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ストーノク王都へれっつごー!
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ストーノク王国、サラマンド王に命じられた護衛たちは、千春たちの乗る馬車を護衛しながら王都への道を進んでいた。馬車はガタガタと揺れ、千春たちは頼子が影収納から取り出したクッションをお尻に敷いて、少しでも衝撃を和らげようとしていた。
「さっきは気づかなかったけど・・・もしかして治安あんまり良くないんじゃない?」
馬車の窓から外を覗き込む千春の目に、通りや横道に入る細い道が映った、古びた服を着た男が、俯いたまま動かずに立っている。
「確かに、あれはちょっと怖いね。」
千春の隣で同じように外を見ていた頼子が、小さく頷いた。
「ジブラロールの治安と比べちゃダメっしょ。」
千春の後ろで、麗奈が笑いながら言った。
「そうそう、それに昔はもっと酷かったらしいよ?」
そう言って美桜は、前方に座るエーデルに目を向けた。エーデルも真面目な顔で頷く、その様子を見ていたエンハルトが、静かに口を開いた。
「他国からも人が集まると、どうしても職の無い者が増える、そうすれば、当然犯罪も増えるものだ、ストーノク王国は国土が広く、人口も多い、こういう状況は避けられないだろうな。」
エンハルトの言葉に、千春は少し考え込むように眉をひそめた。
「でも・・・ウィステルの時のストノクト王国時代は、もっと小さい国だったよ。」
千春の言葉に、エンハルトは一瞬目を細めた。
「三千年前だったか?」
「うん。」
千春は頷いた、するとエンハルトは微笑を浮かべる。
「ジブラロールも千年続く王国だ、だが千年前は、まだほんの小さな国にすぎなかった、三千年も続けば、国も大きくなる。そして・・・この状況は今に始まったことではないだろう。」
少し悲しげな響きを含んだ声でエンハルトは呟いた。
その横顔を見つめながら、千春は黙って頷いた、そしてもう一度外を見やると、さっきの男の姿はすでに見えなくなり、代わりに街の喧騒が少しずつ近づいてくる、千春は気を取り直すように、外を見渡した。
「あっ、獣人さん発見!・・・首輪してる。」
千春が見つけたのは、みすぼらしい格好をした角を持つ獣人で、首に金属の首輪をつけていた。頼子もそれに気づき、悲しそうに呟いた。
「奴隷かな・・・。」
頼子の言葉にアリンハンドが頷いた。
「ええ、あの首輪には魔法がかけられているようです、あれは間違いなく奴隷の印ですね。」
「奴隷の首輪かぁ・・・。」
頼子とアリンハンドのやり取りを聞いていた青空と大愛も、外を見ながらぽつりと呟く。
「なんで奴隷にしちゃうんだろうね。」
「かわいそうだよね・・・。」
二人の問いに、日葵が少し考えながら口を開いた。
「この国の法律は詳しくないけど、ブルーワグにも奴隷はいるよ、犯罪奴隷だけどね。」
日葵の言葉に、花音が小首をかしげた。
「奴隷商人はいるの?」
「いないよ、違法だからね。それに、犯罪奴隷でも生活の保障と身の安全はきちんと守られてるんだよ。」
「へぇ・・・ブルーワグの法律?」
花音が目を丸くすると、日葵は頷いた。
「そう。ジブラロールも、確か犯罪奴隷はいるはずだよね?」
日葵はエンハルトの方を見た、エンハルトは真剣な顔で頷く。
「ああ、概ねブルーワグと同じだな、仕事や居住地に制限があるが、生活の保障は義務付けられている。」
「へぇ・・・。」
千春も、それを聞き頷く。
「私も勉強したけど、日本のブラック企業よりホワイトだよね、こっちの犯罪奴隷さん。」
「日本のサラリーマンは奴隷以下か!」
「ブラック企業のサラリーマンが、でしょ。」
「寝る暇すら無い人もいるらしいからね~。」
千春達の言葉に、話を聞いていたモリアンが呟く。
