異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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パーティー前夜!

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「フランシス。」
「はい、お父様、どうされました?」
「王女殿下からのお手紙だ。」
「あら、チハル様から?」
 セベラム・オーレン公爵は娘のフランシスに手紙を渡す。

「・・・うふふ、これは行かなくてはなりませんね。」
「例の?」
「はい♪夜会の後のパーティーですわ、お父様。」
「ふむ・・・」
 少し悩むように考えるセベラムに、フランシスはクスクス笑う。

「チハル様の御縁でお相手が決まるのは困りますか?」
「いや・・・だが、お前は長女、そして公爵家令嬢、爵位の高い嫡子との婚姻を考えている。」
「ええ、わかっておりますわ♪」
「だが・・・チハル王女殿下のご縁の元なら構わん。」
「宜しいのですか?」
「ああ、楽しんでくると良い。」
 セベラムは頷くと、フランシスは微笑む、良き相手が見つかるかしら・・・と。


----------------------------


「コラリー!」
「どうされました?フィレンお姉様。」
 ほぼユラ専属となった侍女コラリーは、実家に戻っていた、すると3つ上の姉が声をかけて来る。

「コラリー、王女殿下のパーティーに出るの!?」
「はい、出ますよ?チハル様の侍女は皆強制で参加になっておりますから。」
「私も行けないかしら!?」
「他の方は抽選と言う事らしいので・・・」
「コラリーからお願いは出来ない?」
「無理です!むりむりむりむりです!」
 ブンブンと手を振りりを入れるコラリー、フィレンはがっくりと肩を落とす。

「抽選・・・沢山応募されるでしょうね、無理よね・・・」
「応募してみてはいかがですか?」
 コラリーは微笑む、本当は抽選ではないと言う事をコラリーはマルグリットとアイトネの話を耳にしていた、コレート伯爵家の人間は人が良い、コラリー自身がそう思っている、口には出さないが、姉フィレンは人が良い、そして優しく、人のために泣ける人だ、間違いなく通されるだろうと確信していた。

「・・・そうね。」
「パーティーでお会い出来る事をお祈りしております。」
「ありがとう、コラリー。」
 フィレンは頷き微笑み返すと部屋を出て行く。

「・・・まだ侍女のままでいたいんですけど~、お相手決めなくても良いんですよねぇ?」
 ポツリと呟くコラリー、姉とは違い、まだ16歳と若い、そして千春とユラの侍女をする事が楽しいコラリーは相手を見つけるつもりはさらさら無かった。


----------------------------


「クーネス!」
「・・・」
 屋敷に響き渡る声、クーネスは眉間に皺を寄せながら扉を開ける。

「お父様、大きな声を出さなくても聞こえております。」
「チハル王女殿下のパーティーで相手を見つけるのであろう?」
「・・・いえ?」
「何故だ!お前はどの見合いも全て断る、明日のパーティーはチハル王女殿下のご縁を繋げる大事なパーティーだ、必ず相手を選ぶべきだ!」
 トグラム子爵家当主、アルレッド・トグラムは3女であるクーネスに言葉を畳みかける。

「セーレス姉さまも、リーアン姉さまも結婚されたじゃないですか、私が行き遅れた所で困る事は無いと思いますが?」
 平然と答えるクーネスに、トグラムは唸る。

「お前は3女だ、だが・・・お前程の娘は他に居ないだろう。」
「いますわよ?」
「・・・サフィーナか。」
「ええ♪」
「あの娘も規格外だ・・・だがサフィーナはエンハルト王子殿下の第二夫人、お前にもその資格がある程の娘だ・・・。」
「良いじゃないですか、チハル様の侍女は楽しいですわよ。」
「しかし!お前程の貴族子女は探してもおらぬぞ!勿体ないと思わないのか!?」
 クーネスはため息まじりに言葉を返す。

「いえ?全然。」
 軽く受け流すと、アルレッドはジッとクーネスを見つめる。

「どのような男ならお前は納得するのだ。」
「そうですね、まず私より強い男でしょうか。」
「・・・お前より・・・強い・・・だと?」
「ええ♪」
「トグラム子爵領の騎士隊長を倒せるお前より?」
「ええ♪」
 頭を抱えるアルレッド、我が娘、クーネスの強さは誰よりも知っていた、そして最近は千春と同じ魔法『アイテムボックス』まで使えると言う事も聞き驚いていた。

