異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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ストーノク王都の問題点!!

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「あらあら、悩んじゃってるわ。」
 壁に移る映像を見ながらマルグリットは千春の顔を見ている、アルデアは眷属の視線を変える、ストーノク王都の大きな通り、千春の視線の先には座り込む子供の姿が見えていた。

『ごめんなさい、私の思いをチハルに押し付けてしまったせいで。』
 少し悲し気な顔でアイトネが呟く、しかしマルグリットは首を振る。

「ウィステルの記憶を受け取らなくても、この街を見れば、チハルは同じ事を思うでしょう?アイさんのせいじゃないわ。」
 マルグリットの言葉にアルデアも頷く。

「チハルはウィステルの心をそのまま受け継いでいるんじゃ無いかしら?元からこういう性格でしょう?」
 悲しそうに子供達を見ては目を逸らし、また他の所を見るが、どうしてもそのような人の姿に目が行く千春に、アルデアはクスッと笑う。

『ええ、チハルもウィステルも・・・優しいもの。』
「それで?チハルはどう動くのかしら。」
 マルグリットは映像に映るアイトネを見ながら、横に座るアイトネに問いかける。

『他国の事だからと、今、心を抑えているわ。』
「そう、それじゃ解放させてあげましょうか。」
『良いの?』
「ええ、この件はチハルと言うよりも、ウィステルの為で動きましょう、そしてその魂であるチハルが協力する、何も問題無いわ。」
「あら、何も問題無い事は無いでしょう?チハルが動くって事はジブラロールが動くと言う事よ?」
「ええ、そうよ、ジブラロールが全面的に協力するわ、だからアル、ちょっと頑張ってもらうわよ?」
「それは勿論手伝うわよ、いつも血を貰っているもの♪こういう時くらいお手伝いさせてもらうわ♪」
 マルグリットとアルデアは楽しそうに話す、するとアイトネが話す。

『この件は私も協力するわ。』
「あら、管理者的に大丈夫かしら?」
 マルグリットが問いかけると、アイトネは頷く。

『ええ、今のチハルに協力するのには問題無いわよ、私の聖女だもの♪』
 アイトネは楽しそうに答えると、マルグリットは考え始める。

「国王陛下と王妃殿下は問題無いのよね?」
『ええ、王としては野心が少ないくらいね、逆に王妃は結構やり手よ?』
 マルグリットに答えるアイトネ、するとアルデアが笑いながら問いかける。

「メグより?」
『そんなわけ無いわ、メグほどのやり手は私でも知らないわ。』
「誉め言葉として受け取っておくわ♪それじゃぁ王族に対する抵抗勢力、反対勢力ね。」
『それはこの貴族よ。』
 アイトネは何も無い所から紙を一枚取り出し、文字を浮かび上がらせる。

「もう、私の仕事が無くなるじゃない。」
 アルデアは紙を受け取り、ストーノク王国貴族の名前を見る、マルグリットも一緒に紙を見ると、眉間に皺を寄せる。

「公爵が居るのは面倒ね。」
『その公爵は冥界送りで良いわよ。』
「あら、それじゃ省いておきましょう、あとは~・・・。」
 女神、女傑、吸血鬼聖女の3人は千春のフォローをするために裏で動き始めた。


-------------------------------------


「チハル。」
「・・・。」
「チハル?」
「ん!?何?!ハルト!」
「気になるか?」
「・・・うん。」
 王都を歩き、店を見て回る千春達、しかし千春の顔は暗かった、エンハルトは千春の手を握る。

「他国の事だからなぁ。」
「・・・うん。」
「しかし、やろうと思えばチハルは動かせるぞ?」
「・・・でもダメだよね。」
「どうだろうな。」
「え?」
「ジブラロール王女としてはアウトだな。」
「だよね。」
「だが、チハルは聖女だろ?」
「うん・・・聖女で動けばセーフ?」
「微妙な所だ、どうしてもジブラロールの王女が出て来る。」
「ですよねぇ~。」
 千春はがっくりと肩を落とす、エンハルトはクスクスと笑いながら話す。

「だが、今チハルはストーノク王国の誰もが知る人物でもあるんだぞ?」
「・・・あ!」
「気付いたか?」
「うん、私ウィステルだわ。」
「まずは教会だな。」
「でも信じてくれるかな。」
「信じるさ、何よりも信用出来る神がいるだろう。」
 頼子達と並んで食べ物を見ているアイトネがチラリとエンハルトの方を見る、そして千春を見るとニコッと微笑む。

「私、何したらいい!?ハルト!」
「そうだな、まずは一度王宮にもどって、サラマンド王と話しをする所からだな。」
「王様と?何を話したらいい?」
「チハルはこの国をどうしたいんだ?」
「・・・小さな子が泣かないようにしたい。」
 道に座り込む小さな子を見て呟く千春に、エンハルトは頷く。

