!ありがとう!大きな狼さん!」
「物怖じしない子供だな。」
 思わず笑みを浮かべるルプ、コンは何を取っているのか気になり子供達の所に行きのぞき込む。

「狐さんだー!」
 小さな男の子の横で女の子がコンを撫でる。

「何が取れるんですか?」
「しゃべったー!」
「これだよ。」
 男の子は緑の長い茎を引っ張ると、膨らんだ球根が出て来る。

「行者ニンニクです!」
「ん?これがそうなのか?」
「はい、匂いがニンニクです!」
「コン、こっちにあるのセリやない?」
「はい!沢山ありますね!」
「んー、セリかぁ、お種婆さんがよく胡麻和えを持ってきてたなぁ。」
「チハルさん作れませんか?」
「山菜料理は見たことねぇが、作れると思うぞ、田舎に戻った時にばぁさんと色々作ってたからな。」
「これは美味いのか?コンよ。」
 ロイロは興味深々にのぞき込む。

「はい、セリのお浸しで日本酒はイケますよ。」
「・・・採るか。」
「ロイロちゃん、カエルどうするの?」
「ユーリン、今この近くにはカエルはおらん、しかし目の前に美味そうな山菜がある、採るじゃろ、それに数十匹確保したんじゃ十分じゃろ。」
「まぁ一日で獲れる量は余裕で超えてるね。」
「おいガキんちょ共、今ここは安全だ、山菜は全部俺が買い取るから好きなだけ採れ。」
 ルプが言うと子供達は嬉しそうに山菜を採り始めた。


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