異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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閑話:女神と神に愛された子!

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遥か昔――
 小さな国に、ひとりの少女がいた、彼女は信じ、祈り、そして愛を知った、少女はやがて聖女となり、傷ついた国に光をもたらした。

 隣にいたのは、いつも兄だった、戦場に立ち、国を守る剣となった彼と、祈りで民を癒す彼女、その歩みは並び、最後まで決して離れなかった。

 そして、その時は訪れる。
命が尽きる日、聖女は静かに一粒の宝石を手にしていた。
それは祈りと願いと、愛のすべてを込めた、彼女の記憶の欠片。

「おにいちゃん・・・ありがとう、わたし、怖くないよ。」
 聖女は微笑む。

「みんなを、護ってくれて・・・ありがとう、わたし、ほんとうに、幸せだったの。」
 呼吸が浅くなっていく中で、瞼の奥に焼きつくのは、かつて祈った教会の石像、あのとき願った「女神様」が、ずっと見ていてくれた気がする・・・そう思えただけで、彼女の最期の時は恐れとは無縁だった。
 その瞬間、冥界の扉が静かに開く、黒い外套を纏い、仮面で顔を半分隠した男が現れる、死の神モート。

「・・・来い、魂よ、女神に愛された者の最期にふさわしく、穢れのない道を。」
 その声は低く、どこか無愛想だったが、言葉の端には敬意と、穏やかな優しさが宿っていた。
 聖女はその姿に、どこか懐かしさを覚えた。

「あなたは・・・神さま・・・なの?」
 モートは少し黙り、静かに頷いた。

「俺は死の神モート、だが、今日は女神アイトネに頼まれて来た。」
「女神様が・・・?」
 モートは短く鼻を鳴らすように笑う。

「お前の魂が、間違った場所に行かないように・・・だそうだ、あの女神は“中立”を守る顔しながら、ときどきズルをする、・・・まぁ、悪くないことだが。」
「ありがとう・・・ございます、女神様にも、ありがとうって、伝えてもらえますか?」
 モートは聖女の魂を優しく両手で包みながら静かに言った。

「伝えるまでもない、あの女神は、お前の魂の行き先を・・・見てるだろう。」
 その時、神界の高みにいるアイトネが、そっと手を伸ばす。
まだぬくもりの残る宝石に、微かな光を宿らせる。

『あなたの魂に記憶は宿らない・・・でも、痕跡くらいなら、きっと残せるわ。』
 それは管理者としての掟に触れない、ほんのわずかな印。
ただの宝石にしか見えないその輝きの中に、確かに宿ったものがあった。
アイトネは呟くように言葉を紡ぐ。

『・・・また、会える気がするの。あの子の魂に、それが今世でなくても、何度目かの巡りの果てにでも・・・きっと・・・いつか、ね。』

 それは予言ではなく、未来への希望。
世界が巡り、命が巡り、魂がまた誰かの中に灯る日を、彼女は静かに待ち続ける。

 宝石は、そっと地上に残された。
誰に拾われるとも知らぬまま、古の遺跡に眠り数千年の時を超えて。

 星々が静かに巡り続ける中、アイトネは聖女の魂が向かう先・・・
まだ名も無き未来の小さな命をそっと見つめ続けた。







◆◇◆◇◆◇◆ あとがきてきななにか! ◆◇◆◇◆◇◆
明日(2025/5/24)の更新はお休みいたします、ご迷惑おかけします。
会社の飲み会なのは秘密です。

えー、この話を読んで、あ、察し・・・とか言うのは無しね!www
よろしくぅ!

ちっき。


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