「ちなみに、クーネス、お前より強い男は王都にいるのか?」
「沢山いらっしゃいますわ♪」
「そうなのか!?誰だ!?」
「先王エイヒム様、エイダン国王陛下、ルプ様やビェリー様、コン様にも勝てませんね、あとは~。」
 平然と答えるクーネスに、アルレッドは頭を抱える。

「先王様や国王陛下、聖獣様以外では?」
「・・・エーデル隊長様、ホーキン副団長様でしょうか。」
「お二人とも聖女様のお相手だろう。」
「・・・そうですね。」
「相手の居ない男だ!他に男性は居ないのか!」
 ぇぇぇ~、と、面倒そうに呟くクーネスはポツリと呟く。

「ワークス様ですね。」
「・・・お、俺より年上だろう?」
「ええ、でも素敵ですわ、私よりも強く、そして知識も豊富です、私に敵う所がありません。」
「いや・・・しかし・・・他に・・・気になる男は居ないのか?」
「さぁ?」
 即答するクーネスに、アルレッドは肩を落とす。

「・・・楽しんで来い。」
「はい、お父様♪」
 クーネスはクスクスと笑うと、アルレッドの背中を見送る、そして・・・

「ドラゴンと仲良いと言ったらお父様驚くかしら?」
 クーネスは、パパドラと共に移住してきたドラゴニュートを思い出しながら微笑んだ。


----------------------------


「モリー、手紙送り終わったー?」
「はいっ!フランシス様やヤーテ様、テールキ様、リアント男爵家の方は妖精さんにお願いしてまーす!」
「ありがちょ~♪」
 千春が友達と思っている貴族に手紙を送った千春は、満足そうに礼を言う。

「婚活って言ってるけど、婚約者居ても別にいいよね。」
「良いんじゃ無いですかぁ?チハルさんもその方が楽しいんですよね?」
「うん!で、コブフレイ伯爵の所も届けたよね?」
「うぇ!?は・・・はい、ロノカ様の方へ・・・」
「アダトニーさんは?」
「・・・はい、来ます。」
「おっけー♪」
「おっけーじゃないですうう!私はまだチハルさんの侍女したいんですう!」
「すれば良いじゃん。」
「でもー!チハルさんにプロポーズしてもらえたらワンチャン第三夫人になれるかもしれませんっ!」
「ないわ!!!」
「まだわかりません!私の良い所を見つけてポロリと!」
「ないわっ!!!」
「えぇ~?」
「え~じゃないよ、大人しくアダトニーさんのプロポーズ受けなさい!」
「やーだー!」
「アダトニーさん嫌いなの?」
「・・・嫌いじゃ無いですけどぉ。」
「んじゃ良いじゃん。」
「よくないですぅぅぅ。」
 千春とモリアンが言い合いをしていると、サフィーナが戻って来る。

「モリアン、今日はもう帰りなさい、明日の準備があるでしょう?」
「うっ・・・ないです。」
 モリアンはプイっとサフィーナから視線を外すと、サフィーナは無言でモリアンの首根っこを掴み扉から放り出す。

「命令です、しっかりお手入れしてきなさい。」
「うわああん!サフィーが鬼だあああぁぁぁ・・・!」
 叫びつつ部屋から離れて行くモリアンにサフィーナはため息をつく。

「まったく。」
「婚約して結婚しても、クビにするつもりないのにねぇ。」
「チハルはそういいますけれど、婚約すれば相手方の用事に合わせて動く事も増えますから。」
「そうなの?」
「それはそうですよ、アダトニー様が家の事で動けばフィアンセとして付き合う事も増えますから。」
「あ~・・・そりゃそうか、っていうかアダトニーさんって爵位なんだっけ。」
「伯爵ですね、嫡子なので爵位を継ぎます。」
「サフィーは侯爵だよね。」
「はい。」
「アダトニーさんの事『様』付けるんだ。」
「ええ、私は3女です、あの方は嫡子になりますから。」
「でもサフィーは第二夫人になるよ?」
「・・・そうですね。」
「サフィーの方が偉いじゃん。」
 千春はニヤっと笑い、サフィーナに問いかけると、サフィーナは頷く、そしてニコッと微笑み答える。

「こまけぇこたぁいいのよ。」
「うっわ口悪っ!!!」
「チハルがいつも言う言葉よ!?」
「サフィーが言うと悪さ倍増!」
「・・・ズルい。」
 サフィーナは少し拗ねた顔で言うと、千春は思わず吹き出す、そしてサフィーナも微笑んだ。




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