異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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精霊の祝福!

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「こんにちはー!」
 千春はザイフォンの店に入ると大きな声で挨拶する、すると中からパタパタと音を立て、孫娘のフラワが現れた。

「あー!!!!!!」
「やっほ~♪」
「お爺ちゃん待ってたよー?」
「ごめーん。」
 フラワは笑いながら千春に言うと、直ぐに中へ戻り大きな声でザイフォンを呼ぶ、やり取りが聞こえ直ぐにザイフォンが現れた。

「おそいぞ!」
「ごめんなさい。」
 ザイフォンはそう言うと、カウンターに王家の短剣を3本並べる。

「ほれ、これだ。」
 ザイフォンが出した短剣をエンハルトが手に取り、鞘から抜く。冷たく光る輝きに光りが反射する、まるで水面に映る月光の様だ。

「きれーい。」
 千春も短剣を一本手に取ると鞘から抜く、よく見れば繊細な模様が刻まれている、千春は静かに感動しながらエンハルトを見る。

「すごいね。」
「ああ、ザイフォン殿、ありがとう御座います。」
「おう。」
 千春とエンハルトの短剣を見る顔を見て、ザイフォンは満足そうに頷く。

「それから・・・。」
 ザイフォンはそう言うともう一度工房に戻り、大振りな剣と杖を持ってくる。

「これがオリハルコンソード、こっちはヨリだったか、杖だ。」
 並べられたオリハルコンの剣、その一つをエンハルトは手に取る、鞘を抜くと、シュッという音と共に刀身が現れる。

「・・・凄いな。」
 エンハルトは剣から目を離さず呟く。

「オリハルコンも綺麗だね~♪」
 金よりも色味が無いが、美しく輝く刀身を見ながら千春が言うと、エンハルトは黙って頷く。

「あとはこの杖だねー。」
 千春は自分の背丈の半分程の杖を手に取る。

「あ、思ったより軽い。」
 杖をヒョイと持ち上げまじまじと杖を見る。

「細工ないですね。」
 千春はそう呟くと、ザイフォンが答える。

「それはベースだからな、魔導師がそれに魔術を組み込む、魔力特化にしてあるから魔法がスムーズに出るぞ。」
「魔力特化?」
「ああ、その剣は物理特化だ。」
「そう言えばなんか言ってましたね。」
 あまり興味がなく、うっすらと記憶を探る千春。

「剣は物理特化なんですね。」
「エンハルトや護衛は魔法を使わないだろう。」
「・・・使わないね!そう言えば!」
 千春はハッと思い出しエンハルトを見る。

「俺は無属性しか持ってないぞ。」
「そうなんだ。」
「エーデル、ホーキンも同じだ。」
「みんな魔法使えないんだ。」
「無属性も魔法だぞ?」
「ん?生活魔法?」
「俺達は身体強化だな。」
「ヨリパパと一緒の脳筋かあ。」
 片手で軽く持っている剣を鞘に納めるエンハルト、そして千春に渡す。

「アイテムボックスに入れておいてくれ。」
「はーい♪」
 千春はエンハルトから剣を受け取ると、腕が一気に落ちる。

「うおぁああ!重いっっっ!!!」
「身体強化使っていたからな。」
 笑いながら答えるエンハルト、千春は剣を持ち上げるとアイテムボックスへ投げ込む、そしてカウンターにある剣をサフィーナが手に取り千春に渡す。

「はい、チハル。」
「・・・なんで片手で軽々もってんの?」
「身体強化ですよ。」
「ずるい!みんなズルい!」
 千春が開いたアイテムボックスに剣を入れると、千春は手を突っ込み酒を取り出す。

「ザイフォンさん!お礼です!」
 ドンと置かれる4リットルサイズのウイスキー、ザイフォンは嬉しそうに受け取る。

「チハル嬢!ありがとう!またいつでも来ていいぞ!」
「はーい♪また包丁研ぎにきますねー!」
 ミスリルの短剣、オリハルコンの剣、そして杖を受け取った千春とエンハルトはザイフォンとフラワに手を振り店を出た。


-----------------------------


「おじゃましまーす。」
 美桜はエーデルとロイロ、そして侍女を引き連れ店に入る。

「いらっしゃいませ。」
「あのー、パロッドさんいらっしゃいますかー?」
 ドワーフの店員は美桜の顔を見てすぐに微笑み奥へ案内する。

「こちらへ。」
「はーい。」
 ニコッと微笑み返すと、皆は扉を抜け、奥の部屋に案内される。

「すぐにお呼び致しますので。」
 ドワーフの店員は深々とお辞儀をすると部屋を出て行く、そして直ぐにパロッドと店員が戻って来た。

「待たせたな。」
「いえいえ、遅くなってすみません。」
「問題無い、磨き上げるのに時間が掛かったからな、丁度良かった。」
 そう言うと店員はカートに乗せた宝石箱を並べる。