「色々変える必要がありそうだな。」
 エンハルトも子供を見ながら呟くと、頼子が千春に抱きつく。

「浮かない顔してるねー。」
「だってぇ~。」
「わかるけどね、流石にアレは可哀そう。」
「うん、でもどうにか出来るかもしれない。」
「マ?」
「ま。」
「詳しく聞こうか、ミオー!ソラー!」
 頼子は皆に声を掛けると、皆は集まる、一緒に護衛達も集まり、市井の民は何事かと千春達を見る。

「ちょっと話したいからさ、どっか休憩しよっ♪」
 頼子は軽く言うが、何かを察した美桜達は頷く。

「どこか話せる所あるかな。」
「馬車止めた屋敷あるじゃん、あそこ借りれないかな。」
 日葵は護衛の兵士に話しかける、そして、兵士は頷く。

「オッケーだってさ。」
「うぃーっす、それじゃ買い物は後回しで、屋敷戻ろー♪」
 頼子の言葉に皆は返事を返す、千春は思わずポカンとした顔で頼子を見る。

「ほら、千春、行くよ。」
「あ、うん、買いもの・・・。」
「あとあと、買い物は逃げないよ。」
「話も逃げないけどね。」
「いーや、千春のその顔の時にほっておくと、ろくなことにならないから。」
「・・・ヒドイ!」
「あははは!ほら!いくよっ!」
 頼子に手を引かれ、千春は皆と一緒に屋敷へ戻る事になった。


-------------------------------------


 屋敷に戻った千春たちは、護衛の兵士たちに部屋を出てもらい、広い応接間を借りた、千春は部屋の中央に座り、皆はソファーに座る。

「さて、話そうか。」
 頼子が笑顔を作りながら言ったが、その目は真剣だった、そして千春はゆっくりと口を開く。

「さっき、道に座り込んでた子を見て、どうしても放っておけなかったの、ストーノク王国のことだからって、簡単にはいかないのは分かってるんだけど・・・。」
「そうだね。」
 美桜が頷く。

「でも、あの子だけじゃないよね?街中で同じような子、たくさん見たよ。」
 美桜の言葉にエンハルトが頷く。

「治安の悪さも奴隷制度も問題だ、正直、この国の腐敗は深い。」
「そこよね。」
 頼子が声を落とした。

「問題点は山ほどあるけど、一番大きいのは治安の悪さ。」
 すると、後ろの壁際で控えていたロイロが腕を組んで立ち上がった。

 「治安か・・・ふむ、儂が裏を牛耳ろうか?ジブラロールの犯罪ギルドみたいに、王国公認でな。」
「でも、ストーノクでは難しくない?1人じゃ無理でしょ。」
 千春はロイロを見る、ロイロはニヤリと笑い答える。

「あっちは今暇なんじゃよ、手ならいくらでもある、デミオーガ共は喜んで暴れてくれるじゃろ。」
 ロイロは楽し気に話す、すると日葵が問いかける。

「でもさぁ、国の人が黙ってないんじゃない?」
「そうだな、特に貴族連中がな。」
 エンハルトが真剣な顔で言った。

「ストーノク王国は、この国の貴族たちが治安の悪化に一枚噛んでいる可能性が高い、腐敗した貴族たちが裏で奴隷売買を動かしているだろうな。」

「ジブラロールのアレみたいな?」
千春が不安そうに言うと、エンハルトは頷いた。

「まずは国王にこの件を話す必要がある、そこでチハルに頑張ってもらう事になるが・・・。」
「分かった。私、ウィステルとして、この国を少しでもいい方向に変えたい。」
「そうだな。」
 エンハルトが頷く。

「そしてまずは、国王サラマンド陛下と話して、ストーノクをどうしたいのか千春の考えを伝えるんだ。」
千春はきゅっと拳を握る。

「うん、がんばるっ。」
「貴族が問題だねぇ。」
 千春のガッツポーズを見ながら頼子が呟くと、貴族令嬢3人が声をあげる。

「貴族の方、時間は少し掛かりますが、私達もご協力させて頂きます。」
「はい、私もお手伝いさせて頂きますわ。」
「わたくしもですわ。」
「フランちゃん、ありがたいけど、他国だし難しくない?」
「いいえ?ジブラロールの貴族を掌握した手を使えば、ある程度は効果が有ると思いますわ。」
「え?掌握した?何するの!?」
 千春はフランシスを見ると、髪をさらりとさわり微笑む、すると美桜も頷く。

「はいはいはい、その手ねー、チハル、ママさんズも噛ませて良い?」
「マジで?」
「マジマジ、多分思った以上に成果でるよ。」
「えぇ~?拡販したいだけじゃん?」
「それが効果あるんじゃーん♪」
 美桜はニヤニヤと笑いながら答えた、そして暫く話が続き、サラマンド王への進言内容を詰めた


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「ふふ、動き始めたわね、チハル。」
 マルグリットが小さく笑うと、アルデアも口元を緩めた。

「貴族には美容品で落としていくみたいよ。」
「トモミ達にも声かけておきましょうか。」
「それなら呼んでおくわよ?」
「お願いするわ。」
 こうして、千春を中心に、ジブラロール王国とストーノク王国、そして仲間たちの動きが本格的に始まろうとしていた。






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