「なんで、そんな奴隷みたいな仕事辞めないんですかぁ?」
それを聞き千春達は腕を組み首を傾げる。
「「「「「「「「さぁ?」」」」」」」」
働いた事の無い千春達も、不思議そうに顔を見合わせると、馬車の中に、くすくすと笑い声が広がった。
馬車は暫く進み、大きな門の前で止まった、御者が控えめに声をかけると、門が開かれ、広い屋敷の敷地内へと入っていく、外よりは落ち着いた空気が流れていた。馬車の扉が開かれると、案内役の執事が丁寧に一礼し、千春たちを迎えた。
「皆様、ようこそお越しくださいました。」
執事は深々と頭を下げ、にこやかに笑みを浮かべた。
「わあ……すごいお屋敷だね。」
千春は感心したように目を丸くし、隣の頼子も小さく頷く。
「立派すぎて落ち着かないかも……。」
「確かに。」と麗奈が笑った。
すると、執事は王都通りの説明を始める。
「この門の先には商人たちの店が並んでおります。必要な物があれば、どうぞご利用くださいませ。」
「へぇ~、屋敷の前に市場があるんですか?」
「いえ、屋敷の外の通りでございます。ですがお屋敷のすぐ前なので、護衛が常に控えております。」
「護衛・・・。」
その言葉に千春は思わず後ろを振り返った、そこには鎧姿の兵士たちが控えている。
「全員に護衛が付くよう手配されております、安心して王都をお楽しみください。」
執事がそう言うと、サフィーナの横にも兵士が、そしてモリアンの横にも兵士が付く。
「え、私たちにも護衛がつくんですか?」
モリアンが不安そうに問いかける。
「それはそうでしょう、聖女様のお付きも護衛対象となりますよ。」
そう答えたのは、少し後ろに控えていたアリンハンドだった、そしてアリンハンドの横にも兵士が立つ。
「私にも護衛がついているようですし。」
アリンハンドが肩をすくめると、千春はクスクス笑う。
「なんだか物々しいね。」
「確かに。」
頼子も同意する。
「でも、あの治安を見たら納得だよね。」
千春はさっきの街の様子を思い出して、少し真剣な顔をした。
「うん・・・あ!」
その時、千春はエンハルトの方を振り返った。
「ハルト、お金ってどうすればいいかな、ジブラロールの金貨はいっぱいあるけど、使えるのかな。」
「サラマンド王が手配している、俺達が払う必要はないぞ、心配するな。」
エンハルトは落ち着いた声で答える。
「えっ!じゃあ、何でも買えるってこと?」
千春が目を輝かせると、アリンハンドが口を挟んだ。
「チハルさん。」
「なに?」
「限度って言葉、ご存知ですか?」
「・・・ヨリ、あんたの彼氏、私を馬鹿にしてない?」
千春が頬を膨らませると、頼子はあからさまに驚いた態度で千春を見る。
「千春!限度って言葉知ってるの!?」
「よーりー!!!」
「うそうそ!!冗談だって!」
そのやり取りに、麗奈や美桜も吹き出し、馬車の外が一気に賑やかになった。
一方、その会話を少し離れた場所で聞いていたフランシスは、控えめにヤーテとテールキに声をかけた。
「ヤーテ、テールキ。」
「はい!」と二人は同時に背筋を伸ばす。
「それぞれのグループに分かれて見守るわよ。私はチハル様に付きます。ヤーテはミオ様を。」
「承知しました!」
ヤーテが力強く頷く。
「私はソラ様の方へ向かいますね。」
テールキが微笑んで言うと、ヤーテが小首をかしげた。
「ヒマリ様とカノン様の方はどうしましょう?」
するとフランシスは、ふっと微笑みを浮かべた。
「ヒマリ様とカノン様は、こちらの常識を既に理解されているわ。お付きの侍女たちで十分対応できるでしょう。」
「なるほど。」
ヤーテは感心したように日葵と花音を見る、フランシスは二人の手をそっと取ると、きゅっと握りしめる。
「私たちがしっかり支えましょうね。」
「はい!」
ヤーテとテールキは大きく頷くと、元気よく答えた、そんな話をしているとは思いもしない千春たちは、すっかりいつもの調子を取り戻していた。