「これがそうだ。」
 パロッドは箱を1つ手に取ると、テーブルに置き開く、箱には磨き上げられたオリハルコンの髪飾りが置かれていた。

「うっは!綺麗!」
 黄金と銀が溶け合ったような神秘的な輝きを放つオリハルコン、その表面は鏡の様に滑らかだ、そこに一粒の精霊の涙が嵌めこまれていた。

「どうだ?」
「ばっちりです!」
 美桜は自分が描いたイラストを見ながら見比べる、イラストよりも美しく、細やかな細工がされていた。

「俺の最高の品だ。」
 自慢げに、そして誇らしげに言うパロッド、美桜は髪飾りを手に取り右から、左からと髪飾りを見る、そして。

「どう?エーデルさん♪」
 肩より少し長い髪を軽く手に取り髪飾りを合わせて見せる。

「綺麗です、言葉に出来ないほど。」
「えへへ~♪」
 満足げに笑い返す美桜に、ポツリと呟くエーデル。

「精霊の祝福をうけたような・・・素敵です。」
「精霊の祝福?」
「はい。」
 エーデルの言葉に美桜はピコーンと音が鳴るように微笑む。

「この髪飾りの名前、精霊の祝福にしよう!」
 美桜の言葉にエーデルが驚く、しかし目の前で聞いていたパロッドは頷く。

「俺の細工師としての誇りだな。」
「ありがとう御座います、パロッドさん。」
「こちらこそだな、精霊の祝福、名を付けてくれてありがとう、ミオ嬢。」
 2人は笑い合う。

「それじゃこれ貰って行きますね。」
「一応全部開けてみてくれ。」
「これ全部?」
 並べられた14個の箱、美桜は全ての箱を開き品をチェックすると、侍女のクーネスがアイテムボックスへ収納する、そして美桜はエーデル達を連れ店を後にした。


-----------------------------


「聖女レナ様、お美しいですわ。」
 カラーシャは手を合わせ拝む様に麗奈を褒める。

「アハハハハ。」
 空笑いしか出ない麗奈、しかし姿見で見える自分の姿に思わずため息が出る。

「ホーキン様もお着換え終わりました。」
 ドワーフの侍女が言うと、カラーシャは嬉しそうに微笑み頷く、すると部屋にホーキンが入って来た。

「・・・。」
「・・・。」
 2人は姿を見せ合い無言になる。

「いかがかしら?」
 カラーシャは麗奈に問いかける。

「ホーキンさんかっこいー。」
 ホーキンは、いつものジブラロールで見せる貴族服とは違い、ドワーフ国の貴族服に褐色と赤を基調とした服だ、そして所々に鎧風の肩当や肘当てが付いている、実用性重視のドワーフらしい服装だった。

「似合いますか?」
「もんのすごく!似合ってます!」
「レナさんも綺麗です。」
「ですよねぇ、凄いんですよ、ここの刺繍とか。」
「いえ、レナさんが。」
「・・・恥ずかしいのでやめてください。」
 顔を真っ赤にする麗奈、2人は服を褒め合い、ドワーフの職人技に関心していた。

「それでは応接間へ戻りましょう。」
 カラーシャに言われ頷く麗奈とホーキン、2人はカラーシャに連れられ応接間に戻る。

「では、エンハルト君とチハルさん、ミオさんが戻られるまでごゆっくりされてくださいね。」
 カラーシャはそう言うと部屋を出て行った。

「・・・はああああ!凄すぎるよこの服!」
「ローブですよお?レナさん。」
「わかってるよモリーちゃん。」
 モリアンに突っ込まれ、苦笑いの麗奈、ホーキンも自分の服を見ながら呟く。

「良いのでしょうか、私までも。」
「用意されてたんだから良いんじゃないですか?」
「しかし、私は。」
 何かを言いそうになったが言葉を詰まらせるホーキン。

「私の婚約者様でしょ?」
「・・・はい。」
「旦那様になるんでしょ?」
「・・・はい。」
「問題無いっしょ!」
「良いんですか?私で。」
「良いんです!ダーブルお義父様もラニアお義母様も大好きですから♪」
「・・・はい。」
「もちろんホーキンさんが一番好きですよ?」
「はい、私もレナさんが好きです。」
「問題無ーし!」
 麗奈は耳を赤くしながらもホーキンに笑いかける。

「いいなぁ。」
 2人の会話を聞きながらポツリと呟くモリアン。

「あれ?モリーちゃん相手居なかったっけ?」
「・・・まだです。」
「あれ?だれだっけ、たしか肌の治療した子のお兄ちゃんとお見合いしてたよね?」
「・・・アダトニー様ですね。」
「どうなったの?あれから、お付き合いは?」
 モリアンに食い気味で問いかける麗奈、モリアンは言い辛そうに呟く。

「次の桜が咲いた時に、何か言われるらしいんですけどぉ、桜咲いた時ってもう言う事きまってるじゃないですかぁ!?」
「良かったじゃん。」
「私はまだチハルさんの侍女してたいんですっ!」
「えぇ~?結婚したら侍女出来ないの?」
「チハルさんが許可したら出来ますぅ。」
「頼んだら?」
「チハルさん許可してくれますかねぇ。」
「どうだろ。」
「レナさん!お願いします!その時は私が必要だって言ってください!お願いします!」
「え~♪どうしよっかな~♪」
「うわあん!ホーキンさん!ホーキンさんの婚約者が意地悪しますよ!いいんですか!?」
 ホーキンに無茶ぶりするモリアン、ホーキンは苦笑いで麗奈を見る。

「モリーちゃん、そう言う事いうんだ~、ふ~ん。」
「うそです!」
「ほぅ?」
「うわーん!」
 2人のやり取りは千春達が帰って来るまで続いた。




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