来世はきっと。

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見学授業

見学授業③

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藍藤から渡された「アインシュタインの相対性理論」
とやらに読み疲れた俺は早々に本を閉じた。
相対性理論はつまり重力が時間の流れに影響することらしい。
これを知って何になるのかと疑問を持ちながら普段からこんなに難しい本を読んでるのかと思うと頭がくらくらする。
そこらへんに生えてる雑草をむしるぐらいしかやることがなくなり、藍藤のクラスを覗く。
相変わらずな真面目な顔。
今の時限は国語をやっているらしい。
俺の最不得意分野だ。
どうも人の心情を考えるのが苦手で、選択問題ではどちらか悩んだ挙句どちらも違うという散々な感じだった。
そんな俺とは真逆な藍藤は国語でも無双している。
羨ましい限りだ。
(国語…勉強しようかな、)
持っていたノートを鞄から取り出して藍藤のクラスの黒板を板書する。
そんなこんなで勉強していたら三限目が終わった。
藍藤、来てくれるかな…と淡い期待をしていたがその期待はあっけなく散り、職員室に呼び出された様子だ。
でも、あと一時限が終わったら会えるんだと思うと嬉しくなる。
それから数分してチャイムが鳴り数学の授業が始まり俺も問題を解いた。
こうしていると、藍藤と一緒に授業を受けているみたいで楽しい。
そんな合法授業も終わりを迎えた。
授業が終わった途端、藍藤が弁当を持って俺のところに走ってくる。
「雪君!!!」
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