「よーし、買い物ツアーだー!」
「千春、落ち着きなー?」
「大丈夫だって!限度って言葉も知ってるし~♪」
「知ってるだけじゃダメなんだけどね?」
そんな賑やかなやり取りを背に、護衛たちは一行を静かに見守っていた。
「さっきは気づかなかったけど・・・もしかして治安あんまり良くないんじゃない?」
馬車の窓から外を覗き込む千春の目に、通りや横道に入る細い道が映った、古びた服を着た男が、俯いたまま動かずに立っている。
「確かに、あれはちょっと怖いね。」
千春の隣で同じように外を見ていた頼子が、小さく頷いた。
「ジブラロールの治安と比べちゃダメっしょ。」
千春の後ろで、麗奈が笑いながら言った。
「そうそう、それに昔はもっと酷かったらしいよ?」
そう言って美桜は、前方に座るエーデルに目を向けた。エーデルも真面目な顔で頷く、その様子を見ていたエンハルトが、静かに口を開いた。
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エンハルトの言葉に、千春は少し考え込むように眉をひそめた。
「でも・・・ウィステルの時のストノクト王国時代は、もっと小さい国だったよ。」
千春の言葉に、エンハルトは一瞬目を細めた。
「三千年前だったか?」
「うん。」
千春は頷いた、するとエンハルトは微笑を浮かべる。
「ジブラロールも千年続く王国だ、だが千年前は、まだほんの小さな国にすぎなかった、三千年も続けば、国も大きくなる。そして・・・この状況は今に始まったことではないだろう。」
少し悲しげな響きを含んだ声でエンハルトは呟いた。
その横顔を見つめながら、千春は黙って頷いた、そしてもう一度外を見やると、さっきの男の姿はすでに見えなくなり、代わりに街の喧騒が少しずつ近づいてくる、千春は気を取り直すように、外を見渡した。
「あっ、獣人さん発見!・・・首輪してる。」
千春が見つけたのは、みすぼらしい格好をした角を持つ獣人で、首に金属の首輪をつけていた。頼子もそれに気づき、悲しそうに呟いた。
「奴隷かな・・・。」
頼子の言葉にアリンハンドが頷いた。
「ええ、あの首輪には魔法がかけられているようです、あれは間違いなく奴隷の印ですね。」
「奴隷の首輪かぁ・・・。」
頼子とアリンハンドのやり取りを聞いていた青空と大愛も、外を見ながらぽつりと呟く。
「なんで奴隷にしちゃうんだろうね。」
「かわいそうだよね・・・。」
二人の問いに、日葵が少し考えながら口を開いた。
「この国の法律は詳しくないけど、ブルーワグにも奴隷はいるよ、犯罪奴隷だけどね。」
日葵の言葉に、花音が小首をかしげた。
「奴隷商人はいるの?」
「いないよ、違法だからね。それに、犯罪奴隷でも生活の保障と身の安全はきちんと守られてるんだよ。」
「へぇ・・・ブルーワグの法律?」
花音が目を丸くすると、日葵は頷いた。
「そう。ジブラロールも、確か犯罪奴隷はいるはずだよね?」
日葵はエンハルトの方を見た、エンハルトは真剣な顔で頷く。
「ああ、概ねブルーワグと同じだな、仕事や居住地に制限があるが、生活の保障は義務付けられている。」
「へぇ・・・。」
千春も、それを聞き頷く。
「私も勉強したけど、日本のブラック企業よりホワイトだよね、こっちの犯罪奴隷さん。」
「日本のサラリーマンは奴隷以下か!」
「ブラック企業のサラリーマンが、でしょ。」
「寝る暇すら無い人もいるらしいからね~。」
千春達の言葉に、話を聞いていたモリアンが呟く。
「なんで、そんな奴隷みたいな仕事辞めないんですかぁ?」
それを聞き千春達は腕を組み首を傾げる。
「「「「「「「「さぁ?」」」」」」」」
働いた事の無い千春達も、不思議そうに顔を見合わせると、馬車の中に、くすくすと笑い声が広がった。
馬車は暫く進み、大きな門の前で止まった、御者が控えめに声をかけると、門が開かれ、広い屋敷の敷地内へと入っていく、外よりは落ち着いた空気が流れていた。馬車の扉が開かれると、案内役の執事が丁寧に一礼し、千春たちを迎えた。
「皆様、ようこそお越しくださいました。」
執事は深々と頭を下げ、にこやかに笑みを浮かべた。
「わあ……すごいお屋敷だね。」
千春は感心したように目を丸くし、隣の頼子も小さく頷く。
「立派すぎて落ち着かないかも……。」
「確かに。」と麗奈が笑った。
すると、執事は王都通りの説明を始める。
「この門の先には商人たちの店が並んでおります。必要な物があれば、どうぞご利用くださいませ。」
「へぇ~、屋敷の前に市場があるんですか?」
「いえ、屋敷の外の通りでございます。ですがお屋敷のすぐ前なので、護衛が常に控えております。」
「護衛・・・。」
その言葉に千春は思わず後ろを振り返った、そこには鎧姿の兵士たちが控えている。
「全員に護衛が付くよう手配されております、安心して王都をお楽しみください。」
執事がそう言うと、サフィーナの横にも兵士が、そしてモリアンの横にも兵士が付く。
「え、私たちにも護衛がつくんですか?」
モリアンが不安そうに問いかける。
「それはそうでしょう、聖女様のお付きも護衛対象となりますよ。」
そう答えたのは、少し後ろに控えていたアリンハンドだった、そしてアリンハンドの横にも兵士が立つ。
「私にも護衛がついているようですし。」
アリンハンドが肩をすくめると、千春はクスクス笑う。
「なんだか物々しいね。」
「確かに。」
頼子も同意する。
「でも、あの治安を見たら納得だよね。」
千春はさっきの街の様子を思い出して、少し真剣な顔をした。
「うん・・・あ!」
その時、千春はエンハルトの方を振り返った。
「ハルト、お金ってどうすればいいかな、ジブラロールの金貨はいっぱいあるけど、使えるのかな。」
「サラマンド王が手配している、俺達が払う必要はないぞ、心配するな。」
エンハルトは落ち着いた声で答える。
「えっ!じゃあ、何でも買えるってこと?」
千春が目を輝かせると、アリンハンドが口を挟んだ。
「チハルさん。」
「なに?」
「限度って言葉、ご存知ですか?」
「・・・ヨリ、あんたの彼氏、私を馬鹿にしてない?」
千春が頬を膨らませると、頼子はあからさまに驚いた態度で千春を見る。
「千春!限度って言葉知ってるの!?」
「よーりー!!!」
「うそうそ!!冗談だって!」
そのやり取りに、麗奈や美桜も吹き出し、馬車の外が一気に賑やかになった。
一方、その会話を少し離れた場所で聞いていたフランシスは、控えめにヤーテとテールキに声をかけた。
「ヤーテ、テールキ。」
「はい!」と二人は同時に背筋を伸ばす。
「それぞれのグループに分かれて見守るわよ。私はチハル様に付きます。ヤーテはミオ様を。」
「承知しました!」
ヤーテが力強く頷く。
「私はソラ様の方へ向かいますね。」
テールキが微笑んで言うと、ヤーテが小首をかしげた。
「ヒマリ様とカノン様の方はどうしましょう?」
するとフランシスは、ふっと微笑みを浮かべた。
「ヒマリ様とカノン様は、こちらの常識を既に理解されているわ。お付きの侍女たちで十分対応できるでしょう。」
「なるほど。」
ヤーテは感心したように日葵と花音を見る、フランシスは二人の手をそっと取ると、きゅっと握りしめる。
「私たちがしっかり支えましょうね。」
「はい!」
ヤーテとテールキは大きく頷くと、元気よく答えた、そんな話をしているとは思いもしない千春たちは、すっかりいつもの調子を取り戻していた。
「よーし、買い物ツアーだー!」
「千春、落ち着きなー?」
「大丈夫だって!限度って言葉も知ってるし~♪」
「知ってるだけじゃダメなんだけどね?」
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